峠越え、一日たった1本の石北本線普通列車【北海道✴鉄道巡り⑪】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(北見峠に挑む、一日たった1往復の普通列車)



★過去記事↓↓↓







全線電化区間を走る非冷房キハ40✴札幌発旭川行き長距離鈍行(深川→旭川)【北海道✴鉄道巡り⑨】 







石北本線の峠越え、一日たった1往復の普通列車


JR石北本線・上川駅
ここから先、峠越え区間の上川〜白滝間は、普通列車は一日1往復しか走っていない
その他、特急「オホーツク」2往復、特急「大雪」2往復、特別快速「きたみ」1往復を合わせても、合計6往復だけの超閑散区間

旭川から回送列車でやってきた、上川始発・遠軽行きの普通列車。
過酷な自然環境を長年走り続けた国鉄型キハ40形気動車は、痛みが激しい。

サボは「遠軽⇔旭川」とあるが、下りは上川始発・遠軽行き。上り列車が遠軽始発・旭川行きとなる。1往復の普通列車のためだけのサボ

国鉄時代の雰囲気を残す、酷寒形キハ40形気動車車内の様子。
旭川駅発・上川駅止まりの普通列車から乗り換えてきた旅行客で、各ボックスシートは、大体一人ずつ席が埋まっている。
ただ、旭川駅から上川駅までの普通列車が1両だったのに対し、こちらは2両編成のため、ボックスシートが相席になったり、混み合ったりすることはない。

一区画だけ、向かい合わせではない2人掛けボックスシートがある。

車端部はロングシート


石北本線上り特急「大雪2号」網走発・旭川行きと行き違い

向こうは、キハ183系特急型気動車


JR北海道の特急車両で最古参のキハ183系気動車は、外板の痛みが激しい。




石北本線  上川始発・遠軽行き普通列車、午前11時10分 上川駅発車


向こうの特急「大雪」は、ハイデッカーグリーン車を連結



かつて、上川からは旭川営林局の層雲峡森林鉄道が延びていたそう。
今は、旭川紋別自動車道や国道が並行。


上川駅から隣駅の白滝駅までは、日本一駅間距離が長い区間で37.3kmもある。
上川〜白滝間の一駅間は、特急列車で所要時間約40分、普通列車で約50分かかる。

かつて、上川〜白滝間には、天幕駅、中越駅、上越駅、奥白滝駅、上白滝駅の5つ駅があったが、徐々に廃止され、2016年(平成28年)3月26日の上白滝駅廃止をもって全部無くなった。そのため、上川〜白滝間は、日本一駅間距離が長い区間になった。
ちなみに、旧中越駅、旧上越駅、旧奥白滝駅は、現在は信号場になっている。

廃駅になった天幕(てんまく)駅(2001年(平成13年)7月1日廃止)の跡は、気づかぬうちに通り過ぎる。記念碑があるそう。



中越(なかこし)信号場(旧・中越駅)

駅は、2001年(平成13年)7月1日に廃止。

保線詰所は、元・中越駅舎




石狩川の支流・留辺志部川に沿って走る。


自然環境厳しい山岳区間を走る。付近に人家はない。


キハ40形普通列車は、ゆっくりした重い足取りで、北海道の屋根と呼ばれる大雪山系の北見峠に挑む。


ディーゼルエンジンを唸らせながら、ゆっくり勾配を上っていく。




北海道では、各信号場の前後の線路の分岐部分は、雪害や凍結を防ぐため、スノーシェルターに覆われているところが多い。



上越(かみこし)信号場(旧・上越駅)
 
北海道最高所にある停車場で、標高は634m。駅周辺が無人地帯になったことにより1975年(昭和50年)廃駅に。

上越信号場を過ぎると、上川地方と北見地方を隔てる北見峠は目前。




峠越え
やがて列車は、北見峠に差し掛かる。

列車はタイフォンを鳴らし、
石北トンネル(4356m)に入り、峠を越える。

石北トンネルの開通は1932年(昭和7年)で、労働者が過酷な工事に携わった。


石北トンネルを抜けると、列車は軽やかに坂を下る。

この辺りは、野生動物が頻繁に出没するそう。




奥白滝(おくしらたき)信号場(旧・奥白滝駅)

駅は、2001年(平成13年)7月1日に廃止。
かつての駅舎は、今は保線詰所として使われている。



2016年(平成28年)3月26日に廃駅になった旧・上白滝(かみしらたき)駅の跡を過ぎる。上白滝駅は、晩年は一日一往復しか列車が停まらない、究極の秘境駅の一つだった。



白滝(しらたき)駅、午前11時59分到着。
隣の上川駅からの所要時間は49分。

白滝駅は、
特急「オホーツク」2往復、
特急「大雪」上り1本、
特別快速「きたみ」1往復、
下り普通3本(うち2本は白滝始発)と、上り普通1本が発着。

かつては、奥白滝駅、上白滝駅、白滝駅、旧白滝駅、下白滝駅と「白滝」の名が付く駅が5つ連続してあり、鉄道愛好家等からは「白滝シリーズ」と呼ばれていた。現在は、白滝駅以外は全部廃止になった。





12時00分、白滝駅発車 




廃駅・旧白滝(きゅうしらたき)駅跡を過ぎる。

駅は、2016年(平成28年)3月26日に廃止。





湧別川に沿って走る。北見峠を分水嶺として、湧別川はオホーツク海に注ぐ。



 
下白滝(しもしらたき)駅信号場(旧・下白滝駅、2016年(平成28年)3月26日に廃駅)




下白滝信号場で、特別快速「きたみ」号、北見発・旭川行きと行き違い

特別快速「きたみ」は、キハ54形気動車の単行

旭川・北見間の都市間輸送を担い、特急列車並みの俊足だが、限りなくローカル列車



ステンレス製の非冷房車


元・駅舎



畑の中を軽やかに進む。


 


やがて、丸瀬布の街が見えてくる。



12時22分、丸瀬布(まるせっぷ)駅に到着

丸瀬布は、かつては林業が盛んな町


ここで下車

他に降り立った乗客は無し。

遠軽駅へ向かう普通列車が走り去る。











「SLと昆虫のまち丸瀬布」

無人の駅舎は、丸瀬布生涯学習館と共有


※2021年(令和3年)夏