11月29日 (月曜日) 晴れ
土、日、月と続いた3連休も終わりです。そして11月も終わりですね。明後日からは12月。我々にとって一番忙しい時期を迎えますが、昔と比べてもそんなに忙しくないのが現状です。
さて、モータースポーツ界に訃報が舞い込みました。
F1チーム・ウィリアムズの創始者であるフランク・ウィリアムズ氏が11月26日、亡くなられたそうです。享年79。
我々の世代にとって、ウィリアムズはマクラーレンやフェラーリと並び称されるF1のレジェンドチームであり、特に1980年代後半から1990年代前半にかけては、ドライバー部門と製造者 (コンストラクター) 部門で幾度も年間総合優勝を成し遂げるなど、とにかく 「強い」 「速い」 だけが際立っていました。
フランク・ウィリアムズのレース人生は1960年代から始まっており、ドライバーやメカニックの経験もありましたが、大半はチームを率いて運営にあたることに人生を費やしたといっても過言ではありませんでした。
当初は低迷が続きましたが、1979年に初勝利を挙げると、一気にトップチームの仲間入りを果たし、1984年からはホンダエンジンを搭載、1986年には初のコンストラクターズチャンピオン、1987年にはドライバーとコンストラクターのダブルタイトルを手にします。
【ドライバーズタイトル】
1980年 アラン・ジョーンズ
1982年 ケケ・ロズベルグ
1987年 ネルソン・ピケ
1992年 ナイジェル・マンセル
1993年 アラン・プロスト
1996年 デイモン・ヒル
1997年 ジャック・ヴィルヌーヴ
【コンストラクターズタイトル】
1980年 (アラン・ジョーンズ/カルロス・ロイテマン)
1981年 (アラン・ジョーンズ/カルロス・ロイテマン)
1986年 (ナイジェル・マンセル/ネルソン・ピケ)
1987年 (ナイジェル・マンセル/ネルソン・ピケ)
1992年 (ナイジェル・マンセル/リカルド・パトレーゼ)
1993年 (アラン・プロスト/デイモン・ヒル)
1994年 (アイルトン・セナ/デイモン・ヒル/デビッド・クルサード/ナイジェル・マンセル)
1996年 (デイモン・ヒル/ジャック・ヴィルヌーヴ)
1997年 (ジャック・ヴィルヌーヴ/ハインツ-ハラルド・フレンツェン)
それ以降は低迷し、エンジンも事ある度に変わっていきました。
最後の優勝は2012年で、昨年、チームはアメリカの投資企業に売却し、フランク・ウィリアムズも経営から手を引き、 「ウィリアムズ」 とチーム名は残っているものの、運営自体は全くの無関係になっています (共同創始者のパトリック・ヘッドは2011年を最後にチームを離脱) 。
1977年の本格参戦から数々のマシンをサーキットに送り込んできたウィリアムズですが、初勝利を挙げたFW07やホンダエンジンを搭載したFW11シリーズを “名車” として挙げる方もいるでしょう。でも、やっぱりウィリアムズのマシンといえば、1992年のFW14Bを私は推したい (次点は1993年のFW15C) 。
マンセルとパトレーゼのドライブで年間10勝を挙げ、マンセル自身初のドライバーズタイトルを獲得し、パトレーゼも常に上位をキープして、コンストラクターズタイトルも手中にしています。
FW14は1991年に登場していますが、レジェンドエンジニアであるエイドリアン・ニューウェイのウィリアムズ第1作になります。しかし初期トラブルが相次ぎ、その間にマクラーレン・ホンダのセナが勝ち続けました。トラブルを克服してシーズン中盤から本領を発揮したのですが、最終的にはセナにタイトルを奪われてしまいました。FW14BはFW14にアクティブサスペンションやトラクションコントロール等搭載してハイテク化を一気に進めたマシンです。 「F1史上最高」 と今も語り継がれるモナコグランプリにおけるセナとのラスト数周の大バトルはこのFW14Bによるもの。マンセルの 「レッド5」 も懐かしいですね。
私は2000年以降のF1は殆ど、いや、全く見ていません。なので、今のF1ってどうなっているのか全然分かりません。ホンダが時折、勝ったりしているのは風の噂で聞きましたし、日本人ドライバーもいるんですよね。でも、私の 「F1愛」 はセナが事故死した1994年で止まっています。それはセナを支持しているとかそういうことではなくて、前年にプロストとパトレーゼが、さらにその前年にマンセルが、さらにさらにその前年にピケと中嶋悟選手がサーキットから去りまして、急激にトーンダウンしちゃいました。
こんな風に書き込んでいますけど、私がF1にハマったのは1993年からで、それ以前の事柄については雑誌やビデオ (DVD等含む) などで “勉強” して知りました。何故セナとプロストに確執が生まれたのかとか、何故1990年の日本グランプリで鈴木亜久里選手が3位表彰台に立てたのかなどはそれがあってのこと。
フランク・ウィリアムズ氏の死去によって、F1の一つの歴史が終わった感じがしますが、今後もF1は観ないだろうなぁ。
F1っていうと、ドライバーが主役であるのは間違いないんですが、フランク・ウィリアムズを始めとして、ケン・ティレル、ロン・デニス、コーリン・チャップマン、ジャン・トッド、ゴードン・マーレイ、スティーブ・ニコルス、ハーベイ・ポストレスウェイト、桜井淑敏、後藤治・・といった裏方も紛れもなく “主役” だったと思います。