/リニア・鉄道館 第10回企画展/ 21年9月〜22年1月 

 重要文化財 ホジ6014号蒸気動車のすべて 〜誕生からこれまでの歩み〜 

 

 

蒸気動車って?聞きなれない言葉だけど、鉄道進化の過渡期にあった蒸気で動く気動車(ディーゼルエンジンではなく蒸気機関が車両の中に組み込まれた形)、つまりSLと客車を一体化した車両です

屋根上には煙突が見え、客室からは直接機関室の釜が見えています(暑そう!)、また台車には駆動のためのロッドが付いています 

国内で58両が活躍しましたが、徐々に内燃動車(ガソリン動車、ディーゼル動車)に活躍の場を譲り、1949(昭和24)年には全廃

 

 

 

主催者のことばを引用すると

「1909(明治42)年以降に登場した鉄道院の蒸気動車は、客車の片側に小型蒸気機関車の蒸気機関と走り装置を装備し、都市近郊の列車増発を目的に単車運転を可能にしたことで、都市へのアクセス性を改善してきました (中略) この蒸気動車は「気動車の始祖」と言えるもので、現存する唯一の車両です 現在に至るまで多くの方々の“遺す意志”が引き継がれ、2019(令和元)年7月には国の重要文化財に指定されました」

 

 

 

1913(大正2)年3月 汽車会社(現 川崎車両)で誕生 分類は客車 ボギー車に由来する「ホ」と、汽動車(自動客車)を表す「ジ」が付けられ「ホジ6014号」と命名(その後称号規定が変わって「ジハ6006号」、さらに「キハ6401号」と呼ばれたそうです) 

新製時は神戸鉄道管理局に配置、その後九州に活躍の場を移し、

1944(昭和19)年 廃車、名古屋鉄道に払下げられたがあまり活躍できないまま、

1948(昭和23)年 廃車、その後犬山遊園内で静態展示 

1962(昭和37)年 鉄道記念物に指定、国鉄に返還(西郷従道邸とのバーターだって そんなウラがあったのか)

1967(昭和42)年 明治村に貸出展示

2009(平成21)年 リニア・鉄道館開設に伴い車両返還

2011(平成23)年 リニア・鉄道館オープン 目玉展示の一つに

2019(平成31)年 重要文化財に指定

 

 

室内はモケット張のロングシートが並び、二重屋根の豪華な室内です

車両前部の機関室に蒸気機関が組み込まれていて、後部には運転台が設置された両運転台

前進時には機関室で機関士が運転操作し、機関助士がボイラーを取り扱う 後進時には機関士が車両後部の運転室に移り、伝声管で機関室の助士と会話しながら、遠隔で(ロープが繋がっている)蒸気加減弁を操作 バック運転とならないよう工夫されています

 

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車両は常設展示なのでいつでも見ることができますが、今回の企画展は22年1月末までなので興味のある方はお早めに 

企画展はリニア・鉄道館への通常入場で見ることができます(大人¥1000、小中高生¥500、幼児¥200)

図録は¥1200です 内容も濃くってオススメですよ

 

(参考文献:リニア・鉄道館 第10回企画展 図録、現地展示)

 

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