南海7100系「めでたいでんしゃ かしら」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

「めでたいでんしゃ」というある種のブランドを確立した感のある加太線、2021年に新しい(…というより新しく判明した)家族がやって来ました。


その名も「かしら」、位置付けとしてはピンクの「さち」の兄にあたる車両で、加太の海を飛び出し、長い航海の旅から帰って来たそうです。

 

黒い車体はこれまで南海の旅客車では見られず、中々カッコいいです。またこの編成は地元出身であるL'Arc~en~Cielのボーカル、hyde(ソロ名義なのでHYDE)さんとのコラボデザインでもあります。それ故か、車体には音楽にまつわるデザインが色々とされています。和歌山市方車両が7969とロックになっているのは偶然でしょうか。


これまで最前面の窓は目になっていましたが、この編成ではこの窓が眼帯を付けているようになっております。それにしても、和歌山地区を走る7100系は、今後全てこのブランドに統一していくんですかね?まだ1本が一般塗装で残存していますが…。なおメインの運用路線は加太線ですが、共通運用で和歌山港線にも出没することがあります。

 

車内です。船をイメージしたデザインで、これまた違ったテイストに仕上げてきました。4扉ロングシートの構成は変わりません。


ドアです。両開き式はそのままに、音符のデザインを施しています。戸袋下に楽器を演奏してる人がおり、ドアが閉まる際に音が広がるような演出がなされます。


その他のドアのデザインがこんな感じ。いずれも開閉の動きがアニメティックになるような工夫がされています。


ドア上の広告枠にはこのようなものが。各ドア上を見て回るのも面白いですね。


めでたいは、自分の力で掴み取れ。これまでは「いいことがありますように」感だった中、急に突き放すようになりましたね(笑)

 

そして南海独特のドア斜め上の広告枠は、かしらの冒険日記になっています。いやーこれがですね、ちょっとした残念感をこのでんしゃから感じさせる部分もあり少し面白いです。

 

戸袋の広告枠もこの通り。

 

で、各車両一ヶ所の広告枠は鯛のオブジェになっています。

 

で、もう1両の方。同じように見えて、こちらにはうろこにギターピックが挟まっています。

 

車端部です。仕切り扉も木目調ながら、側ドアとは異なり濃い色調になっています。


加太方の車両がこちら。優先座席に指定されており、窓にその表示がされています。これだけ変貌していると、表示が埋もれちゃいますからねぇ…。

 

最前面です。右側の仕切り窓が少し横幅が狭いのはいつものこと、仕切り扉は船の舵がデザインされています。


そして反対側、和歌山市方の最前面です。座席のモケットは車端部に合わせられています。

 

天井です。照明や冷房装置、荷棚等はそのままですが、吊り広告や吊革は交換されています。

 

吊り広告部分にはコウモリや帆船の帆などをイメージしたものが付いています。実はここにも仕掛けがあったりなどして面白いのです。

 

更に吊革もこの通り。吊手部分が魚になっている他、音符になっているところもあります。

 

更に、留め具裏には色々な魚のイラストが。で、いくつかの裏には…うん、これ以降はお楽しみです。

 

窓です。一段下降窓には譜面がゆらゆら、日除けにも音楽を奏でながら航海の旅に出る船が描かれています。非常通話装置はやっぱり安全上重要過ぎるので、俗世のままとなっています。

 

最前面の日除けは、成りきりが出来る仕様。「HAPPY WANTED」、乗車された方に幸あれ。

 

座席です。「めでたいでんしゃ」ブランドお馴染みの手法ですが、着席定員は同じながら座席モケットの変更と、袖仕切りの塗装を実施し雰囲気を一新しています。色々なものの模様を散りばめたモケットで、見ていて飽きません。なおドア間は7人掛け、ここからは見辛いですが座面には着席区分を設けています。実際付け焼き刃ではありますけどね…。

 

床面は船の甲板をイメージしたようなデザインで、入り口から土足の足跡が付いています。足跡を追いかけると…いいことがあるかもしれませんし、ビックリなことがあるかもしれません。

 

車端部の3人掛けです。ここから、着席区分の模様が見えるかと思います。迷路になってますので、空いていれば迷路を辿るのもいい時間潰しになるでしょう。座り心地としては、背ズリはかつて同様プニプニですが、座面はややクッションモリモリな感じがあります。しばらく時間が経つとフカフカに沈むものになるでしょうか。


優先座席とフリースペースです。ピアノの鍵盤をイメージしたモケットで、座ると音が鳴りそうに見えます。なお鍵盤が汚れて見えますが、こういうモケット仕様ですので気にしない方がいいです、はい。フリースペースは握り棒のみ、車椅子1台がギリギリ入るかどうかという塩梅で、モノによってははみ出すかもしれないくらい広く有りません。

 

そして向かい側がこちら。赤をベースに方位磁針などを配したデザインです。着席定員は変わらずなのでフリースペースもあるのですが、車椅子マークとベビーカーマークがこちらにはありません。せっかく握り棒もあるんですから、貼っちゃえばいいのに。

 

各所がすっかりと変わった中、まだ残っている近畿車輛のメーカーズプレート。この後しばらく近畿車輛への発注は止まり、近畿車輛謹製の車両は8300系まで待つことになります。

 

HYDEサザンとの並び。各々の編成にしっかりと物語があるあたりは、JR九州のD&S列車や、JR四国のものがたり列車よりもハッキリしたコンセプトがあると思います。今後残る一般車や、既存編成に変化があるのか、楽しみな加太線ですね。とは言え車両自体はもう40年選手、この先どうなるのでしょうか。