JR西日本では、現在在来線架線検測を実施している電気検測用交直流電車(クモヤ443系)の置き換えとして、総合検測車「DEC741」を導入することを発表しました。

総合検測車導入による検査の車上化:JR西日本

概要は以下の通りです。

【車両概要】
・形式:
DEC741

・両数:
2両×1編成

・スケジュール:
2021年11月に落成予定

・車両の特徴:
DEC700と同じ走行システムを採用
(参考)
阪和線の沿線から : 【JR西日本】新型電気式気動車「DEC700形」導入を発表

・走行線区:
非電化区間を含めた、JR西日本管内の在来線全線区を走行可能な仕様。
他社線区(JR四国、JR九州、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道、肥薩おれんじ鉄道、WILLER TRAINS)も走行。

【車両外観】
jrwest_dec741
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211027_03_dec.pdf)より引用)


【新たに車両に搭載する検測装置】
・電気設備撮像装置
屋根上と側方用に50台の特殊なカメラを設置し、広範囲に様々な角度で設備(電柱、信号機、がいし等約100種類)を撮影可能。
特殊な照明を採用することで、暗所の撮影も可能で、トンネル内や夜間でも使用可能。
jrwest_dec741_camera
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211027_03_dec.pdf)より引用)

・電気設備測定装置
架線周りに4台のカメラを設置し、従来の架線計測装置では測定できなかった架線相互の高低差や離れの測定が可能。


【計画】
2022年4月頃から現行の電気検測車(クモヤ443系)に代わり、従来の架線検測装置を使用開始。
電気設備の地上検査については、2025年度から車上化を目指す。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



DSC_0535
▲クモヤ443系(2021年5月、和歌山駅)

国鉄時代から架線計測を行ってきた「クモヤ443系」。
たまにこのように阪和線などでも見かけることがありますが、どこで皆さん情報を仕入れるのか、色んなところで撮影の情報が上がってきています。
(本当に、そんな情報をどう仕入れているのか、純粋に興味はありますが・・・)

さて、長年架線計測を行ってきた「クモヤ443系」ですが、流石に老朽化も進んできたことから、今回新たに「DEC741」という総合検測車を導入することが発表されました。


「総合検測車」という名前からして、架線に限らず様々な設備を検測するものとのイメージがありそうですが、実際このDEC741では、屋根上などに合計50台のカメラを設置し、様々な角度で設備を撮影し、検査対象の設備を抽出することで、現地での目視検査を減らすことが可能となっています。

車上から広範囲に設備のデータを取得するのは、国内の鉄道事業者では初めてとのことで、社員の働き方改革という意味でも画期的な車両となりそうです。


一方車両の外観は、クモヤ443系のピンクとクリームから、黄色と青色と、どちらかと言えばクモル145系などに近いカラーとなりそうです。

発表資料にあるように、DEC741の計測開始は来年度からとなっており、今後西日本の各地でこのDEC741がみられることになるのかな、と思われます。

上記のクモヤ443系と同様、和歌山駅など近隣で遭遇できればいいな、とも思ったりした次第であります。

またこのDEC741、カメラが多数ついているという外観上の特徴もありますので、そのうち京都鉄道博物館の引込線を使用した車両展示も行われたりするのかな、とも思ったりしています。
そんな機会に恵まれれば、じっくり実車を見ることができればいいな、とも感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
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JR西日本,総合検測車DEC741形を導入|鉄道ニュース|2021年10月27日掲載|鉄道ファン・railf.jp
電気設備を車上から広範囲に検査…JR西日本の総合検測車「DEC741」 2022年4月頃から運用 | レスポンス(Response.jp)
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