2020年11月23日(祝)


2泊3日の高千穂旅行、最終日は高千穂から寄り道しながらの帰り道です。

臼杵城下を散策して、その後臼杵石仏までやって来ました。



前回は、ホキ石仏第一群とホキ石仏第二群を巡りました。

中間地点で折り返して、引き続き後半の2箇所を見て回ります。



まずは「山王山石仏」です。

中尊にいらっしゃるのは大きな如来像で、隠れ地蔵とも呼ばれています。

童顔でずんぐりむっくりな姿に、意外とファンも多いんだとか。



こちら、2017年に国宝の追加指定を受けた金剛力士立像。

けれど草が生い茂っているのもあり、どの辺が仏像かパッと見て分かりませんでした。



近くにあった説明書と見比べて何とか納得。

でも左側の仏像は胴体部分が脱落しているので、ほとんど原型を留めていないです。



最後にメインの「古園石仏」。

パンフレットの表紙が中尊の大日如来像で、臼杵石仏の顔となる石仏です。

大日如来を中心とする金剛界曼荼羅を表現しています。



切れ長の目に口元が引き締まり、気品あふれる表情です。

木彫りと見紛うばかりの見事な彫刻技術と紹介されており、確かにとウンウン頷く。



以前は落ちた頭が体の下にある台座に安置され、その頃の写真も紹介されていました。

1980年から14年間にも及ぶ保存修復工事で、見事に頭部が胴と一体になっています。



何種類もの太い線香の中から家内安全を選んで、手を合わせます。

香炉に差さった色んな種類の願い事が、煙となって辺りに揺らめく。



磨崖仏は、山岳仏教の衰退と共に忘れ去られた時期があったと聞きます。

脆い凝灰岩に彫られた石仏が、1000年ものあいだ風雨に曝されながら穏やかな顔で人々の暮らしを見守ってきたのは、改めて奇跡に近いことじゃないかと思います。



1時間の余裕を持っていましたが、駆け足気味に回って約30分でした。

早めに臼杵市街に戻りましたが、臼杵石仏の近くにある満月寺に寄っても良かったと後で少し後悔しています。



臼杵駅からは、再び特急にちりんで北上します。

しばらくして、真っ黒な車体の787系がやって来ました。

九州は色んな形の特急が走っているので、旅をしているだけでも楽しいです。



臼杵石仏の土産物屋で買った生姜せんべいを齧りながら、窓の外に流れる景色を眺める。
臼杵は生姜で有名らしく、土産物屋のおばちゃんが昔はこの辺り生姜畑だったと言っていた。
これから寒くなる季節に生姜は良いよと勧められて買ったが、せんべいで風邪対策になるのかな...



車両基地の横を通り過ぎた時は、色んな種類の列車が留置されていました。
日豊本線の他に、久大本線や豊肥本線の電車や気動車が集まりかなり大所帯です。


由布岳に端を発する大分川を渡ると、まもなく終点の大分駅。
あちらこちらで列車を降りる準備が始まり、ガサガサと荷物を整理する音が聞こえます。


大分駅では特急ソニックに乗り継ぎますが、フリーきっぷを持っているので一回改札を出ます。
乗換時間は観光しているほど長くはないので、大分のお土産をひとつふたつ選んですぐにホームに戻りました。


電光掲示板を見上げると、次は「白いソニック」と表示されています(青いソニックもいるのです)
ホームに上ると、やけに家族連れがいます。
もしやと思って調べてみると、次の列車は鬼滅の刃ラッピングでした。


旅行1日目にSL鬼滅の刃を基山駅で撮影しましたが、こちらはノーマークでした。
と言うか、鬼滅の刃は原作もアニメも見ていないからよく分からんのですよ。


号車ごとに異なるラッピングのキャラクターの前では、それぞれ撮影会状態となっています。
とりあえず人気の煉獄さんを、記念撮影の合間を狙って撮っておきました。
確かに炎の技を使うと言うだけで、カッコよくて強そうなキャラです。


子どもたちにブンブンと手を振られながら、ソニックは大分駅を出発。
すぐに目の前に海が広がり、列車は別府湾と高崎山の狭いところを縫っていきます。


大分駅の乗り換えで、からあげ買ってみました。
これが失敗で、乗車率の高い車内で匂いのキツいものを広げるのは憚れました。
少し冷めるけど、次に下車した時に食べようと。


すぐに街が広がりだすと別府駅に滑り込む。
ここでも多くの人に見送られて、今度は国後半島の付け根へと再び山の中へ入っていきます。


臼杵では磨崖仏を訪れましたが、実は国東半島にはもっと多くの磨崖仏が残されています。
と言うか、大分県は全国の磨崖仏のうち約7割が現存する磨崖仏日本一の県です。
中でも、熊野磨崖仏は高さが最大級の大日如来と不動明王の磨崖仏があります。
臼杵は加工しやすい凝灰岩でしたが、国後半島は岩盤が硬いためレリーフ状の石仏となります。


ハリウッドを真似たような、山に掲げられたアルファベットが見えてくると、次の目的地の宇佐です。
次回は、宇佐神宮を訪れます。
ではではノシ