12月20日より、JRバス関東が東京駅八重洲南口~東京港フェリーターミナル(国際展示場駅、東京ビッグサイト経由)の新路線を開設し、21日に早速乗りに行ってみました。
東京駅八重洲南口といえば高速バスのターミナルとして知られ、北関東方面や長距離のバスとともにここから発車します。


11:10の発車を待っている最中に2階建てバスのスカニア/バンホール・アストロメガが近づいてきましたが、これは大阪行きの「グラン昼特急9号」で、隣から同時刻に発車していました。実に8時間もかけて大阪に向かうそうで、時間があれば乗ってみたい気もします。


東京港フェリーターミナル行きのバスは大阪行きの隣から発車します。23区内完結で乗車時間35分ながら高速バスと同じ車両を使用しており、水戸ナンバーで鹿嶋支店の車両と分かりましたが、ここはどうやら北関東方面の高速バスの間合い運用で車両を回しているらしく、他には土浦支店や佐野支店の車両も入っているそうです。
これは高速道路を一切走らないので高速バスではないのですが、かと言って普通の路線バスとも一線を画しており、どうカテゴライズすべきなのか判断に困る新ジャンル路線の誕生ですね。新幹線の線路と車両を使用しながら在来線扱いの博多南線(博多~博多南)的なバスといえるかもしれません。


バスは11:10に定刻通りに発車。乗客は2人だけで、その他に開業間もないので研修とか調査のためかJRバスの職員も乗っていました。また、運転手が独特の話し方でよくしゃべっていたし、指差呼称確認をやけに念入りにやっているなど、運転手の仕事に情熱を注いでいる感のある面白い人でした。


東京駅を出ると外堀通りを南下して鍛冶橋交差点を左折して八丁堀方面に進み、新大橋通りに出て築地を通過して新しくできた環状2号線に出て築地大橋を渡ると、あとは国際展示場駅付近まで一直線です。


国際展示場駅には25分ほどで到着し、ここで時間調整のため止まった後にビッグサイトの下のバス乗り場にも立ち寄りました。
いずれもバス停周辺に人の姿はほとんどないのに、よくしゃべる運転手が「お乗りの方はいませんか」「発車します」と話しまくっていましたね。
東京ビッグサイトを出た後は、フェリーふ頭入口交差点を左折。
ここから先は物流倉庫やトラックの待機所ばかりで、商業施設の類は全くありません。
そして、ゲートブリッジ方面へのトンネル入口が見えてきて、トンネルに入らずに側道に進むとすぐに東京港フェリーターミナルに到着しました。


「フェリーターミナル」だけにきちんとしたバス乗り場があるのかと思っていたのですが、建物の横のフェンス際に置くだけの簡易型のバス停ポールが立っているだけという何ともショボいターミナルでした。


折り返しのバスが発車するまで30分くらい時間があったのでフェリーターミナル内を見学。


ここから発着するフェリーは東京~徳島~新門司を結ぶ「オーシャン東九フェリー」のみで、今日だと到着5:30、出航19:30なのでこの時間に発着は全くなく、当然ながら客はいないし職員らしき人の姿をたまに見かけるくらいでした。


2階にチケット売り場、3階が出発ロビーになっていますが、チケット売り場は当然閉まっていて、出発ロビーも空港のように広大ながら人影が全くなく、売店くらいはあるものだと思っていただけに予想外に何もない場所でした。
一応カフェのようなスペースはありますが、これはどうやら船の発着時も営業していないらしく、ただのテーブル置き場と化していました。


そして売店はないけど自販機がいくつか稼働中で、隣に給湯器も置かれたカップラーメンの自販機がありました。伊豆諸島方面の船内にもありましたが、やはり船といえばカップラーメン自販機のイメージが強いですね。
あれこれ散策していたら時間がなくなってできなかったのですが、せっかくここに来たからにはここで売っているカップヌードルを買ってその場でお湯を入れて食べるべきでした。
また、フェリーターミナルの中には運送会社などの事務所がテナントで入っているそうで、ターミナル内にコインシャワー&コインランドリー営業のお知らせが貼られていたのですが、見ると一般客は使えず貸室契約者(要するにここの運送会社などのドライバー)専用のものらしいです。


余談ですが、オーシャン東九フェリーは最近になって新造船に置き換えられたそうで、最もグレードの低い客室でも大部屋での雑魚寝ではなくカプセルホテルのようなベッドで1人ずつの区分になったり、2人ないし4人個室を増やすなど、グレードアップされているそうです。


そして、「Withペットルーム」というペット用ケージ付きの個室もあるようで、船の客室設備というのもなかなか奥が深いようですね。
そして12:20の発車時刻になったので折り返しの東京駅行きバスに乗り、東京港フェリーターミナルを後にしました。
行きは乗客がもう一人いたのですが、帰りは私だけで、その後の途中バス停からも乗客は乗ってきませんでした。


途中で特に渋滞などに巻き込まれることもなく東京駅には定刻通りに到着。なお、復路は他の高速バスと同様に日本橋口で降車となります。
高速バス車両使用ながら23区内完結など興味深いポイントは多かったですが、終点の東京港フェリーターミナルが予想外に何もない場所だったことに加え、日中は船の発着が全くないにもかかわらず、何故そういう場所に1時間ヘッドでバスの運行を開始したのか、ただただ謎ですね。勝手な推測ですが、羽田空港行きバスを将来的にこの先の中央防波堤(東京港臨海道路)経由で走らせるための布石など、何らかの意図があるのかもしれません(羽田空港⇔ビッグサイトはここ経由だと近道になりそうですし)。また、JRバスとしては、東京港フェリーターミナルへの乗客だけでなくビッグサイトに向かう客の利用も想定しているそうですが、高速バス車両を使用し必ず座れるとはいえ一般の路線バスより割高というのもネックになりそうですね。
現時点では存在理由がよく分からない路線であることに間違いないですが、もし羽田空港直結などが実現した場合は大化けする路線の可能性もありそうです。

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