風前の灯「留萌本線」… 各駅停車【北海道✴鉄道巡り⑧】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)


(JR留萌本線 恵比島駅)




★過去記事↓↓↓










JR留萌本線(留萌→深川)各駅停車

日本海に面した港町・留萌の玄関口・留萌駅
街の顔のはずだか、他の地方中小都市同様、留萌も過度のクルマ社会となり、駅は閑散としている。

JR留萌本線は、全長50.1 kmの非電化単線の路線。「本線」を名乗るJR線の中では、2021年(令和3年)4月1日に路線の大部分(鵡川〜様似間116km)が廃止になり日本一短い「本線」になった日高本線(30.5 km)に次いで日本で2番目に短い路線。

留萌本線は、元々は増毛駅が終点だったが、2016年(平成28年)12月5日に、末端区間の留萌〜増毛間(16.7km)が廃止。

さらに、JR北海道は、現在残る深川〜留萌間についても全線廃止・バス転換を表明。
このうち、石狩沼田(又は恵比島)〜留萌間は、地元自治体が廃止を容認し、事実上廃線確定。残る深川〜石狩沼田(又は恵比島)間について、沼田町、秩父別町、深川市の3市町が現在も部分存続を目指しJR北海道と協議中であるが、全線廃止はほぼ確実な情勢。

留萌駅は有人駅だが、改札業務は駅員が居る8時45分〜 16時20分のみ。時間外は無人駅になるため、車内精算になる。改札の奥にキハ54形気動車の姿。

留萌駅は、国鉄・羽幌線(留萠〜幌延間141.1km、1987年(昭和62年)3月30日廃止)や、天塩炭砿鉄道線(留萠〜達布間25.4km、1967年(昭和42年)7月31日廃止)、留萠鉄道臨港線(留萠港から石炭や木材積み出しのための貨物線で、北岸線と南岸線を有していた。1941年(昭和16年)国有化。現在は全て廃止)も分岐していた駅で、広い構内を有していた。

留萌本線は、「本線」を名乗りながら、1両きりの普通列車が「一日7本」運行するだけのローカル路線。全部の駅に停車する普通列車は、下り上りともに、一日たった2本しかない。



留萌本線  留萌発・深川行き普通列車
午前6時47分、留萌(るもい)駅発車
乗車した列車は、留萌本線で数少ない、全駅に停車する普通列車


大和田(おおわだ)駅に停車
下り7本、上り5本が停車する駅


デッキ付きのJR北海道キハ54形500番台気動車

冷房はなく一段上昇式の開閉窓。酷寒地仕様で、内側にもう一枚窓がある二重窓構造

車内中央部には転換式クロスシート、車端部にはロングシートを配置。ラッシュ時対策の改装によりロングシート部分が増えた。

運転台(後部車窓)




藤山(ふじやま)駅に停車
下り6本、上り5本が停車する無人駅




1990年(平成2年)までは、幌糠駅〜藤山駅間に「桜庭駅」があった。



幌糠(ほろぬか)駅に停車
下り6本、上り6本が停車する無人駅


待合室は貨車(ヨ3500形車掌車)の廃車体

2006年(平成18年)までは、峠下駅〜幌糠駅間に「東幌糠駅」があった。



峠下(とうげした)駅に停車
現在、留萌本線で、唯一、上下列車の行き違いができる中間駅


下り7本、上り7本の全列車が停車する無人駅


恵比島峠を超える。

留萌本線にはトンネルは2箇所のみ。

非冷房車の夏は、扇風機と窓開けで涼む。




恵比島(えびしま)駅に停車
下り6本、上り7本が停車する無人駅

恵比島駅は、1999年NHK朝の連続テレビ小説「すずらん」の舞台。駅舎は撮影用セットとして造られたもので、今も観光用として残る。ドラマ上の駅名は「明日萌(あしもい)駅」。

ドラマ上の架空の駅名「明日萌(あしもい)」。撮影セット用の駅名標も観光用に残る。

かつては、観光列車・快速「SLすずらん号」も停車し、駅前には観光バスも立ち寄り、ドラマ撮影セットを見学する観光客で溢れていた。

今は訪れる人も少なく、栄枯盛衰といった感

かつて、恵比島駅から昭和駅まで留萠鉄道炭礦線(るもいてつどうたんこうせん、17.6km)が結んでいたが、1971年(昭和46年)4月15日に全線廃止された。



本当の恵比島駅の待合室は、左側の小さな貨車(ヨ3500形車掌車)の廃車体。
貨車待合室は、撮影セット用の駅舎に合わせ、貨車に木板を貼ってある。




真布(まっぷ)駅に停車
下り5本、上り4本が停車する無人駅。
板張りのホームの長さは、車両一両分にも満たず、一両の気動車の後ろ側はホームからはみ出る。そのため、ワンマン車は前乗り・前降りとしている。

板張りの小さな待合室を有する。



石狩沼田(いしかりぬまた)駅に停車
下り7本、上り7本の全列車が停車する簡易委託駅

かつては、国鉄 札沼線(桑園〜石狩当別〜新十津川〜石狩沼田)の終着駅だった。札沼線は度重なる廃線(1972年(昭和47年)6月19日新十津川〜石狩沼田間廃止、2020年(令和2年)5月7日北海道医療大学〜新十津川間廃止)で、今は電化区間の桑園〜北海道医療大学間に路線短縮。



雨竜川(うりゅうがわ)橋梁

雨竜川を渡る。




北秩父別(きたちっぷべつ)駅に停車
下り2本、上り4本しか停車しない無人駅

長年風雪に耐えてきた、古い木造の小さな待合室に板張りのホーム

板張りのホームは、雪で滑りにくい利点がある。

留萌本線の普通列車の大半が通過してしまう秘境駅


米の穀倉地帯を走る。



秩父別(ちっぷべつ)駅に停車
下り6本、上り7本が停車する無人駅

古い立派な駅舎を有する。





北一已(きたいちやん)駅に停車
下り6本、上り7本が停車する無人駅。

倉庫のように見える駅舎

難読駅としても有名




気動車は左にカーブし、左側にJR函館本線と合流


午前7時49分、終点・深川(ふかがわ)駅に到着
かつては、JR深名線(深川〜幌加内〜名寄間121.8km)も発着していたが、1995年(平成7年)9月4日廃止。

4番線ホームに到着


深川駅は3面4線。ホームがあるのは1・3・4・6番線。
左奥に見える小さな6番線ホームは留萌本線専用の短いホームだが、現在は留萌本線でも、ごく一部の列車でしか使用されない。

5番線(ホームはない)には、この日の留萌本線上り一番列車の運用に入っていたキハ150形気動車が留置中。固定窓の冷房車で、留萌本線での運用は少ない。

4番線に停車中の留萌本線用キハ54形気動車

留萌本線専用の小さな6番線ホーム。
18時09分発の留萌行きのみで使用される。

6番線ホームから、4番線に停車中の留萌本線キハ54形気動車を眺める。

折返し、午前7時59分発の留萌行きとなる。ホームで待っていた大勢の乗客がキハ54形気動車に乗り込む。

4番線から、午前7時59分発の留萌行き発車

※2021年(令和3年)夏