続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

網代駅座席未指定券

 伊東線・網代駅は特急「踊り子」の一部列車が停車します。しかし、2015(平成27)年3月で他の伊東線中間駅とともに無人化されました。

 その後は特急停車駅にも関わらず指定席券売機が設置されることはなく、自由席特急券しか発券できない多機能券売機で済まされていました。それでも「踊り子」には自由席があったので、不便さは限定的でした。

 しかし、今年3月のダイヤ改正で「踊り子」が全車指定席化され、自由席がなくなりました。事前に特急券を購入せず車内で車掌から購入すると、定価に260円上乗せされた車内料金が余分に徴収されます。そのため、網代駅では3月のダイヤ改正までに指定席券売機が設置されるか、多機能券売機で座席未指定券が買えるようになるかどちらかではないかと思っていました。

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網代駅構内 2021/4/4

 4月に入って網代駅に行って見たところ、多機能券売機が1台設置されたままで何も変わっていませんでした。その代わり券売機の横に小さな紙が貼られていました。

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券売機横の貼り紙 2021/4/4

 「踊り子」が全車指定席化される告知とともに、網代駅では特急券は買えないので事前の他の駅で特急券を買うよう呼び掛けるとともに、チケットレスサービスの宣伝をしています。自社の都合で全車指定席化したのに、それに備えてやるべきこともやらないで、客に不便を転嫁し、小さな貼り紙一枚で済まそうとするあたり、客を小馬鹿にしているなと感じました。

 そう感じつつも、左下の赤い文字の部分が目に留まりました。

※ご乗車前に特急券を購入できなかった場合は、乗車駅証明書をお持ちいただき乗車後に車掌へお申し出ください。

 お申し出たらどうなるのかという結論に触れられていません。結論としては、網代駅の乗車駅証明書を持って車内で車掌から特急券を購入すれば、260円上乗せされた車内料金ではなく、駅と同じ事前料金で購入できました。多機能券売機で特急券が購入できないことに対する救済措置だと思います。

 でも、それは客にとっては重要な情報なので、左下に注釈っぽく記載するのではなく、もっと上の方に大きく目立つように記載すべきです。自分たちの伝えたいことばかりを前面に出して、客が必要な情報を告知するという意識が完全に欠落しているなと感じました。


 その後、7月に入って網代駅の多機能券売機で座席未指定券が購入できるようになったという情報があり、現地に確認しに行ってきました。

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多機能券売機での座席未指定券の購入画面 2021/8/7

 多機能券売機の座席未指定券購入画面です。網代に停車する「踊り子」のすべての停車駅が網羅されています。

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多機能券売機で購入した座席未指定券

 こちらが購入した現物です。券名や注意書きは自由席特急券と様式が酷似しています。網代駅に特急「湘南」は停車しないので注意書きは「踊り子」だけでいいような気がします。こうして多機能券売機で座席未指定券が購入できるのは今のところ網代駅だけです。

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券売機横の貼り紙 2021/8/7

 券売機横の貼り紙は差し替えられていました。「踊り子」が全車指定席化される告知とともに、特急券を持っていない客に対しては多機能券売機で座席未指定券を購入するよう告知されています。これなら客が何をすべきか伝わります。

 差し替え前の貼り紙の左下に記載されていた赤字の救済措置については、差し替え後には記載されていません。網代駅の多機能券売機で座席未指定券が購入できるようになったことで救済措置は終了したと考えるのが自然です。

 正直なところ、最初からなぜ3月のダイヤ改正のタイミングでこれらの対応ができなかったのか(もしくはしなかったのか)疑問に思いました。JRの都合で営業制度を変えられることは客として半分諦めていますが、できるだけ分かりやすい周知に努め、それによって客が不便を被らない措置は予め考えておいてもらいたいものです。

【補足:2024/1/1】

 今年3月のダイヤ改正で「踊り子」の網代停車はなくなり、伊東線内途中駅は全列車通過となるそうです。この券もその際にはお蔵入りすると見られます。