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車番枯渇問題の救世主となった京成3000形

2002年から製造された京成3000形。成田スカイアクセス線開業前に6両編成を大量投入して旧型車両を一掃し、成田スカイアクセス線仕様の3050形を始めとした8両編成の増備を実施。その結果、合計326両が製造され、現在も京成の最大勢力を誇ります。

輸送力増強と京成本線のスピードアップに成功し、2010年代における京成の大躍進に貢献した京成3000形は京成の救世主とも言えますが、本当に救ったものは、車番でした。




四直特有の採番

京成は、京急・都営浅草線・北総線と直通しており、そこには様々な直通規格が存在しています。そのうちの一つに、各社局で使用可能な車両形式番号の取り決めがあります。

各社局が何を使用出来るのかは以下の表の通り。

鉄道事業者 形式
京急 600番台
1000番台
2000番台
京成 3000番台
都営浅草線 5000番台
北総鉄道 7000番台
千葉ニュータウン鉄道 9000番台

上の表のように、各社局が使用可能な千の位の番号は決められています。

つまりどういうことかというと、形式を分類する時は、「百の位で何とかしなさいよ」ということになります。

私見ですが、4000番台は忌避番号であるためか、どこにも割り当てされていません。また、6000番台は、実質的に京急600形(601-1=6011?)に、8000番台は京成と直通している新京成に割り当てられている可能性があります。



車番枯渇問題

さて、千の位が固定されてしまうと、車両形式を表現するためには、百の位を使用するしかありません。

京成であれば、3500形、3600形、3700形…と言うように、百の位を使用して、形式を表現します。

これ、何が問題かと言うと、1つの形式で採番可能な車両数が限られてしまうということです。

3700形の事例

例えば、3700形で採番するとしましょう。

京成の場合、トップナンバーは1からカウントするので、3701~3799までの番号が使用可能です。

しかし、3700形の場合、1編成で使用する下1桁の番号は1~8に固定したため、実質的に89両が上限になってしまいます。

製造次 車番
1次車 3701~3708
3711~3718
3721~3728
2次車 3731~3738
3741~3748
3次車 3751~3758
3761~3768
3771~3778
3781~3788
4次車 3791~3798

こうなると、さあ大変。1編成8両を10本用意したところで、3700番台が枯渇します。というか、実際に枯渇しました

ところが、そんなことはお構いなしに、3700形の製造を続けて11編成目からは3800番台にまで食い込みます。

製造次 車番
5次車 3811~3818
6次車 3821~3828
3831~3838
7次車 3841~3848
8次車 3851~3858
9次車 3861~3868

表面上は3800番台を使用しているものの、形式は3700形というややこしい状態になりました。



何故、車番が枯渇することに?

相互直通運転が開始された当初は事足りていましたが、輸送力増強のために車両数を増やし、その結果、車番が不足しつつあるという事態になっています。

特に、通番&謎のこだわりで採番している京急は、2代目1000形で車番が不足して、1500形が使用していた1600番台を改番してまで1000形で使いまわすということをやってのけるくらい、車番枯渇問題が発生しています。

そして、京急と同じく、通番で採番していた京成も、3700形で車番枯渇問題が発生したので、3800番台を3700形が使用するという状態になってしまいました。

京急は車番枯渇問題が常態化しているので別に良いとして1、京成でも3000形を製造するにあたって車番枯渇問題に直面することになります。

というのも、京成本線を走る4両編成と未更新の3500形を、6両編成の3000形に置き換える計画のため、理論上では○○両の車番を使用することになります。

そうなると、必然的に3700形までの採番方法では、3100番台はおろか、3200番台まで到達してしまいます。もはや形式とは何かという哲学的な議論にまで発展する恐れが…あったかどうかは不明ですが、抜本的な対策が必要でした。



京成3000形から採用された採番方法

車番枯渇問題を解決するため、京成3000形では、従来の採番方法から一新し、末尾にハイフンを付与して車番を採番しています。

既に、交通局の白い悪魔と名高い(?)、都営浅草線5300形でも採用した採番方法です。

例えば、3001編成の場合、1両目から、3001-1・3001-2・3001-3…と採番する方法です。

1両目 2両目 3両目 4両目 5両目 6両目 7両目 8両目
3001編成 3001-1 3001-2 3001-3 3001-4 3001-5 3001-6 3001-7 3001-8

8両編成は先頭からストレートに1~8を割り当てます。

6両編成の場合、将来的な8両編成化を見越して設計されているので、4と5を採番せずに、1・2・3・6・7・8を割り当てています。

1両目 2両目 3両目 4両目 5両目 6両目
3002編成 3002-1 3002-2 3002-3 3002-6 3002-7 3002-8

この様にハイフン付きで採番すれば、3000形の場合、理論値では999両まで採番することが可能です。

そんなに必要かと言われたら微妙なところですが、3000形からハイフンで採番をしたため、車番枯渇問題は解決し、3700形の様に他の形式で使用する番号まで食いつぶすという心配がなくなりました。

このハイフン付きの採番方法は3100形でも採用され、ハイフン付きの採番方法を続ける場合、将来的に京成の通勤形車両は最大10形式まで同居できることになります。実際に10形式も存在すると、保守面で苦労しそうですが。



編集後記

昔の人ってハイフンのことをハイホンって読んでるんだけど、ハイフン読みになったのっていつからなんだろうね😺

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注釈

  1. 一応、1000形1890番台でハイフンを使用(例:1891編成の場合、1891-1・1891-2・1891-3・1891-4)しているが、実質的に8900番台を使用していると考えられる。