前回ご紹介した「モッドポッジ・マット」です。これを使ってみます。

 

原液を筆で直接塗ります。木工ボンドの粘度をほんの少し高くした感じです。水溶性ですが、地面の紙を侵したくないので、今回は水溶液は使いません。

 

ホームセンターで買った芝生用の土をフルイにかけた本物の砂(その102でご紹介しています)を撒いてから、ターフのグリーンブレンドを撒きます。

 

こちらにも砂を撒きました。

 

上からグリーンブレンドも軽く撒いて、一晩乾かしたところです。左端には本物の枯れ葉をミキサーで砕いたものを撒いていますが、これはまだテスト中なので、いずれご紹介しますね。

 

フォーリッジを薄く伸ばしたものを、モッドポッジで貼り付けていきます。

 

ご覧のように、フォーリッジはかなり薄く伸ばします。あるトップモデラーが、フォーリッジの伸ばし方は奥が深い、とどこかに書いてらっしゃいましたが、2流モデラーの小生もその通りだと思います。

 

貼り付けます。

 

マッドポッジのはみ出たところには、ターフのグリーンブレンドを撒きます。

 

ちなみに、今の若い人は知らないでしょうが、その昔、樹木の素材は本当に限られていて、かなり先取的なレイアウトでも、着色したスポンジを使っていました。1970年代に、機芸出版社がPECOのライケンを輸入し始めて、TMSにライケンを使った樹木の作例が掲載されたときには、その細密感に息を飲んだものです。

 

ウィキペディアによると、ウッドランドシーニックス社の設立は1975年で、建築模型素材をつくっていた創業者が、建築不況の出口を当時リアルなシーナリー素材がなかった鉄道模型業界に見出したのが、きっかけだそうです。同年に発売されたカタログには、ターフとフォーリッジが掲載されていますから、この2つの素材は創業時からある商品なのですね。TMSには1978年10月号に製品が紹介されたとありますが、手元にありません。ただし、このブログで以前紹介した1984年完成の「国鉄箕面線白島駅」にはターフもフォーリッジも使っていないので、広く使われだしたのはその後だと思います。カトーが代理店になって安定供給し始めてからの日本での広がりはご承知の通りで、この素材がもたらした福音は限りないと思います。どのレイアウトも同じになっちゃった、という弊害はありますが。

 

無駄話をしている間に、土手の植栽が完了しました。道路も海も草だらけです。

 

掃除機で吸い取ってすっきりしました。

 

なお、高価なモッドポッジの効用ですが、今回の作り方だったらはっきり言って木工ボンドを使っても同じだったと思います。何のこっちゃ…。

 

今回の工区の植物は、ベースの紙を侵すのがいやなので、1:2.5の木工ボンド水溶液で固めていません。掃除機で吸ってもこれ以上減らないので大丈夫とは思うのですが、今後細かいニュアンスを付けた後に、何か策が必要かもしれません。