アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

岳南夜行

岳南鉄道岳南電車)とは静岡県富士市を走る短区間のローカル線だが、沿線に工場が多く夜景電車が有名。
ここで終電後から翌日の始発電車前まで列車に乗る「岳南夜行」なる鉄向けの企画が今年の5月から始まった。広報に根負けし、血迷って企画を申し込んでしまったもの。

 

吉原23:50→0:00岳南原田

吉原駅21時39分から車両(9000系)自体は入線しているが、受付などを済ませて列車内に入れるようになるのは23時ごろである。

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「岳南夜行」



23時50分、吉原駅を出ると「サンライズ出雲・瀬戸」(下り出雲市・高松行き)と"敢えて"並走するという、いきなり曲芸のようなことをやってくれた。
向こうは誰一人気づいていないような感じだが、こちらは全員がカメラを向けまくっているのがシュールな画である。振り返るとここが今日一番のハイライトだった。いいのかそれで…

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サンライズ出雲・瀬戸(下り)と並走

岳南原田駅で夜鳴きそば「めん太郎」のそばが出る。うまい。出汁が聞いている。かきあげも美味。
岳南原田駅は駅のすぐそばにコンビニがあるので、念のため水などを買い込んだ。

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夜食かき揚げそば(ツアーの料金に含まれている)
岳南原田1:00→1:05岳南富士岡1:35→1:42岳南江尾

もうここまでで撮れ高いっぱいなのでこのまま解散してもいいぐらいだが、まだ全行程の2割ぐらいしか来てない。
この岳南夜行ツアーは今年の5月が第1回目で、ほぼ毎月開催されているらしいが、車掌さんいわく法律に触れなければ要望は何でもやるとのことだった。なんか貸し切り列車に乗っているような気分。

岳南富士岡駅は今年から「機関車ひろば」と称して機関車を撮影できるようにしているので深夜の撮影会となった。
岳南鉄道は2010年頃までは貨物列車メインの会社だったので、機関車を多数保有していた。でも形式は全くわからん。
初めて来たときは片手間に旅客列車を走らせているようなうらびれた路線の印象だったが、夜景遺産に認定されたころから明るいイメージの路線に変わったと思う。
岳南原田駅にトイレがなかったので富士岡駅では仮設トイレの奪い合いが繰り広げられた。

岳南江尾2:10→2:18比奈2:50→3:03吉原

岳南江尾から比奈駅に戻ってきたところでさすがに眠気に襲われ動けず。もう深夜2時を回っている。ホームに降りる人はかなり減っていて、常連さんぐらいになっていた。これ以降人影はあまり動かなかった。

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寝床

深夜3時に吉原駅に停車。
しかし深夜の吉原駅にいると、東海道線の貨物列車の本数のえげつない多さに舌を巻くばかり。
上り下りともに6~7分に1本ぐらいで貨物が通過していく。ツアーの参加前から終わりまで20本以上貨物列車を見たと思う。しかも一部は吉原駅で貨物同士で通過待ちをしていた。まあこれも一つの見どころかもしれない。

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吉原駅(AM3:25)

岳南鉄道自体が全長20分程度なのに、そこに5時間も乗るということがそもそもおかしい。
まあ5時間10分のうち3時間40分はホームで停車しているだけなのだが。
ワンマン仕様の自動音声がうるさい。とにかく寒いなあ。とにかく体が冷えるので30分×2回ぐらいしか寝られなかった。

吉原3:50→4:10岳南江尾4:40→5:00吉原

最後にもう一往復して、翌朝5時に吉原駅に到着して終了。
締めに吉原駅のホームから「サンライズ出雲・瀬戸」(上り東京行き)に手を振るという謎のイベントがあり、岳南夜行ツアーは幕を閉じた。サンライズミュージックホーン鳴らしてくれて満足。

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サンライズ東京行きをお見送り

5時半にイベント終了、解散。
残ったのは体の冷えばかりだが、ムーンライトなどに乗っていたときの気だるい気分を久しぶりに味わえた気がする。なお参加費は8,000円(食事付き)で参加者数は約30人だった。

ただ後に残る凄まじい疲労からして、夜行が好きな人・徹夜する気の人以外は手を出してはいけません。シングルシート(2人掛け)は体育座りするぐらいしかできません。
帰路、沼津からの普通グリーン車でぐっすり寝た。