ロマンスカーと言えば、運転台を上部に上げた展望車が有名どころですが、1996年に輸送力上等を目指したロマンスカーが登場しました。
30000系、Excellent Expressから抜き出して「EXE」の愛称を持っています。「SE」の愛称が始まって以降、後にも先にも唯一"SE"が付かない系列ですね。社内でもそれを分かっているのか、ロマンスカーのために作られたとも言えるブルーリボン賞を「該当なし」に阻まれ唯一受賞出来なかった残念な特急車とも言えます。造反も出たか?
一方でこちらは分割顔の方。
相模大野で分割併合を行い、それぞれ「はこね」「えのしま」として走ることも出来ます。
行き先は3色LED表示機です。朝夕のライナー的存在である「モーニングウェイ」や「ホームウェイ」ではその座席数を遺憾なく発揮しており、「はこね」のような観光特急は失格にせよポテンシャルを求められる運用にはしっかり応えている印象です。
それではまずはデッキ、ドアからです。片開き式で、窓は大きく取られています。
バリアフリー対応車両は幅が広くなっています。
くずもの入れは飲料系とその他で分別されており、表示はピクトグラムのみとなっています。その上には編成の案内がありますね。
かつて公衆電話があったと思われる場所は、本体が撤去され携帯電話の通話スペースとなっています。もちろん、積極的にここ、とは思ってもいないはずですが(^^;;
洗面台とトイレです。こちらは男女共用で、中は洋式となっています。
照明は鏡の両側に配置されています。蛇口は液体石鹸の蛇口も兼ねており、もう少し時代が進むと乾燥機能も備わっていたかと思います。進化の過程が見えますね。
トイレです。こちらは女性専用ですが、もちろん共用トイレもあります。
その奥の男性小用です。コンパクトなのは相変わらず。
売店です。今回は「えのしま」での乗車、車内販売は実施されておりませんでした・・なんて言ってたら、伝統の車内販売そのものが今は無くなってしまいましたね。
向かい側にはショーケースがあり、ここに品物を入れてカウンターで代金支払いのようなことをやっていたのでしょうね。
自動販売機です。車内販売をやっていなくても飲み物には困りません。
車内です。華はありませんが、落ち着いた内装はどちらかと言えばやはり「~ウェイ」向けですね。
デッキとの仕切りです。仕切り扉は全面ガラス張りで自動化されています。
バリアフリー対応車両は両開き式で、幅も広く取られています。こちらは全面ガラス張りでも両ドアが接する部分で視認が可能なことからEXEマークはありません。
天井です。メイン照明がどれなのかが非常に判断に困るところですが(^^;; 中央には一部光を漏らすようにした限りなく間接照明に近い半間接照明と、照度確保のために荷棚下のカバー付き直接照明という関東の特急型車両ではあまり見ない組み合わせとなっています。
窓です。2席に1枚の割り当て、日除けは横引き式のカーテンです。新宿行きであれば奇数、逆方向であれば偶数席を取れば柱に遮られません。
座席です。ロマンスカーだけありやっぱりセンタアームレストは有りません。とは言えこれは99年に増備された編成で、それより前の編成は小田急ロマンスカーとしては唯一センターアームレストを有する車両となっています。
元々角度が深めに設定されているとは言え、リクライニング角度のセコさに思わず笑ってしまったのが本音です。テーブルはインアーム式のみ、さすがに面積の狭さはいかんともし難いか。
車椅子対応の1人掛けです。サイドアームテーブルの形状は各地で見られるものですね。一般座席とはちと格差になっていますが…。
全展開の図。座り心地は小田急にしては凡庸でやや硬めです。小田原までくらいの距離が丁度いいんですよねぇ、やはりこの系列に求められているのはそのポジションなんでしょうねぇ…。
最後に最前面です。こちらは非貫通型で、仕切り窓は大きく取られており決して展望が悪いわけではありません。それこそJRやその系統で現在も残る下手なパノラマグリーン車に匹敵する窓の大きさで、なおかつ同一特急料金で利用出来るとなれば悪くはありません。他の展望車付きロマンスカーが良すぎるだけです(^^;; これでもMSEに比べれば立派なものだと思います。
で、貫通型車両の方。い、一応前面展望に配慮していますが、ちょっと厳しいっすよね!!