2021年11月28日。くま川鉄道の肥後西村~湯前間が運転を再開しました。
くま川鉄道は2020年7月4日に発生した豪雨災害により、橋梁の流失や車両の水没が発生し、全線で運休を続けてきました。
しかしながら比較的被害が軽微な肥後西村~湯前間に関しては復旧作業が進んだため運行を再開することとなったのです。
さて、今回はそんなくま川鉄道で行われているあるイベントについてご紹介します。
それはくま川鉄道レールサイクル「くまチャリ」。
運休区間の一部をレールサイクルで走れる…という面白いもの。
同様の施設は全国にいくつかありますが、(運休中とはいえ)現役の線路の上を走れる体験というのはここだけではないでしょうか?
ということで、今回はそんなレールサイクルに乗車してきました。
2021年7月24日。人吉にやってきました。
前回訪れたのは2020年6月…まだ豪雨前のことです。
人吉駅からは1駅と少し離れた十島菅原第一踏切という踏切前がレールサイクルののりば。
運休中のためか遮断器のバーが近くに下ろしてありました。
ちなみにこの先湯前方向に直線距離で1.3kmほどのところに流失した球磨川第四橋梁が存在します。
踏切近くにはすでにレールサイクルが停まっています。
これが車両。
前側に自転車が2台、後ろには座席が2人分設けられており、最大4人まで乗ることができます。
後ろにはビニールハウスのようなものが。仮設の車庫だと思います。
しばらく撮影していると、受付がはじまりました。
料金を支払い、くま川鉄道と書かれたヘルメットを受け取りました。
ヘルメットを装着して乗り込みます。
電動アシストになっていて体力に不安がある人でも大丈夫だとか。
出発するときは保線用カートの先導で3台のレールサイクルが時間をおいて発車するようです。
私の車は最後尾。前の車と十分に距離をとって出発します。
それでは出発…!
乗り心地は普通の自転車よりいいですね~
時おりレールのつなぎ目に車輪が落ちる音がして、線路の上を走っているんだ…と感じさせてくれます。
森の中へと入っていきます。
風が気持ちいいですね…!
現れたのは勾配標。この先10パーミルの勾配があることを示しています。
漕いでいると確かにきつくなってきました。
勾配標の表示が実感できるいい経験です。
体感的にはけっこうスピードが出ます。
やがて左側に球磨川の流れが見える区間に。
一瞬ですが川の風景を楽しみます。
15分足らずで折り返し地点に到着しました。
こうやってくるっと回転させて向きを変えるんですね~
折り返しまで時間があるので線路の上を歩きます。
廃線跡に見えちゃいますが、ここはれっきとした営業線上。
こうして特例がないと歩けない場所です。
かなり貴重な体験だと思います。
1990年代まではここを博多直通列車が走っていました。
そんな事実を思い浮かべると感動もひとしおですね。
そろそろ折り返します。
帰りものんびりと漕ぎ進めていきました…!
楽しい時間はあっという間。スタート地点に戻ってきました。
現役線路上をレールサイクルで行けるこのイベント。
今回復旧区間ではないため、部分復旧後も当分の間は楽しむことができます。
2021年は12月19日までの土日(除外日あり)、2022年は3月頃からの開催を予定しています。
ご興味のある方はいかがでしょうか?
【おまけ】
人吉駅に行ってきました。
駅の裏側には水没したくま川鉄道の車両たちが…
このうち3両を復旧させ、部分運行に使う予定となっています。
こちらの「冬」車両もその一つ。
その活躍ぶりを見たいですね。
石造りの倉庫には水没したキハ220-1102とキハ140-2139が停まっていましたが、すでに搬出されたためその姿はありません。
人吉駅の駅舎の方に回ってみました。
見た感じ被災前と変わらないように見えますが…今はここを発着する列車は1本もありません…
改札内ではなにやらイベントの準備を行っているようでした。
それでは。
★乗車データ
くま川鉄道レールサイクル「くまチャリ」十島菅原第一踏切(9:10頃)→「願成寺踏切」手前(9:25頃/9:30頃)→十島菅原第一踏切(9:45頃)