東京を6時過ぎの新幹線に乗っても新花巻に着くのは9時過ぎ。グリーン車に3時間も乗っていられるのは嬉しいが、もう少し早く着けないものかとも思う。先週末の土曜日、えきねっとでなぜか普通席より安いグリーン席を予約し釜石線に向かった。2023年春でSL銀河の運行終了がアナウンスされ、これまで訪問したことがなかったので恥ずかしながら慌てて訪問することにした次第。

↓やまびこ51号のグリーン車に駅弁を持って乗り込んだ。(iPhoneで撮影)

震災復興支援を旗印に東北タイプに復元されたC58 239号機とは初対面である。新花巻で降車後直ちにレンタカーをピックアップし現場に向かった。運行終了のアナウンス以降現場が混みだしたとの情報もあり、少しでも早く撮影ポイントに着きたかった。目指すは急勾配が続く宮守•柏木平間にある“宮守のS字”と呼ばれるところ。急行したもののやはりベスポジは無理だったが、なんとかそれなりの場所を確保できた。そして同好の士(マミヤC330‼︎をお使いなので以下マミヤさん)とおしゃべりをしているとあっという間に時が過ぎる。ここは煙が確実に高く立ち上るというので大いに期待したが、列車は期待通りの煙で現れた。

↓“宮守のS字”の現場。やはりいつもより人が多いとのこと。(iPhoneで撮影)

↓期待を裏切らない煙で現れたC58 239

次はマミヤさんとの会話でハズレがないと教えられたひまわり•コスモスポイントへ。この時期もちろんひまわりやコスモスはないが、いわゆる減反補助金の対象となる水を張った水田が目につく。平倉から足ヶ瀬にかけて開けた風景の中で急勾配が続くという珍しいシーンが展開している。その現場で出会った鉄チャンからスマホに保存された半逆光で煙輝く秀逸な写真を見せられ、大いに期待が膨らむ。しかし、現実は直前に太陽が雲に遮られ、爆煙ではあるものの望むような光景は出現しなかった。

 平倉•足ヶ瀬間の日出踏切付近を行くC58 239。直前に曇ってしまったが、煙には大満足。

↓直線にかかったところを引きつけてレリーズ。周囲が開けた中の急勾配を爆煙で進む。

本日の撮影はこれにて終わり。たった2本しか撮っていないが、初めての地で無理はしたくない。今日の宿泊地は釜石。ここからは高速道(無料)の利用が一般的なのだろうが、レンタカーのカーナビには新設のICが反映されてなく一般道のルートを示している。どうせ急ぐものでもないので指示に従いつつ仙人峠を下り、明日のロケハンを兼ねて陸中大橋から洞泉にかけての撮影ポイントに立ち寄りながら向かうことにした。途中で勾配を下るSL銀河を撮影するというオマケもついた。

↓大松の踏切の下見にやってきたら列車の通過前だったので、絶気とわかりつつも1カット。

そして釜石のホテルに着いてびっくり、懐かしの“サービスなし•寝るだけ”の宿だった。和式の部屋には小テーブルとテレビ、冷蔵庫、暖房機のみ。バス•トイレは共用。僕は若き日の呼人旅館を思い出し、令和の時代にもあるんだぁと嬉しくなった。しかもGO TO トラベルの釜石市版とやらを併用すると宿泊費はなんと¥2,000に。浮いた分で地魚と地酒を大いに堪能して早々に床についた。