今回は国鉄がJRになってから「あけぼの」廃止までをまとめた。
交通公社の時刻表、1988年3月ダイヤ改正号の奥羽本線。
88年3月ダイヤ改正は、青函トンネルが開業し、本州と北海道がつながった記念すべきダイヤ改正であった。この改正から上野-札幌間に寝台特急「北斗星」が登場した。
「あけぼの」は秋田発着の1往復が削減され、上野-青森間2往復になった。24系客車の一部を「北斗星」に転用したためと思われる。
臨時の「あけぼの81号、82号」は583系電車。
次はJR時刻表、1996年3月号の陸羽東線。
奥羽本線福島-山形間で新幹線乗り入れ工事(改軌工事)がはじまるため、「あけぼの」1往復は1990年9月から東北線、陸羽東線、奥羽線経由に変更された。陸羽東線は非電化路線のため、小牛田-新庄間をDE10が牽引するという珍しい運行体系が注目された。
また、長らく客車急行だった「津軽」は583系電車となり、東北線、仙山線、奥羽線経由に変更された。「津軽」もこの時期限定の珍しい運行経路であった。
JR時刻表、1996年3月号、奥羽本線上り。
「あけぼの」2往復のうち、1往復は愛称を「鳥海」に改め、高崎線、上越線、羽越線経由に変更された。
この「あけぼの」と「鳥海」の体制は1997年3月の秋田新幹線開業前まで続いた。
その後、陸羽東線経由の「あけぼの」は廃止され、「鳥海」を再び「あけぼの」に戻し、「あけぼの」1往復体制となる。
JR時刻表、2005年7月号、高崎線上り。
この時期の早朝の高崎線上りは、「あけぼの」、「北陸」、「能登」、「ムーンライトえちご」と、定期夜行列車が4本もあった。毎年、夜明けの早い季節になると何度も撮影した。
JR時刻表、2014年3月ダイヤ改正号高崎線上り。
このダイヤ改正で「あけぼの」は事実上廃止され、多客期のみ運転される臨時列車に格下げされた。
国鉄時代とJR時代に分けて、「あけぼの」の歩みを時刻表で振り返ってみた。
以下はおまけ。
2013年6月、私が最後に「あけぼの」に乗った時の指定席券。
「あけぼの」はむろん、24系寝台車に乗ったのもこの時が最後となった。