本州と北海道を結ぶ青函トンネル。
開通した時、道民は本州を「内地」と呼ぶのをやめようと決めました。
もう、北海道は本州と陸続きなんだ!って喜びの気持ちです。
でも、実際には、国鉄が掘削したもので、マイカーで行き来できるわけじゃないし、まして関門トンネルのように歩いて「ここから青森!」と内地入りを実感できるわけじゃない。
段々と「内地」を使う人が増えました。私は「内地」という呼び方が抜けなかったので、普通に内地が使えるように戻ったのは大歓迎です。
地元から汽車に乗ったまま上野まで行けるという話がありました。
だから特急には食堂車が付いていると聞いていたし信じていました。
キハ80系の時代です。
キハ183になって驚いたのは食堂車が付いてないことだった。
その頃から雲行きが怪しくなって……。
青函トンネルが開通したら、釧路や網走、稚内からの列車は札幌止まり。
札幌からの列車は函館止まり。
函館で乗り換えて津軽海峡を渡ると「内地」到達です。
それでも道民の長年の夢だった内地との陸続きのトンネルです。
それが、「新幹線が走る為に」作ったということで旅客在来線を廃止してしまった。
知らなかった。「新幹線も走る為に」だという認識でした。
いざ新幹線が走り出して札幌へと延伸する工事が進むと、貨物列車が邪魔だという。
そこで出てきた案が第2青函トンネル。
実現性はメッチャ低いトンネル案です。
最新工法で掘削すると、現在のような出水はなく、ポンプで汲み出す量ははるかに少なくてすむらしいです。
第2青函トンネルの最大のアピール点は2階建てという構造。
なんせ1兆円超えの工費を30年程度で返済しようという計画ですから、2階建ての1つを貨物列車、1つを車を通行させて通行料を徴収しようという話。
トンネル区間を40km程度にしても、この距離をドライブすると眠気がくる。
トンネル内走行は自動運転に限定するようです。
自動運転じゃない車は、自動運転のトレーラーに載せて運ぶらしい。
トレーラーの料金は別途必要になります。
長距離トラックのドライバーにすると、海を渡る時間が休憩時間、睡眠時間となります。
あんまり短い時間で本州・北海道を結ぶのは利用率低下になっちゃいそうですが、考慮されてるのか不安です。
貨物と新幹線を分けることで、新幹線用トンネルのメンテ時間を確保できるメリットがある。
それだけ傷みが目立っているのが現在の青函トンネルとも言えます。
無理して東京ー札幌を新幹線で走る必要ないんじゃない?
その為に在来線廃止するのって本末転倒じゃないかと思います。
第2青函トンネルの内容は伝え聞いた話で、本当はもっと深い議論がされていて、ほぼ確定的なものかもしれないし、却下されたものがこぼれ出ただけかもしれません。
素人の私が「こりゃいかん」と思うんだから、専門家はもっと強くダメ出しするでしょう。
なんにしても開通が2030年というのに、トンネル工事で出た土砂をどこに置くのか、有害物質が含まれているのを承知で掘削工事してる区間もあります。
「人目につかない山に置けばいい」って理屈で進められています。
でもね、山に置くってことは、川の上流に有害物質があるってことで、下流の人の生活用水が汚染されてるってことになります。
むしろ、周辺の住民もしっかり監視できる場所に置くべきじゃないか?と思うんです。
付近の住人が少ない過疎の山中に置いて、何年かするとそこに汚染土があることすら知らないことになって…。自然災害で汚染土が川に流れ込んで…。
その頃運び込んだ業者はいなくなってるかも。
現在トンネル工事で出た土砂の置き場で住民ともめているのは札幌市内だけ。
カドミウムなどが含まれている土砂の置き場がないからと、高速道の延長を見送った場所に新幹線のトンネルを掘る。これだけでおかしな話です。
環境団体も、野党も何も言わないけど、それも一般人からすると不思議な話。
本当に北海道に新幹線って必要か?って考えると、第2青函トンネルが必要かって議論になると思う。
私は、どうしても内地に渡りたいなら青函フェリーや津軽海峡フェリーを使えばいいという意見です。