JR西日本DEC741系気動車

DEC741系電気式気動車は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の事業用電気式気動車です。

JR西日本が2021年10月27日に導入を発表した、電気検測のみならず線路設備の検査も行う総合検測車。 日本国有鉄道(国鉄)から承継した電気検測用車両443系の老朽化が進行していることを受け、その代替として本形式が近畿車輛により製造された。

2021年6月に製造されたDEC700形と同様の電気式気動車(2両編成)で、従来からの架線検測装置に加えて電気設備撮像装置と電気設備測定装置、さらに地上に設置するAI画像解析装置を搭載し、地上検査の車上化を進める計画としている。

DEC700形の電気式気動車(ハイブリッド対応)

当初は、軌道・信号検測車であるキヤ141系に電気検測機能を持つ車両を組み込み3両編成とすることが計画されていたが、立ち消えとなっている。

形式名について

形式名の「DEC」および百の位の数字「7」は電気式気動車、十の位の「4」は事業用車、一の位の「1」は設計順をそれぞれ表している。

 

構造

JR西日本全路線をはじめ、自前の電気検測車を持たないJR九州およびJR四国、JR西日本の路線と線路が接続されている第三セクター鉄道の各路線でも運用されるため、JR東西線関西空港線など、気動車の乗入れ対象外の路線での自走運転も可能となっており、基本的な走行システムはDEC700形に準じている。このため、DEC700形と同様二次電池(バッテリー)を追加搭載することでハイブリッド方式への切り替えも可能な構造となっている。

車体

構体・台枠には、検測機器類の重量に耐え、かつ将来的な検測機器の交換時に車体に穴を開けて機器の搬入・搬出を行うことを想定し普通鋼が採用された。車体長はキヤ141系と同じ21m、車体幅はDEC700形と同じ2.8mとされたが、曲線通過時に車両限界への抵触が懸念されたことから、DEC700形と異なり裾絞りのある車体断面形状を採用した。

車体塗装は検測車のイメージ色であり警戒色を兼ねた黄色と事業用車のイメージ色である青色のツートンカラーとされ、DEC741-101の側面には黄色のストライプと共に「鉄道の安全を守る」ことを示すイラストがあしらわれた。

編成

DEC741-101 (Tzc)
運転台・架線検測装置・電気設備測定装置が設置されている。
DEC741-1(Mzc)
運転台・機器室(検測機器給電用発電機)・測定室・電気設備撮像装置が設置されているほか、線路設備診断システムの設置も予定されている。

制御動力車であるDEC741-1と制御付随車であるDEC741-101の2両編成を組成している。走行用エンジンと発電機は各車に設置されているが、主電動機はDEC741-1にのみ設置されている。また、検測機器への給電用エンジンがDEC741-1に設置されているため、編成中に3基のエンジンが搭載されていることになる。また、DEC741-101の架線検測装置は443系より流用された。

運用

JR西日本の総合検測車DEC741形が試運転、将来は四国・九州も走る!?
JR西日本が導入する総合検測車の新型車両DEC741形。11月2日に近畿車輛(大阪府東大阪市)を出場し、学研都市線(片町線)・おおさか東線・JR京都線(東海道本線)経由で湖西線へ試運転を行った。
従来からの架線検測装置に加え、現在、人が現地で実施している地上検査を車上化するための各種装置を搭載した総合検測車となっており、この車両で設備管理のシステム化・効率化・安全性向上等を図るとともに、将来の最適な設備管理体制の構築に向けた技術検証を実施するとしている。
JR東海道本線の「大山崎」サントリーウイスキー工場前を通過!

落成後、流用品のため実績があり試験が不要な架線検測装置を用いた架線検測に充当され、並行して線路設備診断システムなどの試験を行い、2025年度までにシステムの実用化を予定している。

 

by   GIG@NET

 

イベントバナー

 

イベントバナー