【既視感】フィリピン・マニラ南北線通勤鉄道向け車両がJ-TREC横浜を出場

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日本が有償支援を行っているフィリピン・マニラ通勤鉄道向けの新造車両が総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所にて落成し、近隣の港へ向けて陸送が実施されました。

首都圏では馴染みのある顔立ちで、日本国内のファンからも注目されています。

フィリピン南北通勤鉄道の日本の関わり

フィリピン南北通勤鉄道は、マニラ首都圏の深刻な道路混雑の解消に向け、マロロス市からマニラ市ツツバンまでの約38kmの区間を「フェーズ1プロジェクト」=第一期として建設が進められています。将来的に北は更に50km離れたクラーク国際空港・南側はラグナ州カランバまでの長大路線となる計画です。

第一期区間は2025年9月の供用開始予定とされており、日本国政府開発援助事業として実施されています。

鉄道車両以外にも本線や車両基地の土木工事・鉄道システムや軌道の工事・コンサルティングなど鉄道運行全般を支援しています。

フィリピンの国内鉄道では、日本の狭軌と同様の軌間1,067mmとなっており、12系・14系客車のほか常磐線各駅停車で運用されていた203系の一部が譲渡された実績もあります。しかし、今回のマニラ南北通勤鉄道については、標準軌(1,435mm/海外の多くや日本の新幹線で採用)で建設が進められています。

このうちの車両製造については、住友商事株式会社と株式会社総合車両製作所が受注していました。当時は青色のデザインのイメージ画像が用意されていましたが、基本構造こそ同一ながら印象の異なる仕上がりとなりました。

なお両社ではこれに加え、マニラ地下鉄向け240両も受注しています。

落成した車両を見る

今回落成した車両は、フィリピン共和国のマニラ南北通勤鉄道向け新造車両の8両です。18日から21日未明にかけて陸送(トレーラーでの輸送)が実施されており、No.1Fの掲示からこの車両群が第1編成であることが伺えます。

車号はEM10011L-EM10011M-EM10012M-EM10011T-EM10012T-EM10013M-EM10014M-EM10012Lの8両編成と見られます。

編成構成としてはTc-M-M’-T-T’-M-M’-Tc’と、日本国内の電車で非常によく見られる電動車ユニット構成の編成となる模様です。

TcをLと表記している以外は日本人ファンにも馴染みのあるMT表記で、形式名がEM10000型、クハ同士(向きの違い)やモハ同士(パンタ有無など)の番台区分等は行わない……といった規則でしょうか。

顔立ちもE233系などにそっくりで親近感を覚えますが、車体幅が日本国内の在来線と比較して大きく、裾絞りもないためかなり大きく感じます。

ドア窓はありがちな形状ですが、側面窓は日本では見られない逆T字型となっている点が印象的です。また、車体側面の表示器が各車両2箇所用意・ドアの開閉状況を示す車側灯が各ドアに設置されているのも、日本向けでは見られない印象的な構造です。

内装についても他のsustina車両に似た見覚えのある構造が見受けられます。

車体側面にはフィリピン共和国運輸省・フィリピン国鉄のロゴマークに加え、J-TRECロゴ・ブランド名であるsustinaのロゴが加わり賑やかな印象です。

本形式は8両13編成=計104両の製造が予定されており、しばらくはこの車両を見る機会がありそうです。

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