【お家芸】大井町線6000系転入車も!東急目黒線5080系の増結中間車落成

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東急電鉄では、2022年度上半期から目黒線8両化・下半期の新横浜線開業と相鉄直通開始に向けた準備が進められています。

各社局から相次いで新形式・増結車が登場していますが、残されていた5080系の増結用中間車が26日未明に姿を現しました。

既存23編成で進む改造と増結準備

東急電鉄では、2022年度下半期に開業する新横浜線・相鉄との直通運転開始を見据えた準備が各所で進行しています。

新横浜線では日吉駅から東横線・目黒線双方に直通する体系が取られ、目黒線では運用増加分を新形式3020系3編成を新造(田園都市線2020系・大井町線6020系の兄弟車)したほか、既存の目黒線所属車両の3000系13編成・5080系10編成の計23編成についても6両から8両への増結を進めます。

新造の3020系は落成時より8両で登場しているほか、既存車については東急テクノシステム長津田工場・総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所にて相鉄直通改造や8両化準備と考えられる工事が進められていました。

2021年9月には3000系向けの増結用中間車が登場し(過去記事)、5000系列設計の構造で注目されました。

これまで5編成分が落成した3000系に続き、10月26日未明には5080系向けの増結用中間車が総合車両製作所横浜事業所を出場しました。

これまで東急電鉄3020系・都営6500形・相鉄21000系・東急電鉄3000系中間車・東京メトロ9000系中間車の順で姿を見せており、これにより目黒線系統については一通りの車両の概要が明らかになりました。

落成した中間車を見る

今回落成した車両は、東急電鉄5080系の増結用中間車10両です。

車号から5184F,5186F,5187F,5189F,5190Fの4号車・5号車に組み込まれることが読み取れ、既存の4〜6号車が6〜8号車となり、号車と車号を変更することとなります。

まだ改造が済んでいない編成番号が多く見られ、一部の編成は先行改造なく8両化を同時施工する狙いもありそうです。

特に目立つ点として、このうちの2両は車体側面に6000系時代の帯を剥がした跡や足回りの汚れ、そして車号がそのままであることから、2019年に搬入された元6000系デハ6301(仮車号6991)・デハ6302(6992)であることが分かります(過去記事)。

6000系からの編入車

改番こそされていないものの、他編成用やペアとなる付随車の連結順序を見る限り、5080系で車齢が浅い5189F(デハ6301→デハ5489)と5190F(デハ6302→デハ5490)に組み込まれる模様です。

この2両の号車表記は3号車のままとされているものの、現在の5080系の編成構成・車号からこの号車への組み込みは考えられず、車号や会社表記などを含めて長津田検車区または元住吉検車区にて貼り替えることが想像できます。

なお、大井町線用の6000系は開発時に同じ6両編成である5080系の走行システムを活用した経緯から、今回の転用では走行機器類については目立つ変化は見られません

内装類もそのままと見られており、大井町線由来のオレンジ色のシートモケットが異彩を放っています。5000系の5050系編入や5000系の6扉車代替では内装はそのままとされており、今回もそのままの姿で運用されるかもしれません。

車体表記が直されたのちにも外観では側灯位置の違いなどが残り、個性的な存在となることは間違いなさそうです。

なお、転落防止幌が残置されていますが、こちらは直通先となる相鉄を含めてホームドアが完備される計画で、今後撤去されるものと考えられます(これまでの5080系はみなとみらい号の関連で装備して製造されていました)。

走行機器も5080系と6000系で同一品を使用していたため、新品の部品はざっと見る限り見当たりませんでした。

5080系を含む目黒線規格の特徴となっている側ドア下の非常ドアコックがありますが、新造車と異なり出場時点では目立たぬ存在となっていました。後日、赤色塗装をするのみの対応と思われます。

クーラーキセも6000系の当時のままで、デハ6302→デハ5490は日立製となっています。今後振り替えられる可能性は否定できませんが、このままであれば模型化すると良いアクセントになりそうです。

新造車

一方の新造車については、車体や内装が直近に製造された5050系に近い仕様です。

外観では、既存の5080系や先述の転用車とは異なり、3000系増結中間車と同様の車側灯は方向幕部にまとめて設置された仕様です。

内装では、最近の増備車両でみられる緑色モケット(背もたれなし)です。5080系ではこのタイプは初登場で、過去の5000系列の動向から、内装が編成内で混在する状態となりそうです。

このまま追加改造がなければ、先述の改造車が組み込まれる編成では5080系標準・6000系・最新仕様の3種類の内装が楽しめる(?)こととなります。

車体外観については、初期タイプ(ドア窓単層ガラス)の5184Fまではもちろん、一番仕様が近い5188F〜5190Fともドアの艶感が少し異なり、多かれ少なかれ目立つ車両となることは間違いありません。

東急3000系用増結中間車は外板だけは梨地仕上げと在来車に寄せただけに、ぱっと見では5080系の方が目立つかもしれません。

東急3000系増結中間車のうち、2回目に出場した偶数番号編成と同様とみられるVVVFインバータ制御装置が搭載されています。

5000系列の特徴であった奇数・偶数でのクーラーの外観の違い法則(奇数は三菱製・偶数は日立製)は早々になくなって久しいですが、転用車のデハ6302→デハ6992→デハ5490が日立製を継承するものの、今回の新造車は全て三菱製の採用です。

参考:東急3000系,5000系列,6000系,7000系のVVVFインバータ制御の違い

電動車ユニット単独電動車メーカー
3000系奇数VFI-HR4820EVFI-HR2420E日立製作所
3000系偶数SVF038-A0SVF038-B0東芝
3000系増結奇数VFI-HR1420W?日立製作所
3000系増結偶数SVF065-B1?東芝
5000系VFI-HR2820BVFI-HR1420H日立製作所
5050系VFI-HR2820BVFI-HR1420H日立製作所
5050系後期VFI-HR2820LVFI-HR1420W日立製作所
5080系SVF065-A0SVF065-B0東芝
5080系増結SVF065-B1?東芝
6000系SVF065-A0SVF065-B0東芝
7000系前期SVF065-A0東芝
7000系後期SVF065-A1東芝
Y500系VFI-HR2820BVFI-HR1420H日立製作所
5177F,5178Fは5050系後期のソフト変更

残される東横線の動きはどうなる?

今回落成した10両は比較的単純に増結される動きが想像できる一方で、1編成が2020年に増結されたのみに留まる東横線系統については気になる動きが続いています。

2019年8月に元住吉事故代替の5178Fとともに4611,4711の車体表記の中間車2両が登場し、2020年7月には5173Fが4111Fとして改番、さらに主制御装置を5175Fとトレードして営業運転に復帰しています。

この1編成は他の10両編成の相鉄直通・デジタル無線設置工事のための予備車増強となりましたが、今後、相鉄側から東横線に乗り入れてくる20000系が10両編成となっているため、必然的に東横線所属車両についても10両編成の所要数が増加することとなります。

5050系4000番台は10編成から11編成に増強されていますが、現行ダイヤでは9編成が運用される構成です。

大方の予想通り菊名駅発着(元日比谷線直通枠)が急行化・10両で運転することとなれば、現在以上に8両の所要減・10両の所要増となります。

そのため、もう数編成程度が増結されるのではないか?と推測するファンの声も多く、現在長津田検車区でデジタル無線工事を行なっている5169Fが、従来の8両編成の改造メニューではなく10両編成の4101F,4102Fで施工されているものとよく似た形態となっており注目されています。

5169Fは前年に10両化された5173Fと同年代製造の編成で、10両化される可能性はかなり高い状態と言えそうです。

中間車を新造する以外に、ファンからは田園都市線所属の5000系を交えた動きを推測する声も多く飛び交っています。

答えが見えてきた目黒線系統とは反対に、もうしばらくは情報待ちでしょうか。

関連:各社局の新形式・増結車

関連:相鉄21000系の動き

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