どこ鉄86 〜石垣もと暗し | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。



最近久しぶりに、お客さんの前でリーディングをする機会がありました。

客席数も20人ほどと少なく、出ることが決まってから時間もあまりなかったので何もお知らせしませんでしたが、やはり人前で反応がもらえるというのは俳優にとって何物にも変え難いですね。緊張というか力は入ってしまったけど。

正義のヒーロー(しかし自分に自信がなくこじらせている童貞)という適役。リーディング公演なのにわざわざこの格好。

出会ってから一度もマトモな格好で出してもらえた事のない劇団だるめしあんの坂本鈴さん(脚本&主宰・中央)、河南由良さん(俳優・右側)いつもありがとうございます。


12月末の舞台も、お客さんの前で反応が頂けると思うと楽しみです。





では、写真をもらえる事がいちばんの反応といえるコチラをやっていきましょう。





まずはシャンソン姉さんこと蒻崎今日子さんからの1枚。

また新しいジャンル?




線路も何もないぞ!

最初チラ見した時には混乱し、城跡や史跡などを探すジャンルが始まったのかと慌てました。





落ち着いてみれば、わかります。




これは高輪(たかなわ)築堤だろう




ゲートウェイ駅周辺の再開発にともなって出土した明治時代の遺構ですね。

他の駅で「築堤」(ちくてい=線路が通る部分の高低差を埋めるための人工的な盛り土)を探そうとした時、ここの築堤の話題性が大きすぎるせいで幾度も捜査の支障となっておりました。




今回は真っ直ぐ立ち向かうぞ。

ウム。



あとは現地(地図)で良さげな場所を探して。





では元の写真↓


いいのを見つけた写真↓

注意して見ると、問題写真の少ない水にもビルがキッチリ写り込み。



高輪築堤、確保!




蒻崎さん「鉄道に関係あるよ、と言葉を添えようかと思ったけど、きっと無言で分かると思ってました」




もちろん分かりましたよ。

(最初にあわてて静岡の駿府城を捜索しに行ったのは絶対に内緒です↓)

だって石垣といえば城だと思ったから!



それにしても工事の状況というものは日進月歩ですからね、迅速に仕留めることができてよかった。






続きまして、透水メンバー加島さんからの1枚。

手前に写っているのは、カシマ社長のオリジナルシナモンちゃん。


普段インスタでオシャレ可愛い写真におさまっているはずなのに、どこ鉄などというゴリゴリのオタクブログにご登場いただきありがとうございます。




さて。




有馬温泉でしょうね。


元の写真↓

秒で確保。


…シナモンちゃん、なんかごめん…おじさんは鉄道の事になるとめっきり手加減が出来なくなってしまうのです…





さて、何故すぐ分かったのか。





それは去年のクリスマスに一人で有馬温泉に行ったから。




「傷心のあまり」とかでは全くなく、ちょうど透水の撮影が関西で終わった後に1日ぽっかり空いたので、せっかくだから神戸電鉄に乗って行ってみようと。カップルばかりでしたがご時世もあって静かで落ち着いた雰囲気でしたよ。もちろん写真はございません。

こちらは新開地駅で撮った神戸電鉄3000系。

塗装の剥がれ具合も味がありますねえ…どことなくウルトラマンを想起させる、昭和の顔ですね。



自分の思い出はさておき、
神戸電鉄は神戸市の市街地から六甲山地の裏に登っていき、北部の住宅地や有馬温泉とを結ぶ私鉄です。

問題写真の車両(1000系)も当然見かけましたし、山がすぐそばに迫っている地形なら、まずは終端駅の有馬温泉から見てみよう、という目論見でした。




有馬温泉からロープウェイで六甲山上へ登るコースはおすすめです。(一人で行くもんじゃないです)







続きまして、日下諭さんから久しぶりの1枚。

これぞ正統派と言っていい写真。



電化された単線、すれ違いのできる2面2線の駅。

背後に山は見えないので、平野部か。




どこの鉄道か……と思いながらとある部分を拡大したところ東武鉄道と確信。




手の内を明かしすぎるとアレなので書きませんが、写真を拡大すれば分かる人には分かるかと思います。(参考記事)




さあ東武。




略図大先生の出番。


東武の単線区間で、行き違いのできる2面2線の駅を探してゆきます。

こんな感じの駅ですね。(この駅は「じろえんばし」と読みます)





ここから絞り込みの勘が悪く、かなり多くの路線を探すことになりましたが、




元の写真↓


探し出した写真↓

クルマの向こうにある建物も一致。




東武越生(おごせ)線・一本松駅、ガッチリ確保。




日下さん「もう関東圏はあきらめます!笑」




諦めないで!(笑)

関東圏はまだまだ知らない駅がいっぱいありますから!






さて今回ラストは、音響のプロ・長谷川ふな蔵さんからの初投稿。

以前の狂った線路の回で、鉄道の電気工事に携わっていた経験からアドバイスを下さった方です。鉄道マニアではないとご自分で言われてますが、鉄道の「内部」を知っているという点では最も警戒すべき存在!


その1枚がこちら。

さすが電気の人。架線柱推し。



かなり年季の入った架線柱と草がはびこる柵、下には石垣…古くからある路線かな…。




場所を特定できる要素が見つからない中で注目するのは、

この看板。


パソコンの絵と、「IT……を元気にする」かな?



検索。

これだ!




大塚商会。




犬がダジャレを言ってるCMと、新宿にある大きな看板が有名ですね。(ビジネスやオフィスに疎いので何をやってる会社なのかイマイチ知らない)

新宿の大看板。



先ほどの検索で、あのパソコンくんはCMでやってる「たのめーる」とは別のサービスだと知ります(やはり内容は掴めない)。




パソコン看板に絞ろうとした検索もうまくいかなかったので、素直に「大塚商会 看板 線路沿い」で検索。

……まあ線路沿いだろうが何だろうが新宿の看板が真っ先に出て来ますよね。あのパソコンくんも横にあるのか。




しかし、

問題写真を見ると、新宿のような高低差があるようには見えない。

それに、向こうに見えるビルとの距離感から、間にある線路はそこまで多くなさそう。多くても4本くらいか?



架線柱やそのほかの構造物の雰囲気(年季)を見ても、もっと郊外に出している看板ではないか。あるいは年季から言って、山手線や中央線の古くからある区間か。




地図検索も駆使し、

しかし、成果なし。



看板のある所と会社が一致するとは限らないよな…




ここから途方もない迷宮の旅に突入。


大塚商会・架線柱・石垣の三本柱。




それぞれ懸命の洗い出し。




大塚商会の社屋があり、なおかつ石垣のある飯田橋界隈。

違ったか……!



歴史あるお茶の水界隈↓

石垣じゃなくてレンガか!歴史ありすぎた!





細かい情報を集めるならTwitter検索が一番ですが、最近はアカウントを持っていないといちいちこんな画面が出てきて先へ進めなくなります。

見つけるならアカウントを作れという事か……



そして今までもさんざん見てきた架線柱を、さらに傷口をこするように「鉄骨 トラス 古い 錆びた」入れ替わり立ち替わりで大量に眺め。




轟沈。





辿り着ける方法がわからん!

横向きの写真は要素が限られるから難しい……



そんなある日、リーディング公演のため新宿から池袋まで山手線に乗った時。


(くそぅ、この窓の向こうにはあの忌まわしい大塚商会の大看板があるんだよな…)


そう思いながら、目の前を茶色いビルがヌッと通り過ぎていくのを感じました。




……そもそも、ここの看板にあるパソコンくんの絵、ちゃんと地図で確かめてなかったな……!?


この部分。



端っから「あのパソコンだけの看板がどこか別な場所にあるはず」とばかり決めつけて、ここをストリートビューで確認するのを怠っていました。




もしかして……

パソコンの絵はあのへんにあるはずだから、それが見えるのは西武新宿駅前の広場か…




では元の写真↓

僕が「ヌッ」と感じたのはおそらくこの真ん中のビル。




気づいた看板ストリートビュー↓

クーッ!!!



山手線・新宿〜新大久保間(西武新宿駅前広場)、痛恨の確保!!!




新宿のビルの高さ・数多く横切る線路が、写真で切り取るとこんなに凝縮されるとは。先入観にしてやられた!





ふな蔵さん「マニアックなバイアスが掛かってるから悩ませようとした」





まさに思い通り!悔しい!!!





また手強い刺客が現れたな……!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。




…京王沿線在住の鉄道マニアとして、あの事件、どこ鉄ブログでは触れたくない気持ちもありますが、全く触れないのも違うと思い、、、(とにかく怒りが凄まじくここには絶対書けないような事ばかり思っているので多くは書きません)




まず何より、負傷された方々、巻き込まれた方々がどうか回復され日常を取り戻せますようにと祈るばかりです。


そして京王電鉄の乗務員・社員の皆様、警察関係者の皆様の的確かつ迅速な対応には、心から敬意を表します。

特に緊急停車を布田ではなく国領まで持っていったのは、乗務員さんたち個人の機転なのか社内の緊急時のマニュアルとしてあった事を遂行したのかは現時点で分かりませんが、どちらにしても物凄いことです。

(乗客の皆さんがあの状況でも声をかけ合い窓からの脱出を助け合う姿にも、心を激しく揺さぶられました)


しかも翌日は朝から通常通りの運転、、、

京王沿線民として本当に誇りに思います。




京王、愛してるっ!!!




強引に明るいほうに持っていこうとして本当に思ってる事を口に出したら恥ずかしくなった!




……最後にひとつだけ言わせて下さい。



お前、俺たちの京王8000系に何てことしやgrkl(以下聞きとり不能)!!!!!!!!!





失礼しました。このくだりはそのうち消します。





ではまた次回。