年末詣で
今回の帰省にあたってsaiさんから1つのお使いを頼まれていました。
それは日本橋三越で売ってるというじゃないですか。
なので、綾瀬で乗った千代田線を大手町で乗り捨てて、ビル取り壊しで道路から見られる江戸城の石垣や、「もうちっと、いやもっといっぱいこっちにも回してくれよ」とつぶやきながら免震工事中の日銀本館を眺めつつデパートにたどり着いてみればABS以上の年末買い出し客が。そしてお目当てのお菓子はとうに売り切れ。
まぁ、「行列に並んでまで食べ物を」という大嫌いな事をしなくて済みましたし、買いには行ったんだけど、という言い訳は出来たのでこの件はこれで終わりとしても良かったのですが、やはり手ぶらで帰るのもねー。
という事で、翌12月31日。
ヨシッ、その店まで行ってやろうとやってまいりました。ドヨンと曇った日本海。
いやー、新幹線はすごいね。
ではなくて、ここは鎌倉。
前日のポカポカ陽気が嘘のように雪吹き付ける鎌倉。
鎌倉はいくら実家からはそう遠くは無いとは言ってもめんどくさいんですよねー。
しかも、正月に行くなんてお~嫌だ。
という事で大晦日に行ったのですがそれでも人は多いです。
そんな人ごみの通りを抜けて鶴岡八幡宮の前まで来るとこちらはまだ静か。
あと12時間もすればすごい事になっちゃうんだろうな、と思いいつつ(去年もそんな事を言ってたったけ)その近くにあるお店へ。
店内は外との静かさとは裏腹に行列していましたが、5分ほど並んだだけでお目当てを手にする事が出来ました。
さて帰るとしますか。
でもまだ午前10時。このままストレートもなんですから、ちょいとお寺詣ででもしていきますか。
と、向かったのが鎌倉駅の駅前にある「おんめさま」こと大巧寺。このお寺は安産祈願のお寺でsaiさんが拓を身ごもった時に訪れました。
以来20数年ぶりのお礼まいりです。
「おかげさまで無事生まれました。ありがとうございます。ですが、拓にはこちらにお願いする御縁がまだありませんのでアフターケアもよろしく」とゴニョゴニョ言ってからお寺を突き抜けて裏道へ。
その裏道は小町大路と言って鎌倉六大路の1つ。
なので道沿いには多くのお寺等がありますが、その中でちょいと気になる名のお寺があったのでそこへ寄ってみます。
おんめ様を出たら南下。夷堂橋を渡った所で妙本寺方面へ。でも妙本寺までは行かずに山門の比企能員邸址を右折して更なる裏道を進むとあるのが常栄寺。別名ぼたもち寺です。
大晦日故牡丹餅のおふるまいがあるかとの下心もあったのですが、それは9月12日のぼたもち供養の日のみの様ですね。
境内は訪れる人も無くひっそり静かでした。
ぼたもち寺の正面から小町大路へと戻って更に南下するとやがて横須賀線の踏切。
この辺りまで来ると前方が明るくなって海が近い事を感じます。
乱橋を渡って、
あちこちの魚屋の店先で焼かれている鯛を眺めながら逗子方面へと逸れて行く道を外れて直進すれば材木座海岸です。
ここは私が生まれて初めて海水浴をした所らしいです。もう50年以上前の事ですな。
生憎の天気で富士山は見えませんが、波は至って穏やか。沖にはウィンドサーフィンを楽しむ人たちが。寒くないのかな、と触れてみた海はびっくりするほど冷たさが感じられませんでした。
さて、この後どうするかな。
と、振り返ってみればそこには逗子マリーナ。
そう言えば京急の逗子海岸駅は降りた事があるけど、新逗子駅は利用した事が無いな。たしか岬をふたつも越えれば逗子だったはず。そしてひとつは目の前にあるんだから近いじゃん。
小町大路へとまた戻ります。
さて、ここから逗子までには何通りもの道があって、その多くはトンネルをくぐります。そのうちで一番の近道は国道134号線ですが、とても歩きで通れる道ではないのでパス。階段トンネル(怪談じゃないよ。そういうのも多いけど)なんかも面白そうですが、今日は小坪トンネルへの道を分岐して国道の下を潜った小坪海岸トンネル。
へ、向かう前に和賀江島にちょいと寄り道。
海岸に出ると材木座海岸では稲村ケ崎に隠れていた江ノ島が姿を表しています。
おお、「我が江ノ島」。
で無くて、和賀江島はこっち。
800年前の現存最古の港跡です。
小町大路は都からこの港へと出る道だったのですね。
では小坪海岸トンネルに向かいます。
今回はトンネルを通らず海沿いを歩いて行こうと思ったのですが、トンネル入り口で分岐する道の入口には「この先通り抜けできません」とあります。
う~ん、どうすっかな、と悩んでいたら地元の人が通りかかったので訪ねたら徒歩でなら行けるとの事。
ちょい進むと和賀江島の向こうに江ノ島。
う~ん。富士山が欲しい。
その少し先にあるのが六角の井。
井戸の形が8角でそのうちの6角が鎌倉分、残り2角が逗子分となっているそうですが、中で分水している訳じゃないよね。1つの井戸で汲みあげる場所が違うだけの話。そんなに厳密には水を分けられなかったんじゃないの?
と、思わせる案内は井戸の裏側にあって(初めにそれを読んだ時井戸はどこかと探しちゃった)井戸が見られる場所は今では完全に民地ですな。そこのお宅の御好意でかろうじて覗けるようにはなっているようですが。
てか、この井戸があるのは鎌倉市なのですが、この写真を撮っている場所は逗子市なんですよね。
実は先ほどの小坪海岸トンネルの手前、国道134号線を潜った辺りからすでに逗子市に入っていたのです。
そしてこの辺りの鎌倉市は道路より海側の家1軒分くらいの土地しかないんです。
道路とその山側が逗子市という事は途中その道路が海っぷちを通る所があるので、この辺りは鎌倉市の飛び地かというとさにあらず。
そのあたりは。
皮一枚と言うか岩一枚で繋がっています。
しかしこうまでして鎌倉市が海側を独占するのってずるくね?
(稲村ケ崎側も江ノ島ギレギレまで鎌倉市なんですよ。それどころか江ノ島まで侵略しようとした跡さえ。湘南江の島駅の近くに鎌倉市の飛び地があります。)
逗子マリーナとして埋め立てられる以前の岬の突端辺りで道は怪しくなります。ほんの少しの区間ですが踏み跡の様な道を行くとドンとあるのが逗子マリーナ。
でも興味ないのでスル―。
通り抜けた所が小坪漁港です。
岸壁は無く漁船を浜に上げるスタイル。
もう今年やるべき事は全て終わったのでしょう。港も町もしんと静か。
ただし、1軒の魚屋さんだけが大賑わい。
人がいっぱいでどんなものがいくらで売られているのか見る事も出来ませんでした。
1月2日に行われるミカン投げの案内が貼ってある小屋では漁師さんたちが一杯やってました。そこで
「私も仲間に入れて下さい」
ではなくて、この先の岬が通れるか聞いてみたところ、山越えの道はあるが岬回りの道は無いとの事。
天気が良ければ山越えして海を眺めるのもいいですが、この先はバスにしましょう。
港から少し山側に入った国道の下に小坪のバス停があります。
よほど待ち時間があれば港へ引き返して海でも眺めながら1杯と目論んでいたのですが、バスは20分間隔で運転されていてそれがあと3分くらい。
少し遅れてやって来た京急バスは国道の方から曲がって来ました。小坪トンネルの方を通って来たのですね。
この辺りは中乗り後払い方式。なので乗車時に無意識に整理券を取ってしまったのですが、スイカを利用する際は乗車時にタッチしなければならなかったのですね。でも財布に小銭はありますからいいでしょ。
てな訳で、いくらになるのかな、と料金表を眺めていたりですが、「えっ?乗り間違えた?」
終点が鎌倉と表示されています。
バス停には逗子行きと表示があったので、やって来たバスの行き先を確かめずに乗ってしまいました。
逗子行きと鎌倉行の2系統が運転されていたのかなー。いいや。そのうち横須賀線沿いの県道にぶつかるだろうから、鎌倉方面へ曲がった最初のバス停で降りよう。
小坪を発車したパスはふたつの岬の間の谷合い住宅地を北に向かって進みます。
が、すぐに少し狭い道へと右折。逗子方面に向かってくれそうです。
やがて住宅地の中の軽い峠を越えて県道にぶつかりました。
さて、勝負。
いやー、良かった。バスは右へと進路を。
そしてついに3つ先のバス停案内に逗子駅が出ました。
ここまで5分ちょい。
う~ん。歩いても良かったな。
ところが逗子駅の1つ前、池田通りバス停付近からバスは進まなくなりました。
道路が大渋滞です。
そう言えば逗子の駅前はいつも混んでいたよなー。年末だから尚更か。
600m程を8分かかって逗子駅前着。お客さんは皆降りてしまいました。あれれ?終点じゃないよね。次は新逗子駅と出てるもんね。
逗子駅からまた大勢のお客さんを乗せて新逗子駅まではすぐ。
結局3Km程を25分、200円もかかっちゃった。やっぱ歩いた方が良かった。
新逗子駅の鎌倉行きバス停はホームのすぐ傍。
でも駅入り口はその反対側のビルの中。
ホントにこれでいいの?と思わせるような駅ビル「ニート」の階段を上がって雑居ビルに入るように戸を開けて本屋などを間を抜けるとUターンするようにして改札口。そして間もなく姿を消すであろう渋谷駅埼京線連絡通路を大胆に貧弱にしたような通路を通ってやっとホームにたどり着いたのでありました。
停まっている電車のすぐ前には南口。
こっちを周って来た方が楽だったなー。
ところでsaiさんに頼まれたお使い物は鎌倉紅谷の「クルミッ子」。
ネットで人気らしいけど一口サイズなのに1個140円もします。
そんなに大騒ぎして入手困難になる程の物なのかなー。
正月も2日となって実家の酒が切れたので徒歩3分のイトーヨーカドーに行ったらそこでも扱ってましたー。
なんてこったい!!
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