今回は好評だった鉄道コラムを久しぶりにお送りいたします。いつも通りボリューム満点です。
今回は東海地方(静岡県・愛知県・岐阜県・三重県)4県の私鉄事業者13社局の車両にスポットを当て、私が厳選した3形式を紹介させていただきます。

と、その前に・・・週末の首都圏では様々な鉄道に関する出来事がありましたね。
ELみなかみ号の牽引を担当したEF64-1052号機の乗務員さんが「Thank you 1052」の旗を持っており、昨日の運転でラストランだったのでないかと囁かれています。
ぶどう色に白帯の塗装となり3年半近く・・・高崎車両センター所属の電気機関車にも置き換えの波が押し寄せ始めるのか?!
10月23日初電から24日終電にかけてJR山手線内回りを運休させて渋谷駅改良工事を実施、拡幅された内回りホームを早く見てみたいですね。
通路扱いで利用するなとアナウンスされていた臨時列車のグリーン車に座る鉄ヲタや一般客が車内を汚しまくり、臨時表示を撮る鉄ヲタが駅先に密集し車掌の業務を妨害する荒れようだったそうな・・・
グリーン車にタダ乗りした連中はどうせキセルするような輩でしょう。GoToトラベルやら半額・無料キャンペーンに群がる連中なんて所詮、客層が悪いのでお行儀良くないんですよね。
私は三密という単語を知らない非常識な鉄ヲタが集まるような場所には行きくないので、日曜日は地元で大人しくしてました。平日休みの日昼にでも行ってみよう。
小田急電鉄で残り僅かとなった方向幕車1051Fによる団体臨時列車を撮影していた撮り鉄が、栗原で線路に乱入して緊急停止させる騒ぎを起こしたみたいですね。(写真は探す気にもならず適当に他の編成で代用)
当日の名探偵コナンがタイムリーな内容で大爆笑ゲラゲラ線路に入っちゃダメでちゅよ~ぶー
列車を緊急停止させるなど鉄道会社や利用客に迷惑かけるクズは、鉄道ファンを名乗る資格無しイラッ
そしてJR常磐線・成田線E231系マト139編成のスカ色ラッピングが、10月23日に剥がされました。
オリパラ開催に伴い自粛解禁して、夏によく追いかけた思い出がある「成田線開業120周年記念ラッピング」、一部剥離しながらも半年近くレアな姿で鉄道ファンを魅了しました。
コロナ禍で自粛していたため、出遅れ感に苛立ちを感じていましたが、今までの我慢を発散するかのように撮影しまくりました。
楽しい思い出をありがとう。

前置き長くなりましたが、これより本題に入ります。
今回は申し訳ありませんが、明智鉄道や樽見鉄道などの第三セクター会社は割愛いたします。
東海地方の第三セクターには、名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)のような異色の鉄道事業者があり、本当は紹介したいのですがキリが無いのでまたの機会に・・・
磁気浮上式リニアモーターカーを採用した愛知高速交通の「リニモ」も乗る価値あります!
東海地方の第三セクターが含まれていたら、四日市あすなろう鉄道100形を選んでいましたね。
厳選した車両を紹介する前に東海4県の私鉄事業者13社局をざっと紹介いたしましょう。
伊豆箱根鉄道は、静岡県の三島駅から修善寺駅を結ぶ駿豆線と、神奈川県の小田原駅から大雄山駅を結ぶ大雄山線を営業する鉄道会社です。
養老鉄道は、三重県桑名市の桑名駅から岐阜県揖斐郡揖斐川町の揖斐駅を結ぶ養老線を運行している鉄道事業者です。
伊豆急行は、静岡県伊東市の伊東駅~伊豆急下田駅間で伊豆急行線を運営する伊豆半島の私鉄で、国鉄(現:JR東日本)伊東線・東海道本線との相互乗り入れを行っています。
岳南電車は、富士急行の傘下の会社で静岡県富士市内の吉原駅と岳南江尾駅を結ぶ岳南線が、2014年度の「日本夜景遺産」に認定され、懐かしい駅の明かりや工場夜景を楽しめます。
静岡鉄道は、大手私鉄に準じる売上高を誇る企業で、静岡県静岡市葵区の新静岡駅と同市清水区の新清水駅を結ぶ静岡清水線を運行、鉄道以外の事業(鉄道事業は1割程度)で規模を拡大しています。
大井川鐵道は、1976年からSLの動態保存・運行する鉄道会社として有名で、近鉄や南海などで活躍した車両が現役の「走る博物館」です。
遠州鉄道は、静岡鉄道と同様に鉄道以外の事業で90%以上を稼ぐ企業で、静岡県浜松市内を走る遠州鉄道鉄道線を運行しています。
豊橋鉄道は、愛知県豊橋市を起点にパーク&ライドやサイクルトレインなどのサービスを展開する渥美線や市内電車東田本線を運行しています。
名古屋鉄道(名鉄)は、言わずと知れた東海地方の大手私鉄事業者で、総営業キロ数国内第3位を誇ります。
名古屋市交通局は、6路線で1日あたり134万人(2018年データ)の乗車人員を誇る名古屋市民の重要な足です。
東海交通事業は、愛知県春日井市の勝川駅から愛知県清須市の枇杷島駅を結ぶ城北線を運行するJR東海の完全子会社です。
三岐鉄道(さんぎてつどう)は、三重県北部の北勢地域で三岐線と北勢線の鉄道2路線を運行する鉄道事業者で、セメント関連の貨物輸送も行っています。
そんな13社局ある東海の私鉄事業者から私の独断と偏見で厳選した鉄道車両は・・・ではどうぞご覧下さい。

【名鉄7000系】
真っ先に名車だと思うこの車両を選びました。
1961年6月1日にデビューした名鉄7000系は、「パノラマカー」の愛称で長年親しまれた名古屋鉄道を代表する特急車両で、日本で初めて運転台を2階に上げて前面展望席を設置したほか、細かいピラーで区切られただけの連続窓、ミュージックホーン、デジタル式速度計、スカーレット一色の外部色など当時としては異例尽くめの特急車両となりました。
パノラマカー誕生秘話として、名古屋鉄道教習所の教官だった白井昭氏の「前の景色が見える電車を作りたい」想いが発端だったそうです。
パノラマカー登場前の1959年に一般車両初の冷房車「名鉄5500系」(上写真)が登場し、一般家庭や乗用車に冷房がない当時の利用者や沿線住民を驚かせましたが、「独創的なところが何もない」と感じていた白井氏に対し、副社長だった土川氏が5500系をどう思うか質問すると「夢も希望もない」と即答したそうです。

そのやりとりの後、白井氏は「あるべき車両」について土川氏に長い手紙を書くと、すぐに土川氏に呼ばれ「今までにない展望車の計画の創造に全面的に努力せよ」という特命が下り、車両部が総力を上げてパノラマカーの開発に挑みます。
踏切事故が激増していた当時の名鉄、列車の運転を統括する運転部の部長が「乗客を危険にさらすわけにはいかない」と車両部に対して抗議、衝突しても安全な電車を作らなければならなくなり、沿線企業の萱場工業(カヤバ)からダンパーを先頭部分に設置するという提案があり、「ダンプキラー」の異名を持つパノラマカーが誕生したのです。

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小田急ロマンスカー「NSE」3100形(1963年~2000年)にも採用された「オイルダンパー」(ヘッドライト部に内蔵)は、パノラマカーが時速約85Km/hで衝突したダンプカーを跳ね飛ばし、先頭車のガラスが一部割れた程度で無傷に近く、乗客数名がガラスの破片に当たるケガで済んだという伝説があるほど安全性に優れたものです。安全性が立証された反面、名鉄は旧型の木造車両との衝突を恐れていたそうな・・・
1988年には7000系の後継車両として、ハイデッカー展望席がウリの1000系「パノラマsuper」が登場しました。
パノラマカーのDNAが受け継がれています。

2008年12月ダイヤ改正をもって定期運用を離脱し、2009年8月にさよなら運転を行い全廃、中京競馬場内に3両が保存されているほか、トップナンバー先頭車2両が舞木検査場で保存されました。

パノラマカーは何度か乗りましたが、小田急ロマンスカーとは一味違う快適さを体感し、衝撃を受けた記憶があります。いつか保存車両を見に行ってみたいですね。

【静岡鉄道A3000形】
2つ目は43年振りの自社発注で度肝を抜いたあの車両です。選んだ理由は静岡鉄道が気合いを入れて投入した意気込みを感じ、鉄道友の会「ブルーリボン賞・ローレル賞」選定の際に投票した経緯があります。
2016年3月24日にデビューした静岡鉄道A3000形は、1000形置き換えのために投入している車両で、総合車両製作所のステンレス車両ブランド「sustina」を採用し、アルミ車体と同様の軽量化を実現しました。
置き換えが進む静岡鉄道1000形も他社からの譲渡ではなく自社発注の車両です。

性能面では、VVVF制御・回生ブレーキ・交流誘導電動機を採用、車内はオールロングシートで、ドア上には32インチハーフサイズの液晶ディスプレイを千鳥配置で3箇所に配置し、広告表示や停車駅案内等を表示しています。

2017年の鉄道友の会ローレル賞を受賞、選定理由として、

①現在の鉄道車両において確立・熟成された高い信頼性を持つ技術をバランスよく選択している。
②当社の路線規模・運行形態・保守性等を十二分に考慮し、コンパクト且つオーソドックスにまとめられた車両である。

の2点が評価され、静岡鉄道で初めて受賞しました。くどいですが私の一票も入ってますよウインク
2両編成×12本が約8年かけて投入される予定で、7本は「shizuoka rainbow trains」と称し、パッションレッド〈情熱的 活動的、いちご〉、プリティピンク〈かわいい ロマンティック、桜エビ〉、ブリリアントオレンジイエロー〈暖かさ 幸福感、みかん〉、フレッシュグリーン〈新しさ 優しさ、山葵〉、ナチュラルグリーン〈安全 自然、お茶〉、クリアブルー〈安心 誠実、富士山〉、エレガントブルー〈上品 信頼、駿河湾〉)と静岡市の様々な要素をイメージしたカラフルな塗装となり、その他編成については、全面広告対応車両となる予定です。

【伊豆急行2100系】

最後は普通列車とは思えぬ快適な車両、伊豆急行の「リゾート21」2100系です。

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1985年7月20日に、伊豆急行2100系が営業運転を開始しました(写真はリゾートドルフィン号時代のR-3編成)

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2100系は、伊豆急行が誇る観光用車両で、8両編成5本(R-1~R-5)製造され、1986年ブルーリボン賞を受賞しました。

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先頭車には展望席、海側には窓向きバケット型ロングシート、山側には2人がけ固定式クロスシートが設置されるなど伊豆半島観光の足として特別な内装になっているのが特徴で、土休日を中心に運転される特急「リゾート踊り子」から伊豆急行線、JR伊東線の普通列車まで幅広く運用されています。
伊豆急2100系の登場によって触発されたJR東日本は251系の開発・製造に踏み切りました(2020年3月引退)

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運転席まわり

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先頭車展望席

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両先頭車には階段状になった展望席があり、運転士の頭越しに前面展望を楽しむことができます。

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海沿いに向けられたシートからの眺めは最高です波フカフカしたシートがたまらんキラキラ

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R-3編成は、デビュー間もない1988年4月20日運転の快速「リゾートライナー21」で、私鉄車両として初めて東海道本線 東京駅まで入線を果たす偉業を成し遂げ、2011年には開業50周年記念として100系をイメージした塗装に変更され、「リゾートドルフィン号」となりましたが、2017年2月からは、伊豆の特産品である金目鯛をPRする「Izukyu KINME Train」へリニューアルされ、赤を基調とした外観に変更しました。

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二代目「黒船電車」として活躍中のR-4編成は、前面窓を大きな1枚窓へ変更、愛称も「リゾート21EX」と呼ばれ、JRのグリーン車に相当する「ロイヤルボックス」を新製から設けたほか、トンネルに入ると天井に星空のイルミネーションが展開される特殊照明を採用しました。

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黒船電車は渋いですね

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フカフカした快適な座席にも関わらず、普通列車用の車両だからスゴいの一言に尽きますキラキラ

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「黒船電車」車内

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1993年に登場したR-5編成は、車体形状を丸みを帯びたものにし、塗装の配色パターンも赤と青が交互に入ったストライプに変更され、「アルファ・リゾート21」の愛称が与えられていました。

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改造工事のため長津田工場へ(八王子駅にて)

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DE10ディーゼル機関車に牽引されJR横浜線内を走るアルファ・リゾート21

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2017年7月からR-5編成「アルファ・リゾート21」が、水戸岡鋭治デザインの観光列車「THE ROYAL EXPRESS」へ大幅にリニューアルされました(写真は改造が行われた東急長津田車両工場への輸送風景)

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未だに撮影してない観光列車「THE ROYAL EXPRESS」(画像参照元:Wikipediaから)

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海岸近くを走る路線の特性上、塩害の影響が強いため老朽化が早く進み、R-1編成とR-2編成が2006年と2009年にそれぞれ引退し、東急電鉄から譲り受けた8000系車両(上写真)に置き換えられました。 

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R-2編成の4号車2102

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塩害の影響を受けやすい路線で活躍する3本の2100系には長く活躍して欲しいと願います。

私が厳選した3形式は以上です。
東海地方には関東や関西に無い個性的な車両が多く活躍しており選ぶのにかなり悩みましたアセアセ
上写真の伊豆箱根鉄道7000系もリゾート21と同じぐらい快適な車両でノミネートならず残念でしたぐすんこれも完成度の高い車両ですキラキラ
あまり思い出話を出せませんでしたが、紹介できなかった車両も含めてそれぞれに思い入れがありますニコ今シリーズはキリが無いから3形式に絞っているだけで、紹介したい車両は数多くあるのですよアセアセ
機会があれば東海地方の第三セクターも取り上げたいと思います。
去年7月の四国一周1人旅では、感染対策のため新幹線で東海地方をスルーしてしまいましたが、いつかまた地獄の青春18きっぷ旅でのんびり東海地方の鉄道も満喫したいなと思います。
長時間列車に乗るのは疲れるので本当は嫌ですが、多くの鉄道車両を見るためには仕方ない・・・早く旅に出たい、そして早く関東から脱出したい新幹線
冬の足音が近づいて参りましたが、皆様も体調崩さないようどうかお気をつけ下さい赤薔薇

今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。

鉄道コム