JR北海道は利用者の極端に少ない駅の整理をここ数年加速させている。
平成23~27年に1日平均利用者数が1人以下であった駅の大半は廃駅となっている。今回はその各駅での利用状況を見ていく。
平成23~27年の駅別利用状況→https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160328-1.pdf
平成27~令和元年の駅別利用状況→https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/jyoukyou/ekibetsu.pdf

線区ごとに平成23~27年で利用者が1人以下、10人以下の駅をそれぞれ表にし、現在の状況として廃止、廃線、平成27年~令和元年に利用者が1人/3人(項目追加)/10人以下および10人以上を書いた。また平成23~27年の統計では10人以上の利用があったとされている駅で、平成27年~令和元年に10人以下となっている駅を別途記載する。
駅廃止、廃線は2017年以降を表に反映(2017年時点で営業している駅の利用者統計であるため)2016年に廃止された駅は以下。
石勝 十三里
東追分
根室 花咲
石北 上白滝
旧白滝
下白滝
金華
函館 鷲ノ巣

先に結論を述べれば、平成27年統計で利用者が1名以下となっている駅は留萌本線(廃止に関して協議中)、宗谷本線(自治体管理に委ねる)、東鹿越駅(バス代行の駅)のほか、細岡駅のみになっている。
当時の1名以下51駅中35駅が廃止、廃線されたことになる。令和元年統計では残り16駅中1駅は1名以上3名以下、1駅は10名以上となり、14駅がそのまま、14駅が10名以下から1名以下へとなっている。基本的に利用者の減少傾向は止まっていない。

以下、だいたい時刻表掲載順です

・函館本線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
東山 2017廃止 池田園 3人以下 東森 10人以下
姫川 2017廃止 流山温泉 1人以下
桂川 2017廃止 銚子口 1人以下
伊納 2021廃止 渡島沼尻 10人以下
尾白内 10人以下
赤井川 10人以下
駒ヶ岳 10人以下
石谷 3人以下
石倉 3人以下
本石倉 3人以下
山越 10人以下
山崎 3人以下
黒岩 10人以下
北豊津 2017廃止
国縫 10人以下
中ノ沢 3人以下
二股 3人以下
蕨岱 2017廃止
熱郛 10人以下
目名 10人以下
比羅夫 3人以下

旭川の隣駅であった伊納駅以外は全て倶知安ー長万部ー函館の区間。
なおその区間で利用者が10人以上となっているのはニセコ、昆布、蘭越、黒松内、八雲、野田生、落部、森、掛潤、鹿部、大沼公園、大沼~函館の各駅。
※2022年ダイヤ改正で5駅の廃止が予定されている。

・室蘭本線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
該当なし 黄金 (10人以上) 大岸 10人以下
小幌 3人以下
静狩 10人以下
室蘭本線は今のところ廃駅の噂はほとんど出ていない。秘境駅の代表格小幌駅一時ダイヤ改正ニュースリリースで言及された程度か。

・千歳線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
美々 2017廃止 該当なし 該当なし
一部普通列車が通過していた美々駅。この駅が一番空港に近かったとも。

・札沼線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
豊ヶ岡 2020廃線 石狩金沢 2020廃線 該当なし
鶴沼 2020廃線 本中小屋 2020廃線
於札内 2020廃線 中小屋 2020廃線
南下徳富 2020廃線 月ヶ岡 2020廃線
下徳富 2020廃線 知来乙 2020廃線
札比内 2020廃線
晩生内 2020廃線
札的 2020廃線
新十津川 2020廃線

全て2020年5月に廃止された非電化区間。なお平成27年統計で非電化で10人以上の利用があったのは石狩月形と浦臼のみ。学園都市線区間(電化区間)は利用者が多い(なんとなく可部線と状況が似てるきもしない)

・留萌本線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
箸別 2016廃線 信砂 2016廃線 該当なし
朱文別 2016廃線 瀬越 2016廃線
舎熊 2016廃線 大和田 3人以下
礼受 2016廃線 恵比島 3人以下
阿分 2016廃線 北秩父別 1人以下
藤山 1人以下
幌糠 1人以下
峠下 1人以下
真布 3人以下
北一已 1人以下
増毛留萌間が廃止された後、留萌石狩沼田間の廃線問題がくすぶり続けている。増毛、留萌、石狩沼田、秩父別の各駅が10人以上の利用となっている。

・日高本線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
鵜苫 2021廃線 浜田浦 3人以下 該当なし
西様似 2021廃線 汐見 2021廃線
豊郷 2021廃線
大狩部 2021廃線
春立 2021廃線
日高東別 2021廃線
絵笛 2021廃線
日高幌別 2021廃線
災害により苫小牧ー鵡川間のみの路線となったが、廃止された汐見ー様似間24駅中15駅は利用者が10人以上いた。他の路線に比べればマシという程度かもしれないが、災害が無ければそれなりの減便のまま運行されていたであろう。

・石勝線(夕張線)
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
該当なし 川端 10人以下 占冠 10人以下
滝ノ上 10人以下
鹿ノ谷 2019廃線
鹿ノ谷駅を含む夕張線区間が廃止となったほかは根室本線へ抜ける特急街道のままである。

・根室本線(花咲線)
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
島ノ下 2017廃止 東滝川 10人以下 武佐 10人以下
東鹿越 (※) 野花南 3人以下 別保 10人以下
羽帯 2018廃止 布部 3人以下 上尾幌 10人以下
稲士別 2017廃止 下金山 10人以下 門静 10人以下
上厚内 2017廃止 金山 10人以下 厚床 10人以下
尺別 2019廃止 落合 統計対象外
初田牛 2019廃止 十弗 10人以下
新吉野 10人以下
厚内 3人以下
直別 2019廃止
古瀬 2020廃止
庶路 10人以下
糸魚沢 1人以下
姉別 3人以下
別当賀 3人以下
昆布盛 10人以下
西和田 10人以下
利用者が1人以下の駅はとことん廃止されたが、現状バス代行となっている東鹿越駅は利用者10人以上扱い(これに伴い代行区間の落合駅が統計対象外)。釧路ー根室間のいわゆる花咲線区間の利用の落ち込みが顕著であることが分かる。右列の5駅は全て花咲線区間だし、中列の糸魚沢駅以下も花咲線区間である。同区間で平成27~令和元年統計で利用者が10人以上となっているのは(東釧路、)厚岸、茶内、落石、東根室、根室の各駅。

・富良野線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
該当なし 鹿内 3人以下 該当なし
学田 10人以下
富良野線はむしろ他の「本線」より運行本数が多い。各駅の利用者も多い線区であることが分かる。

・釧網本線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
南斜里 2021廃止 中斜里 10人以下 樽浦 10人以下
南弟子屈 2020廃止 3人以下 北浜 10人以下
五十石 2017廃止 美留和 3人以下 止別 10人以下
細岡 1人以下 磯分内 10人以下 札弦 10人以下
茅沼 10人以下 釧路湿原 10人以下
塘路 10人以下
こちらも利用者の落ち込みが激しい。釧路湿原駅は平成27年統計では期間限定営業のため原生花園駅共々統計から外されていたことを注記しておく。現状10人以上利用がある駅は桂台、藻琴、浜小清水、知床斜里、川湯温泉、摩周、標茶、遠矢である。

・石北本線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
生野 2021廃止 北日ノ出 2021廃止 伊香牛 10人以下
将軍山 2021廃止 白滝 10人以下
中愛別 10人以下 安国 10人以下
愛山 10人以下
中足間 10人以下
東雲 2021廃止
瀬戸瀬 自治体管理/3人以下
緋牛内 10人以下
西女満別 10人以下
瀬戸瀬駅は2021年以降駅が自治体の管理となった。旭川上川間の駅間が詰まっている区間でも利用者が少ない駅が多く実際そこから3駅の廃止が2021年に行われている。
また、上川~白滝~留辺蘂間の4駅(上白滝、旧白滝、下白滝、金華)も2016年に廃止されている。

・宗谷本線
1人以下 H23~27の10人以下 H27~R1の10人以下
下沼 自治体管理/1人以下 抜海 自治体管理/3人以下 多寄 10人以下
上幌延 2021廃止 勇知 自治体管理/3人以下
南幌延 自治体管理/1人以下 兜沼 自治体管理/3人以下
安牛 2021廃止 徳満 2021廃止
雄信内 自治体管理/1人以下 問寒別 自治体管理/3人以下
糠南 自治体管理/1人以下 佐久 自治体管理/3人以下
歌南 自治体管理/1人以下 咲来 自治体管理/1人以下
筬島 自治体管理/1人以下 恩根内 自治体管理/1人以下
天塩川温泉 自治体管理/1人以下 初野 10人以下
豊清水 2021廃止 智北 自治体管理/3人以下
紋穂内 2021廃止 智恵文 10人以下
南美深 2021廃止 瑞穂 3人以下
北星 2021廃止 下士別 2021廃止
日進 自治体管理/1人以下 東六線 2021廃止
北剣淵 2021廃止 蘭留 自治体管理/3人以下
塩狩 自治体管理/3人以下 南比布 2021廃止
北比布 2021廃止

相当数の駅が利用者の少ない駅となっている。自治体に維持管理をゆだねるか否かという選択を迫られる駅が相当多い。それもそのはずで利用者が10人以上ある駅が、稚内、南稚内、豊富、幌延、天塩中川、音威子府、美深、名寄、東風連、風連、士別、剣淵、和寒、比布、北永山、永山、旭川四条、新旭川、旭川と名寄以北は特急停車駅のみという有様である。