「郵便専用地下鉄」のこと | 書斎の汽車・電車

書斎の汽車・電車

インドア派鉄道趣味人のブログです。
鉄道書、鉄道模型の話題等、つれづれに記していきます。

 昨日の『読売新聞』日曜版に、東京駅と隣の東京中央郵便局を結んでいた、郵便専用地下鉄が紹介されていました。

 この地下鉄、東京駅開業翌年の大正4(1915)年3月に竣工し、昭和16(1941)年4月まで使用されていたといいます。軌間は610mm、直流220V、電気機関車は最大5輛が在籍し、この機関車が郵便物を積んだ貨車を最大5輛を牽引していたようです。わずか600m程度ではありますが、東京地下鉄道が上野と浅草の間で開業したのが昭和2(1927)年のことですから、この郵便専用地下鉄こそが、日本初の地下鉄といえなくもありません。

 

 とはいえこの地下鉄、まだまだ判らないことが多いのです。電気機関車の素性、施設とその変遷など、その解明は東京の地下鉄の歴史を語る上で避けては通れないと思います。この地下鉄とひとつ本気で取り組んでみようかと考えています。

 

 ところで、イギリスの首都・ロンドンにも郵便専用地下鉄がありました。こちらも軌間610mmというのは東京のそれと同じですが、直流440Vで第三軌条集電、路線の総延長は10.5km、駅数8という本格的なものでした。

 東京の郵便専用地下鉄は、このロンドンの例を真似したのだとばかり思っていたのですが、今回改めて調べてみたところ、ロンドンでの開業は1927年といいますから、何と東京の方が先輩でした。ただ、こちらは2003年まで使用され、2017年からはロンドンの「郵便博物館」のアトラクションとして、その一部が公開されており、実際に乗車することもできるそうです。機会があればぜひ体験したいところですが、さていつのことになりますやら。

 

 東京とロンドンの「郵便専用地下鉄」、来る2022年の新たな研究テーマとなりそうです。

 

 丸ビルから見た東京駅と東京中央郵便局(右:現在のKITTE丸の内)、この下あたりを「日本初の地下鉄」が走っていました。

(2021年12月25日に写真を追加しました)