【復活】JR貨物EF66 27号機が運用復帰・東京メトロ17000系甲種輸送牽引

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JR貨物でEF66形0番台最後の生き残りとして頻繁に話題に上る27号機。その動向に以前から熱い視線が注がれています。

今月に入りパンタグラフの損傷とみられる運用離脱が続いていましたが、2021年12月24日の東京メトロ17000系17190F甲種輸送にて運用に復帰しました。全般検査期限が目前に迫っている状態で、去就が注目されます。

0番台のこれまで

国鉄EF66形は、試作機901号機と1~55号機が製造された直流平坦線区向けの電気機関車です。

開発経緯は高速貨物列車の牽引でしたが、その高速性能から寝台特急・特に九州方面のブルートレインの牽引を長らく担っており、その個性的な外観も相まって東海道の顔として広く知られました。

国鉄分割民営化ではブルートレイン牽引機がJR西日本に、それ以外がJR貨物に継承されています。JR貨物では100番台として前面形状を変更した上で量産が再開されたほか、既存の0番台についても機器更新工事が施工されました。

ブルートレイン牽引機は2000年代から相次いだ列車の衰退とともに廃車が進められたほか、JR貨物所有機についても同時期より後継のEF210形による置き換えが進められました。

しかしながら、JR貨物では後継機ながら少数製造・性能過剰だったEF200形の置き換えを優先することとなったほか、EF65形も多く残存していたこともあり、0番台の完全淘汰には至りませんでした。

2015年ごろには0番台の稼働機は指折り程度となっており、休車で延命されていた同僚たちが相次いで除籍されるなか、27号機は2015年6月に全般検査が施工されました。

この27号機は2006年の全般検査で原色復元(屋根色など細部は異なる)が実施されており、以前から人気の機関車でした。形式自体が1区分1機のみとなった現在では、関東から山陽までEF66 27号機が走るだけで沿線のファンを喜ばせ、珍しい列車に充当されれば全国からファンが足を運ぶ存在となっています。

ここ数年はSNS上で「国宝級」などの冠で呼ばれるファンの方もいらっしゃいますが、10年以上前に博物館入りした形式が2021年まで走っていることはJR貨物の努力の賜物であることは言うまでもありません。

なお現在は、1号機がJR貨物広島車両所で、11号機が鉄道博物館で静態保存されているほか、45号機と49号機が私有の先頭部カットモデルとして、10号機の前頭部カットモデルが京都鉄道博物館の運転台体験ブースとしてそれぞれ保存されています。

甲種輸送で運用復帰

最近の動向では、11月下旬にホイッスルが金色のものに改装される小変化がありました。この矢先の運用離脱となっており、このまま運用が終了となるのか否かが注目されていました。

特に近畿車輛からの甲種輸送は新鶴見機関区所属のEF65形が充てられる機会が多く、今回も前日にEF65 2074号機が無動力回送で吹田へ向かっていた最中、12月24日から25日にかけて実施された東京メトロ17000系の甲種輸送で“復活”となり、驚きの声が多く上がりました。

12月24日に注目されやすい甲種輸送で運用復帰ということで、沿線ファンにとってはJR貨物関西支社・吹田機関区からの思いがけぬクリスマスプレゼントとなりました。

“Xデー”はまもなく……?

これまで特別待遇で電気機関車・貨物列車のファンを魅了し続けてきたEF66 27号機ですが、既に引退へのカウントダウンが始まっています。

国鉄製造の電気機関車の全般検査周期は6年に1回となっており、単純に考えれば既に検査期限時期となっています。しかしながら、長期間の休車期間(第一種休車)期間を挟んでおり、実際の“検査切れ”はそれよりは先となります。

同機が原色化された2006年の次の全般検査が2015年に行われた事例と同様で、JR貨物は長期休車で検査期限を伸ばす対応も多くされていますが、2015年全検以降の長期休車は長いもので4ヶ月程度とみられます。前回検査前に比べると運用離脱期間はかなり少ない印象です。

このほか、1.5年周期(または走行距離20万km)で実施される台車検査が最後に実施されたのは2019年11月と、こちらも休車期間が無ければ既に半年経過している状態です。

この全ての運用から外れた期間が休車措置とされていたと仮定しても、長くとも2022年の早い段階で検査期限を迎えることとなりそうです。

引退間際の甲種輸送……といえば、かつての535号機が引退直前にEH200形やE331系の甲種輸送を牽引し、最後は撮影コンディションが良い朝の高崎線上り列車にヘッドマーク掲出の上で充当されたことを懐かしく思います。

27号機は何年も前から去就が注目されており、100番台の“丸目”ライトを装備した初期車も全廃されています。今更思い残すことは……という方も多いかとは思いますが、最後の1列車まで故障や事故なく活躍されることを願うばかりです。

画像元ツイート紹介

記事内掲載写真は、鉄道ファンの待合室Twitterフォロワーのぼん様(@Bonchitetsu)より掲載許諾をいただいています。

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