(2019年イベント時のレトロ電車 @琴電琴平駅 )
2021.11.3 さよなら、大正生まれのことでんレトロ電車
高松琴平電気鉄道(通称︰ことでん)で、最後まで残っていた、2両の動態保存レトロ電車「3000形300号」「1000形120号」が、2021年(令和3年)11月3日(水・祝)開催の「電車まつり・レトロ電車さよならイベント」をもって引退。
最終日は、仏生山駅での「300号・120号Last撮影会」と、「長尾線・琴平線Last運行」を実施し、ことでんのレトロ電車は、95年間の長い歴史に幕を下ろした。
引退後、300号・120号ともに仏生山車両所にて、事業用車として使用される予定。
また、今回引退した2両を含め、全部で4両あった動態保存レトロ電車であったが、
一足早く、2020年(令和3年)9月20日・21日のイベントをもって先に引退した2両は既に譲渡済み。
このうち、5000形500号は香川県高松市勅使町の建設会社・南部開発(株)に譲渡。将来的には一般公開も考えているという。
また、20形23号は20形23号は、香川県高松市牟礼町でお遍路の休憩所として静態保存されている。
以下は、在りし日の
ことでんレトロ電車の記録
※2019年(令和元年)9月15日(日)
高松琴平電気鉄道(通称︰ことでん) 高松築港駅
ことでんでは、大正から昭和初期に製造された貴重な4両の日本最古参クラスの旧型電車を動態保存。経済産業省の「近代化産業遺産」にもなっている。
≪琴電ホームページより≫
4両の動態保存車両は、
・20形23号車(大正14年製造) ※元 近鉄電車
・1000形120号車(大正15年製造) ※琴電生え抜き
・3000形300号車(大正15年製造 )※琴電生え抜き
・5000形500号車(昭和3年製造) ※琴電生え抜き
ことでんでは、これら4両の動態保存レトロ電車を、概ね月に一度臨時運行してきたが、これら動態保存レトロ電車を、2020年(令和2年)~2021年(令和3年)にかけて順次廃車。
レトロ電車特別運転2019
高松築港駅午前10時39分始発、琴平線の琴電琴平行きレトロ電車の臨時便
先頭車(琴電琴平寄り)から、500号+23号+300号
網棚
車内は木製
長い吊革
午前10時39分 高松築港(たかまつちっこう)駅発車
ことでんの軌道幅は標準軌の1435mm。しばらく複線区間。
片原町(かたはらまち)駅
ことでん最大のターミナル・瓦町(かわらまち)駅
栗林公園(りつりんこうえん)駅
車内はレトロなデザイン。冷房がないため夏は窓を開け、扇風機をフル稼働。
車内広告。かつて存在していた塩江温泉鉄道に関する美術館での展示案内。
三条(さんじょう)駅
太田(おおた)駅
仏生山車両所(仏生山工場)の脇を走行
空港通り(くうこうどおり)駅(ホームは反対側)を過ぎ、
一宮(いちのみや)駅
香東川橋梁
挿頭丘(かざしがおか)駅
畑田(はただ)駅
2013年(平成25年)に開業した、琴電で一番新しい駅・綾川(あやがわ)駅(副駅名:イオンモール綾川駅)を過ぎる。
滝宮(たきのみや)駅
羽床(はゆか)駅
栗熊(くりくま)駅
岡田(おかだ)駅
羽間(はざま)駅
前方に、台形の琴平山(524m)や大麻山(616m)
榎井(えない)駅
左に大きくカーブし、間もなく終点。
山の上の金刀比羅宮(こんぴらぐう)の麓にある琴平の街。ホテル、旅館や讃岐うどん店などが立ち並ぶ。
午前11時55分、終点の琴電琴平(ことでんことひら)駅到着
琴電琴平駅でレトロ電車見学
20形23号(大正14年製造。元 近鉄電車)
開閉窓は一段下降式
網棚と、木造の窓枠
冷房はなく、夏は扇風機で涼をとる。
内側塗装のドア
長い吊り革
簡素な運転台
乗務員室を横から覗いたところ。
「高松琴平電鉄」の銘板
3000形300号車(大正15年製造 )※琴電生え抜き車両
丸窓
5000形500号車(昭和3年製造) ※琴電生え抜き車両
車内
琴電琴平駅
駅舎内
ホームは1面2線、頭端式
ホーム脇の小道から、レトロ電車を眺める。
この日のレトロ電車は、5000形500号+20形23号+3000形300号の3両編成。
この他に、もう1両レトロ車両(大正15年製造1000形120号)が動態保存されているが、この日は別途、単行貸切運転のよう。
5000形500号車(昭和3年製造)
製造以来、琴電で活躍し続けてきた琴電生え抜き車両
車幅が狭く、乗降時のホーム転落防止のため、ドア下に大きなステップが付いている。
3000形300号車(大正15年製造 )
一段下降式の窓
楕円形の丸窓と、菱形の大きなパンタグラフ
レトロ電車が発車待ち
復路は、5000形500号に乗車
500号車内の製造銘板。昭和5年加藤車輌製作所で製造。
内側塗装の乗降用ドア
レトロ電車の車内
網棚を支える柱には装飾
冷房はない。暑いときは扇風機がフル稼働。
琴電琴平発・高松築港行き臨時レトロ電車、13時19分に琴電琴平駅を発車
滝宮(たきのみや)駅では6分間停車
乗客はそれぞれ写真撮影等のため、大勢ホームに降り立つ。
趣のある古い木造駅舎
駅舎は、1926年(大正15年)に琴電の前身・琴平電鉄が栗林公園~滝宮駅間で開業した当時より使用され続けており、近代化産業遺産に認定。
晴れ渡った讃岐平野
岡本(おかもと)駅辺りの溜池
一宮(いちのみや)駅
仏生山(ぶっしょうさん)駅
栗林公園(りつりんこうえん)駅を過ぎ、
JR高徳線の高架下をくぐる。
瓦町(かわらまち)駅
車窓右側に高松城(玉藻公園)が見えてくる。
右に大きくカーブ
14時36分、終点の高松築港(たかまつちっこう)駅到着
高松城(玉藻公園)に隣接する高松築港駅
2021.11.3 高松琴平電気鉄道 レトロ電車終焉
(終わり)