マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

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大井川鐵道の「SLかわね路号」|大井川に沿って走るSLの旅

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日本で一番多くSLを運行する「大井川鐵道」の「SLかわね路号」に乗車。懐かしい汽笛、ドラフト音、石炭の香り、郷愁誘うSLの旅へ出かけてきました!

普通列車に乗って新金谷へ

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「大井川鐵道」は静岡県の金谷〜千頭間の「大井川本線」と、千頭〜井川間の「井川線」の2つの路線があります。「SLかわね路号」が走るのは新金谷〜千頭間。JR東海道本線と接続する「金谷駅」からだと「新金谷駅」まで普通列車に乗車します。
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まずは窓口で『SL急行券』と『乗車券』を購入。私は事前にネット予約していたので、メール画面を見せて急行券を購入。
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SLの写真が載った急行券。金谷〜千頭間の往復はフリーきっぷがお得です。
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駅にはグッズなどを発売する小さな売店があります。お弁当やお茶など事前に購入しておけば、新金谷でスムーズにSLに乗車できますね。
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新金谷行きの列車に乗車。この日の車両は、東急、十和田観光電鉄を経て大井川鐵道へやってきた7200系。
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およそ4分で「新金谷駅」に到着。「SLかわね路号」は新金谷から発車します。大きな駐車場があるので、ここまで車で来る人が多いみたい。
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駅前には「プラザロコ」という施設があり、ここでもSL急行券が購入できます。

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他にも大井川鐵道のグッズやおみやげ、お弁当などを発売しています。SL乗車前や帰りに立ち寄るといいかも。

牽引機はC11 190号機

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ホームにはすでに「SLかわね路号」が止まっていました!カッコいい!

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現在大井川鐵道では4両のSLが現役で運行しています。この日の「SLかわね路号」を牽引機するのは「C11 190号機」。

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「C11 190号機」は1940(昭和15)年に川崎車両で製造。1974(昭和49)年に熊本で廃車となり、八代市の個人の方が所有し保存していました。
その後2001(平成13)年6月24日に大井川鐵道へ入線。2年近くの大規模な改修を経て、2003(平成15)年7月19日に営業運転へ復活しました。

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「SLかわね路号」の他に、大井川鐵道といえば「SLトーマス号」が有名。本物の『きかんしゃトーマス』 に乗れるとあって、大人から子どもまで大人気!毎年夏から秋にかけて、また2021年は冬シーズンも運行されるそうです。

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機関室。
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武骨な姿がカッコいい。
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列車の後部には電気機関車(EL)が連結されていました。
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客車が5両以上になると、勾配区間の補助としてELが連結されるのだそう。
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製造は1949(昭和24)年で、御年72歳。蒸気機関車と肩を並べるほどの大ベテラン。全く注目されてませんでしたが、ELだってカッコいい。

レトロな旧型客車

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では車内へ。この日の客車はオレンジ色の5両編成。

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扉はなんと手動!昔は自動扉なんて無かったですものね。
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おぉー!レトロだ!
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この客車は「オハ47 398」という車両で、製造されたのは1954(昭和29)年。もう70年近く現役で使われているのです。すごい!12系や14系といった客車とは違い"旧型客車"と呼ばれています。
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丸い蛍光灯が並ぶ天井。

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もちろんクーラーなんてありません。よーく見ると、扇風機には国鉄のマークが記されていました。
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網棚が本物の"網"。

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今回乗車した車両は「SLトーマス号」用のオレンジ色の客車でしたが、昔ながらの茶色をした客車もあります。
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こちらは車内も木製で、よりレトロ感がすごい。今の車両にはない、レトロな木造客車に乗車するのもSL急行の魅力です。

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この日の乗車率は1ボックスに1グループぐらい。大井川鐵道にも少しずつ賑わいが戻ってきているようで嬉しい限り。

川根路の景観は大井川と茶畑

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「新金谷駅」を発車した「SLかわね路号」。金谷のまちなかを離れるとやがて車窓には大井川が広がります。
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終着「千頭駅」まで大井川に沿って走る「SLかわね路号」。雄大な川の流れや奥深い山々と、大井川の自然を満喫しながら走る列車。
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車窓には茶畑が見えてきました!
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大井川流域はお茶の産地としても有名で、生産量はなんと日本一。周囲が山々に囲まれて日照時間が短く、昼間の寒暖差などお茶の生育に恵まれた環境なのだそう。

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列車は"大井川第一橋梁"を渡ります。ここには進行方向右側に川根温泉があり、露天風呂から走るSLを眺める事ができるのです!そしてSLの車窓から見えるのは、生まれたままの姿で大きく手を振る人たち。「SLかわね路号」の風物詩のひとつ!

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続いて進行方向左側に見えてくるのは"塩郷の吊り橋"。大井川で一番長い吊り橋で、なんとSLの真上を跨ぐのです!ゆらゆら揺れる吊り橋の上からSLの姿を眺めようと、この日も多くの人がいました。

懐かしさ感じる「大井川ふるさと弁当」

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さて、そろそろお腹が空いた頃。やっぱり列車の旅には駅弁が欠かせない!頂いたのは、新金谷のプラザロコで購入した「大井川ふるさと弁当」。
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包み紙を取るとSLのポストカードが入ってました!
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弁当箱の蓋に載っているのは静岡の方言集。では、オープン!
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おぉー!具沢山で美味しそう!竹皮に包まれているのがまた良いですね!
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梅干しと菜っ葉の大きなおにぎり。椎茸、筍、ごぼうの煮物。里芋は甘いお味噌が塗られた田楽風。海老の佃煮が静岡っぽい。
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メインは"いわな"の甘露煮。頭からガブリ!甘く煮付けられていて美味!旧型客車に似合う素朴なお弁当。美味しい!
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大井川から離れると、終着千頭はまもなくです。

人力転車台で方向転換

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「SLかわね路号」は終着「千頭駅」に到着。
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機関士は休む事なく、復路に向けての準備に入ります。

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「千頭駅」で時間があれば、ぜひ転車台を見学しましょう。井川線ホームの先にある転車台ではSLを回転させて、新金谷に戻る進行方向へと向きを変えるのです。

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客車を切り離したSLが転車台へと向かいます。

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ゆっくりと転車台に向かってくるSL。
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「ドッドーン」

大きな音を立てながらSLは転車台の上へ。
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いよいよ回転です!
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転車台を回すのはなんと人力!
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1897(明治30)年にイギリスで製造された転車台。1980(昭和55)年に新潟から大井川鐵道に移設されました。人力のみで回す転車台は日本で現存しているのは数少ない、貴重なものなのです。
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4人がかりでゆっくりと転車台を回します。
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再び線路がぴったり合えば完了。
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方向転換したSLは転車台を離れて行きます。
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再びホームへと戻ったSLは客車と連結。

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SLが転車台に向かっている間にELも入換し千頭方に連結されていました。これで折返しの準備は完了!

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新金谷行き「SLかわね路号」は14時55分の発車です。
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大井川の景観、SLのドラフト音、木造客車のぬくもり、煙の匂い、そして美味しいお弁当。まさに『五感』をくすぐるSL列車の旅。
これから川根路は紅葉の季節を迎えます。皆さんもぜひ大井川鐵道へ足を運んでみてはいかがでしょうか!

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