Osaka Metro中央線24系第02号編成出場前の試運転 令和元年10月25日(金) | ふなたんのブログ

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 令和元年10月25日(金),大阪市高速電気軌道(Osaka Metro 大阪メトロ)緑木車両工場での定期検査(重要部検査および全般検査)を受けていた,中央線の新20系(24系,以下24系と表記)第02号編成の出場前の試運転が四つ橋線内で2往復行われました。

 同編成は,同日夜に中央線の所属基地となる森之宮検車場へ回送され後日,中央線森ノ宮駅-近鉄けいはんな線学研奈良登美ヶ丘駅間でも試運転を行いました。

 

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▲四つ橋線を走行する中央線の24系第02号編成(24602以下6連),「試運転」。力行加速度,制動距離,走行時の異常の有無,保安装置の作動の確認などが行われます。

先頭となる24602の乗務員室に各種機器の動作確認や試運転を担当する「試験班」の方が,運転台の計器類を確認すると同時に非常通方装置兼通話が可能な受話器を使い,計器類の動作を車内に乗車している「試験班」の方々に報告しています。

 

▲24系第02号編成は平成27年に中間更新改造(制御装置,ブレーキ装置,低圧電源装置等の主要機器の更新,車内照明のLED化)・車内リフレッシュ改造(定員着座推進のため座席のバケットシート化,座席中央縦手すり(立席ポスト)の設置,吊り手高さの変更(高低の交互配置)および優先座席の区別化(オレンジ色)ならびに乗降扉部の吊り手の増設,乗降扉開閉予告灯の設置,床敷物張替,車内案内表示装置の液晶ディスプレイ(15インチ)化,車内デザイン変更など)が施工されました。

24系では第02号編成の改造より車内デザインの変更が行われ,Osaka Metroの路線で唯一,他の全路線とつながっている事から,「つながる」がテーマとなっています。床を中央線の号線カラーを表す緑色,貫通路の扉は学研奈良登美ヶ丘駅側(画像左側)が朝日の昇る生駒山を,コスモスクエア駅側(画像右側)を夕日の沈む大阪港をイメージしたものに,乗降扉と袖仕切は,大阪港駅が最寄となる水族館「海遊館」に因んだ水色の泡の中を泳ぎ回るキュートな魚柄とし,泡と魚は各号線カラーで形成されています。この魚は,デザイン担当者が「路線図を見ていたらだんだん魚に見えてきた」事から誕生しました。

24系車内デザイン変更車は画像の第02号編成と第04号編成の2列車のみとなっています。

 

以上2点,四つ橋線玉出駅にて

 

▲折返してきた中央線24系第02号編成(24902以下6連),「試運転」。

中央線と相互直通運転を行う近鉄東大阪線(現 けいはんな線)延伸開業の際,近鉄線内でワンマン運転,最高速度95㎞/h運転が実施される事になりました。これらに対応する改造が平成17年度に在籍していた24系4列車(第01号~04号編成)に実施されました。改造後は,ワイパーの取付方の変更,冷房装置横にトランペットタイプの車外スピーカーの設置,加速度が2.5㎞/hから3.0㎞/へ,最高速度は95㎞/hへとアップしています。

 

四つ橋線花園町駅にて

 

▲24系第02号編成(24602以下6連),「試運転」が2往復目の復路として通過していきます。

24系は平成3年から平成7年にかけて11列車が投入されました。

平成9年に中央線大阪港駅-コスモスクエア駅-南港ポートタウン線中ふ頭駅間は,第三セクター大阪港トランスポートシステム(OTS)の路線として開業しました。コスモスクエア駅-大阪港駅間はテクノポート線として中央線と相互直通運転を行っていました。

大阪市交通局とは別建て運賃利用客の低迷により平成17年7月1日に大阪港駅-コスモスクエア駅-中ふ頭駅間を大阪市交通局に移管され,それぞれ中央線・南港ポートタウン線の一部となり,OTSの車両も全て大阪市交通局に譲渡されました。このうち化粧板や座席の柄など一部を除き新20系と同一仕様として製造されたOTS系2列車は,同日より24系第51・52号編成として所属する事になり24系は13列車となりました。

谷町線20系第31~39号編成が,近鉄けいはんな線高速化に伴う改造により中央線で運用される事になりました。それに伴い24系第05~11・51・52号編成が谷町線に平成16年7月から平成18年3月にかけて転用され24系は4列車となりました。

平成26年に四つ橋線23系第06号編成が転入し24系第56号編成(中間更新改造・車内リフレッシュ改造,近鉄けいはんな線乗入れに伴う高速化・ワンマン運転化への対応も実施)となり,5列車が在籍しています。

 

四つ橋線玉出駅にて

 

▲24系第02号編成(24902以下6連),「試運転」が営業線(四つ橋線)上での2往復による各種試験などを間もなく終えます。

新20系では,前照灯のLED化が中間更新改造・車内リフレッシュ改造施工車・未施工車問わず順次進められていますが,24系第02号編成は今回の定期検査でのLED化は実施されていません。

 

▲四つ橋線の下り線(住之江公園駅方)から緑木車両工場・緑木検車場を結ぶ出入庫線へ転線し緑木車両工場へ戻る24系第02号編成(24602以下6連)。緑木車両工場到着後に確認を行い,中央線の所属先となる森之宮検車場へ回送されます。その後,中央線森ノ宮駅-近鉄学研奈良登美ヶ丘駅間で,四つ橋線内では出来ない最高速度95㎞/hでの運転や近鉄けいはんな線生駒トンネル内の連続勾配用としての抑速ブレーキ作動などの確認を行う試運転が行われます。

 

以上2点,四つ橋線北加賀屋駅にて

 

【参考文献】

・「鉄道ピクトリアル2019年8月臨時増刊号 特集:大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)」(株式会社電気車研究会 鉄道図書刊行会)

・「そうだったのか!Osaka Metro 民営化で変わったもの,変わらなかったこと」(交通新聞社新書152 伊原 薫著 株式会社交通新聞社)