来る年も カケル姿を 見たいねん


大雪警戒モードの兵庫県神戸市で残り時間僅かとなったクリスマス当日、フィギュアスケート全日本選手権をTV観戦しました。ショートプログラムトップの坂本花織選手(シスメックス所属)が圧巻の滑走を魅せ優勝を決め、来年2月に開催される予定のオリンピック冬季競技大会への出場を一発で決定させました。おめでとうございます。

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1号線の5100形「サンフレッチェ電車」に続いて元神戸市電の1150形1156号が3号線広島港行きとして接近してきました(皆実町六丁目にて)

坂本選手は兵庫県神戸市出身で現在は神戸学院大学在学中とのこと、神戸から世界に駆け上っていく姿に同じ神戸っ子として感動を覚えます。五輪本番で表彰台の一番高いところに立てることを祈念して声援を送りたいと思います。

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1156号に乗車するのは13年ぶりです(皆実町六丁目にて)

かつて神戸には「東洋一の市電」がありました。「世界一」に比べるとややスケールの小ささを感じますが「イチにカケル!」思いは似通ったものがあるでしょう。いかんせん神戸市電が廃止されたのは今から50年も前の話なので「東洋一」の名に恥じぬ市電だったのか僕には分かりません。

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車内広告枠には神戸市電車両広島電鉄移籍50周年の歴史を振り返るポスターが掲示されています

神戸市電廃止後、神戸市交通局が保有する車両のうち29両が広島電鉄に移籍しました。現在もそのうちの2両(582号・1156号)が現役車両として運行されており、今年10月14日より移籍50周年を記念して「リバイバル神戸」と称した様々な企画が実施されました。

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中央付近より後方を撮影しました

神戸では市営地下鉄の車両に記念ヘッドマークが掲出されたり、北神線谷上駅のフォトスポットに広島電鉄の鉄道むすめ「鷹野みゆきさん」が登場して神戸っ子の心を奪っていったりと大変盛り上がりました。実施期間が明日12月26日で終了してしまうのがとても名残惜しく感じます。

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緑色のロングシートと板張りの床が雰囲気を醸し出しています

「リバイバル神戸」は現役で活躍する元神戸市電車両を称える企画ゆえ、広島の街をカケル車両に乗りたいと思っていました。先日広島に行く用事があり、1150形1156号に乗ることが叶いました。もう1両の582号は朝ラッシュ後に車庫に入ってしまったので走行する姿すら見ることが出来ませんでした。

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吊革は広電移籍後に増設されたのでしょうか?

車内に掲出されたポスターによると、1156号は昭和31年(1956年)製で「前面が絞り込まれた流線型のスマートな車体」とされています。移籍当初はみどりのツートンカラーだったそうですが、現在はかわいらしい動物たちを描いた塗装をまとい「動物電車」として親しまれています。これはかつてドイツのハノーバー市を走っていた動物電車のデザインをそっくり写したものとのことです。

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運転台側を撮影しました

広島の路面電車は日本一の規模を誇り、保有する車両も移籍車両あり、最新鋭の超低床車ありで、海外の路面電車事情には疎いながらも「東洋一」と言っていいレベルだと思います。広島県に本社を置く世界的な自動車メーカーであるマツダの前身は東洋工業ですから間違ってません。

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3号線の終点広島港に到着しました

さて、来年の干支はトラです。1156号は「動物電車」ですから探してみると先頭部にもっとも近い位置に勇ましいトラの姿を見つけ出すことが出来ました。動物電車の中で1を意識し、1にこだわるトラの思いが感じられます。

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50周年記念ヘッドマークを掲出した1156号です(広島港にて)

「イチにカケル!」は阪神タイガースの2022年スローガンです。元神戸市電に描かれたトラですからもちろんタイガースの優勝を願っているに違いありません。1156号には来年も記念ヘッドマークを掲出して日本一の路面電車網を駆け回ってもらいたいです。広島電鉄さんの次回企画に期待しましょう。

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1156号に描かれたトラが勇ましいですね。イチにカケル姿に期待しましょう(広島港にて)

では、魚を捕まえに行ってきます!