世間一般では、飛び石連休で四連休という方も多いようで、しかもちょうどコロナも落ち着いたタイミングとあって、各地の交通機関や観光地は大いに賑わっているようです

そんななか、こちとら連休どころか明日は休日出勤とあって家で大人しくしているわけですが、先月から今月にかけてJR西日本のDEC741の発表や山形新幹線の特急料金改定など、大きなトピックスがありましたので、時系列順に管理人の雑感も交えながらお伝えしたいと思います

 

●JR西日本、新型総合検測車DEC741を発表

10月27日にJR西日本より、新型総合検測車のDEC741が発表されました

既に川崎重工から出場して試運転を行っているDEC700形と同様に電気式気動車として製造され、エクステリアは事業用車らしい紺色と黄色で構成され、警戒色で遠目からも視認しやすいカラーリングとなっています

 

また、写真をみる限り、前部・後部標識灯は271系のパーツがそのまま流用されているほか、先頭形状はかつての「きのくにシーサイド」を彷彿とさせるスタイリングになっていると感じたのは私だけではないはずです

同車最大の特徴といえるのが、屋根上にびっしりと並んだカメラで、その数なんと50台にものぼります

 

これらのカメラは「電気設備撮像装置」と名付けられており、これまで地上から人の力で点検を行っていた架線や架線柱について車上から撮影し、日本信号と共同開発した電気設備診断システムでAI解析を行えるとのこと

 

また、新幹線で試行している線路設備診断システムを床下に搭載することも計画されており、労働人口が減少するなかでも、新型検測車の導入により、輸送品質の維持を目指すとしています

 

●東武鉄道、新型特急車両N100系導入へ

11月14日に東武鉄道より、「スペーシア」の後継となる特急車両N100系を2023年から導入すると発表しました

N100系という形式が示すように、現行のフラッグシップ車両であり、1990年に運行を開始した100系「スペーシア」の後継車両となります

 

エクステリアは現行「スペーシア」のデザインを現代風に昇華させた高貴な白を纏い、窓枠は鹿沼市に伝わる組子や江戸の竹編み細工をイメージしています

インテリアは、「スペーシア」にある個室が継承されるほか、多種多様な座席が用意されるそうなので、近鉄の「しまかぜ」やJR東日本の「サフィール踊り子」を意識した観光特急になりそうです

 

なお、N100系の製造数が6両×4本の計24両であることから、7編成ある100系「スペーシア」をすべて置き換えることはできません

しばらくは、100系とN100系の共演することになるのか、それとも残りは500系”Revaty”で置き換える腹積もりなのでしょうか?

 

●山形新幹線「つばさ」、全車指定席化へ

11月16日にJR東日本より、山形新幹線「つばさ」を全車指定席化することが発表されました

同社によると、「つばさ」の自由席は最繁忙期を中心に混雑が激しく、えきねっとのリニューアルを機に指定席の予約サービスが拡充されたことから、今回の措置に踏み切ったようです

 

現行の料金体系では、東京~山形間を「つばさ」の自由席を利用した場合の運賃・料金の合計は10,640円ですが、改定後の指定席を利用した場合の運賃・料金は11,450円と、810円の値上げとなります

ただし、えきねっとトクだ値(新幹線eチケットサービス)を活用すると、10,110円となる予定なので、むしろ現在の自由席を利用する場合と比べると、値下げと捉えることもできます

 

今回の全車指定席化に伴い、「こまち」の盛岡以遠と同じく、在来線区間(山形新幹線内)のみを利用する場合は、指定席特急料金▲530円で空席を利用できる特定特急料金が新設されます

なお、自由席の利用が前提となるタッチでGo!新幹線については、東北新幹線と山形新幹線を跨いでの利用ができなくなります

 

●315系、22年春から営業運転開始

11月7日に日本車両の豊川工場から第一編成となるC1編成がロールアウトした315系

現時点で既にC2編成が出場しており、JR東海管内でさっそく試運転が行われています

 

11月17日には、JR東海より315系を2022年3月5日から中央本線名古屋~中津川間で営業運転を開始することが発表されました

中央本線の同区間では、2023年度中に383系を除き、使用車両が315系に統一される予定になっています

 

つまり、中央本線では今後2年以内で、313系が姿を消すことになりますが、かつて「セントラルライナー」用として製造された313系8000番台の処遇が気がかりですね

なお、315系の投入に伴い、JR東海が国鉄から継承した211系8両が22年3月に姿を消し、同社の保有するすべての車両が民営化以降に製造・投入された車両となります

 

315系とHC85系の製造が落ち着いたら、今度は383系の置き換えが始まりそうですね

 

●JR西日本、岡山地区へ新型電車投入

11月18日にJR西日本より、岡山地区に227系をベースにした新型電車を101両投入することが発表されました

 

営業運転開始は2023年度以降となっていますが、現時点では車両のカラーリングが決まっていないため、プレスリリースのイメージ図はモノクロ写真となっています

また、227系ではなく「227系をベースにした新型車両」と記載されていることから、別形式を立ち上げることが予想されます

 

●SL「銀河」、2023年春引退

11月19日、JR東日本から釜石線で運行中のSL「銀河」について、車両が老朽化していることから2023年春に運行を終えることが発表されました

SL「銀河」は、東日本大震災で甚大な被害を被った三陸地方を観光面から支援すべく2014年4月から運行を開始しました

 

釜石線内の急勾配に対応すべくJR北海道からキハ141系を購入し、SLとキハ141系で協調運転を行う点でも大いに注目を集めました

キハ141系については、もともと50系客車だったわけで、SL「銀河」用の車両は客車→気動車→客車という数奇な運命をたどっています

 

今回、その釜石線での運行の要となるキハ141系が老朽化していることから、SL「銀河」の引退と相成ったわけですが、この列車の運行にあたっては、盛岡駅に検修庫を新設するなど約20億円を要しており、何とももったいないように思えてなりません

 

プレスリリースの文中には、SL「銀河」の後継となる新たな観光列車について検討することが盛り込まれていますが、SLなのかどうかは不明です

JR東日本からは、つい先月も「とれいゆつばさ」の引退が発表されたばかりで、コロナ禍で経営が苦しいなか、これまで積極的に拡充していた乗って楽しい列車についても縮小・整理が避けられそうにありません