【11/18デビュー】相模線E131系準備万端!205系500番台の気になる今後

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JR東日本では、205系の代替のため相模線にE131系500番台・宇都宮エリアにE131系600番台の投入を進めています。このうち、相模線でのデビューは11月18日と目前に迫ってきました。

11月11日にはG-06編成が配給輸送されており、12編成中9編成が運用可能な状態となりました。

9編成が一気に投入?世代交代準備が進む

E131系500番台は、製造から30年が経過した相模線の205系代替のために新造されている車両です。

従来の相模線の205系と比較して1編成少ない4両12編成が投入予定とされており、JR東日本子会社の総合車両製作所(J-TREC)新津事業所で製造が進められています。

2021年7月のG-01編成の落成を皮切りに落成が続いており、記事公開日時点ではG-09編成までの9編成が国府津車両センターへ輸送されています。

600番台とは異なり編成番号・車両番号順に落成しているものの、このうちG-06編成は首都圏での大きな地震による輸送障害の都合からか、しばらく新潟車両センターで留置されていました。このG-06編成もデビュー前週となる11月11日に搬入されており、営業列車の置き換えへの影響はなさそうです。

このほか、新津では既にG-10編成が完成状態・出場間近の状態です。残されるのは2編成ですが、モニタリング装置を搭載した580番台となります。当初報道では2021年内に置き換えを完遂するともされており、計画に変更がなければ12月までに落成することとなりそうです。

デビューは11月18日となっており、国府津へ出入りするタイミングで順次差し替えられていく流れが想像できます(1番列車の予想など、詳細は過去記事をご覧ください)。

参考:2021年度のE131系投入の動き(〜11/16)

出場順路線出場配給
① G-01相模7/127/16
② G-02相模7/277/30
③ TN2宇都宮8/58/10
④ TN1宇都宮8/6同上
⑤ TN4宇都宮8/178/20
⑥ TN3宇都宮8/18同上
⑦ G-03相模8/238/26
⑧ TN6宇都宮9/19/7
⑨ TN5宇都宮9/2同上
⑩ G-04相模9/89/13
⑪ G-05相模9/139/17
⑫ TN8宇都宮9/2710/1
⑬ TN7宇都宮9/2810/1
⑭ G-06相模10/511/11
⑮ G-07相模10/1110/14
⑯ TN10宇都宮10/1510/20
⑰ TN9宇都宮10/18同上
⑱ G-08相模10/2510/28
⑲ G-09相模11/111/5
㉑ TN12宇都宮11/12近日中
㉒ TN11宇都宮11/15同上

疎開の動きは発生せず〜国府津で“縦列駐車”

今回の相模線の代替で特徴的な点として、車両を事前に揃えた上で集中的に取り換える方ものの、新造車の疎開の動きが発生していない点も特徴的です。

現在進行している横須賀・総武線快速電車の置き換えだけでなく、近年の車両代替ではE257系の東海道線転用や相鉄直通運転に向けたE233系7000番台増備など大きい動きとなる場合は、車両基地の逼迫を防ぐため、支社内や近隣の車両基地に車両を留置する「疎開」と呼ばれる対応が一般的です。

相模線で運用される車両は茅ケ崎駅を拠点としているものの、所属は国府津車両センターとされており、東海道貨物線経由で出入りする運用体系です。

メーカーから輸送されたE131系は一部が茅ケ崎拠点の乗務員訓練等で使用されているものの、それ以外のほとんどの車両は国府津車両センター構内で留置されています。

9編成のデビュー待ち車両を疎開なく対応出来ることを意外に感じる方も多いのではないでしょうか。

近年では国府津車両センターを拠点とする車両の入れ替えが多く発生しており、2020年3月改正前後では251系(スーパービュー踊り子)とE257系(踊り子)の運用前・運用離脱後の疎開留置が実施されていました。

2020年10月には、651系1000番台“伊豆クレイル”が廃車となって配置数が純減し、余裕が増えました。一方で、この前後から現在まで横須賀線・総武線快速電車の世代交代が開始されており、E235系1000番台の運用前の疎開・E217系の検査周期調整や廃車前の疎開が実施。251系が国府津を去って以降も現在まで“居候”が発生している状態です。

2021年3月のダイヤ改正では、大量にあった停泊車両の185系とE257系を入れ替える大規模な停泊車両変更がありましたが、こちらは改正前日を中心に大量の臨時回送を運転する体制で長期間の滞在車両を発生させずに乗り越えています。

改正直後には外泊が2運用あった215系が運用を失ったため、215系やE217系を平塚駅や湯河原駅構内に短期間の疎開を繰り返す動きが発生していました。

東海道線の車両基地である国府津車両センターは、15両編成での留置が可能な線路が過半数の構成となっており、E131系であれば3編成を“縦列駐車”しておけば3編成を1本の留置線に纏めておくことが可能です。また、最近のE217系の疎開が11両基本編成単独となっているため、ここにも1編成を留め置けます。

編成数で書けば8〜9編成と大量の留置を行なっているものの、これまでの長編成の3編成分程度で収まることから、疎開措置を取らずに済んだものと考えられます。

譲渡は期待出来る?気になる205系の今後

ファンの次の関心ごととしては、205系500番台の今後の処遇でしょうか。

既に残された205系の置き換えも計画されている状態で、JR東日本内で205系が継続使用される可能性はゼロに等しく、単純に考えれば他社譲渡か解体の2択です。

このうち、現在進行形でJR東日本205系を購入している事業者としては、富士急行が挙げられます。

6000系として2012年から運行されており、少しずつ導入が進められています。既に山手線〜京葉線出身の量産先行車3編成(6000番台)と小窓車1編成(6500番台)、埼京線出身の大窓車1編成(6500番台)、山手線〜八高線出身の2編成(6700番台)が導入されており、運用されています。

京王5000系の譲渡車1000形・1200形9編成のうち7編成と自社発注の5000形1編成を代替しており、残されるのは2編成です。

205系の中でも車齢が若く、走行距離も比較的伸びていない500番台の導入は適材にも思える一方で、500番台は運転台周りの仕様が異なることから、既存車と仕様を合わせる観点では宇都宮エリアで活躍している600番台Y11,Y12編成の方が適当な印象も受けます。

1000形,1200形で残存する2編成の置き換えを急いでいない場合、鶴見線・南武支線編成であれば先頭化改造を回避出来るメリットがあるものの、電動車の連結位置が異なるため保守が少し煩雑となります。

いずれかの車両の購入が想像できますが、それぞれ一長一短があることから、富士急行側の意向で残りの車両が選定されることとなりそうです。

このほかで考えられる譲渡先として、インドネシアのジャカルタ首都圏では、JR東日本から埼京線・横浜線・南武線・武蔵野線の車両群が大量に譲渡されており、国内車両や旧来の日本製中古車両の置き換えが進められました。

しかし、インドネシア政府の現在の方針として自国製新造車両投入を推し進める政策がみられ、205系を含む日本製中古車両の購入について、2020年に実施された武蔵野線編成の譲渡が最後になるという見方が有力です。

一方で、日本のファンにも報道で伝わってくるように、ジャカルタ首都圏の深刻な渋滞を解消すべく、新線建設も急ピッチで進められていますが、様々な事情から延期も続いています。

保守部門からは比較的古い設計で保守がしやすい205系が非常に人気という話も聞かれますので、政治的な意向が変わった場合は再開の可能性も考えられます。JR東日本の関係は長年に渡る支援で太いものとなっていますので、彼らの頑張りで環境の変化にも期待は出来そうです。

もし譲渡の交渉が水面下で進められている場合、一旦疎開をして結論を見守る展開が想像できます。

最近では八高線の209系3000番台や日比谷線の03系の一部が疎開ののちに廃車された事例があり、これらはいずれも国内事業者への譲渡計画が実現しなかったものと考えられる状態でした。

海外譲渡では更に他国政府や商社などを介するために長期化しがちで、キハ40系列・キハ183系列・24系客車などが港・埠頭で長年留置されている事例もあります。

どちらも実現可能性は根拠が乏しいものの、JR東日本の205系の譲渡実績がある事業者での追加投入などに期待したいところです。

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記事内掲載写真は、鉄道ファンの待合室Twitterアカウント・LINEアカウントに投稿された写真を掲載しています。

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