神戸市出身、神戸市在住の管理人ですが、ある時、和歌山県の友達にこう言われた事ありました。

 

「お前、神戸の都会育ちやから、単線区間なんて見た事無いんやろうな。非電化区間なんて見た事無いんやろうな~」と。

 

もちろん、単線で非電化区間なんて見た事ない、都会で温々と育った…なんて事は無く、

 

祖母宅のあった加古川市には国鉄(当時)加古川線や高砂線、さらに別府鉄道があり、親戚に連れられて乗った事ありました。

祖母宅に行く為に乗った山陽電車と共に、加古川市内の単線非電化鉄道が私の鉄道好きへのきっかけとなっています。

 

 

で、地元神戸市内と言えば…

 

単線区間やと、まず神戸電鉄があります。粟生線の鈴蘭台~川池信号所間(一部複線区間ありますが)、有馬線の有馬口~有馬温泉間、三田線(岡場~田尾寺間を除く)が単線区間。粟生線と三田線は複線化計画があり一部は複線化されたものの現在は工事中断のまま断念状態…

 

 

で、非電化区間はと言うと…

 

神鉄の単線区間よりもさらに市の中心部に、JR和田岬線という都会のローカル線が2001年まで非電化区間でした。

 

残念ながら、非電化時代の写真はありません。かつては客車6両編成で、両端にディーゼル機関車を連結して運行されていました。

後に客車からキハ35の通勤型気動車に置き換えられ、平日は6連、土曜休日は2連で運行されていました。

写真は電化2か月前の撮影で、まさに気動車での運行がもうすぐ終わる為に乗り納めする客で混雑していました。

 

2001年7月の電化後は、103系6連による運行で今に至ります。

6両固定編成1本の為、休日も6連運転。そして不足の事態には207系などが代走する日もあります。

 

 

 

和田岬線は主に沿線の工場へ通勤する人向けに運行される関係上、朝夕ラッシュ時のみの運行である他、休日は1日2本のみの運行、昼間の運行は無しという、割り切った運用であります。

 

2001年7月、沿線に神戸市営地下鉄海岸線が開業し、誰もがそれをきっかけに和田岬線が廃線になり地下鉄利用にシフトすると思っていましたが(少なくても神戸市交通局としてはそれを見込んでいた)、まさかの和田岬線電化で存続…。地下鉄開業や通勤客自体の減少で利用客は減っているものの、JR利用のほうが運賃安く兵庫駅乗り換えで便利なのもあって未だに一定の需要があるみたいです(逆に快速の停まらない新長田乗り換えや階段の行き来が多く乗り換えしにくく運賃割高になる地下鉄海岸線利用は伸び悩んでいる)

 

 

JRの自動改札導入前は運行時間に限り駅員配置され、切符売り場や改札がありましたが、自動改札導入後は兵庫駅の乗り換え口での精算となり、和田岬駅は無人駅となっています。

 

無人化された後も駅舎が長らく残されていた。

 

 

ホームの途中には駅舎を通らずに直接駅外に出れる通路が存在。有人改札時代はそこで駅員が切符回収や定期券拝見をするラッシュ用臨時改札でもあった

 

駅名標識

 

兵庫駅の和田岬線とJR神戸線の乗り換え通路に設置された中間改札。和田岬から乗車した客はここで切符を買って改札を通り、神戸線から和田岬線乗車する客はここで改札機を通り、切符はここで回収されてしまう(つまり、和田岬線内は切符無しでの乗車となる)。兵庫~和田岬間の乗車の場合、通常の改札を通って駅構内に入った後、電車に乗る前に和田岬線連絡改札で切符を回収されるという、何とも不思議な状態となる。この改札は和田岬線運行時間帯のみで、それ以外の時間は閉鎖されて通行できない。

 

 

2009年、駅舎の老朽化により解体され、何とも殺風景な駅入口となってしまいました。

 

 

駅舎が無くなり、入口には駅看板を備えたシンプルな屋根、飲料の自販機が置かれるのみの、文字通りの「ただの通路」となってしまった。改札機能が兵庫駅にあるので、当然の結果でもありますが…。駅舎跡地はコンビニが建っていました。

 

 

一時期は兵庫運河を活用した街づくりの上で和田岬線が邪魔になる(兵庫運河を和田岬線が横切っている)為に神戸市より廃線に向けてJR西日本に要望する話があったものの、今の所は話が止まっている状態(管理人としては、運河云々よりも地下鉄海岸線の利用客伸び悩みが和田岬線存続が原因と考え、海岸線利用促進の為に和田岬線が邪魔だという、穿った見方をしてますが)であり、今後はどうなるかは分からないが、都会のローカル線がこれからも存続する事を願うばかりです。