(JR留萌本線・留萌駅)
深川駅とキハ54形500番台気動車
JR函館本線・留萌本線が発着する深川駅。
特急「ライラック」「カムイ」「オホーツク」「宗谷」停車駅だが、利用客はさほど多くない。
深川駅路線図運賃表
改札口
向こう側4番線に、JR留萌本線キハ54形気動車が停車中
深川駅は3面4線。ホームがあるのは1・3・4・6番線。
6番線は留萌本線専用の短いホームだが、現在は留萌本線でも、ごく一部の列車でしか使用されない。
かつては、JR深名線(深川〜幌加内〜名寄間121.8km)も発着し、1995年(平成7年)9月4日の深名線廃止前は、6番線の奥にも多数の側線や転車台があったが、現在は全て撤去された。
深川駅発車時刻表。
函館本線は、普通列車(時刻表の黒文字表記)より特急列車(同赤文字表記)の方が本数が多く、旭川方面の下り普通列車は一日9本しかない。
留萌本線は、一日7本のみ。
4番線ホームへ。留萌本線の深川始発・留萌行きの下り一番列車が発車待ち。
留萌本線の極寒地用キハ54形500番台気動車
JR留萌本線は、全長50.1 kmの非電化単線の路線。「本線」を名乗るJR線の中では、2021年(令和3年)4月1日に路線の大部分(鵡川〜様似間116km)が廃止になり日本一短い「本線」になった日高本線(30.5 km)に次いで日本で2番目に短い路線。
留萌本線は、元々は増毛駅が終点だったが、2016年(平成28年)12月5日に、末端区間の留萌〜増毛間(16.7km)が廃止。
さらに、JR北海道は、現在残る深川〜留萌間についても、全線廃止・バス転換を表明。留萌市を除く沼田町、秩父別町、深川市の3市町が現在も部分存続を目指しJR北海道と協議中であるが、全線廃止はほぼ確実な情勢。
ドア横の曇り窓の部分は便所スペース
キハ54形気動車に乗車
酷寒地向けのキハ54形500番台は、デッキと客室が仕切られている。
昭和61年新潟鉄工所製
座席は、セミクロスシート
客室窓は小型の一段上昇式。酷寒対策の二重窓。
内側の二重窓を閉めた状態。通常は冬期以外は上部に上げておく。
扇風機スイッチ
冷房は無く、扇風機のみ。
扇風機には、JRの前身の国鉄(日本国有鉄道)のロゴマーク(JNRマーク)が残る。
北海道向けキハ54形500番台のドアは、片開きの引き戸
車内は転換クロスシートとロングシート。通学時間帯の混雑緩和のため、一部クロスシートがロングシート化された。
乗務員スペース
運転台
デッキのドア横には便所を設置
便所内。以前は垂れ流しの和式便所だったが、その後、タンク式の洋式便所に改装
便所内の窓は内側に僅かに開く。
便所内の手洗器
転換式クロスシート。キハ54は座席と窓の区割りが合っていない。
深川から留萌へ
JR留萌本線、深川発・留萌行き普通列車、午前5時44分 深川(ふかがわ)駅を発車
留萌本線下りの始発列車。
普通列車だが、石狩沼田駅、峠下駅、大和田駅以外は停車せず実質上、快速並み。
北一已(きたいちやん)駅を通過
単行気動車は、田園風景の中を走り抜ける。
ひんやりした夏の朝の風
秩父別(ちっぷべつ)駅を通過
北秩父別(きたちっぷべつ)駅を通過
木造待合室に短い板張りホームの簡素な駅。下り列車2本、上り列車4本しか停車しない。
雨竜川橋梁を渡る。
石狩沼田(いしかりぬまた)駅停車
木造待合室に短い板張りホームの真布(まっぷ)駅を通過
恵比島(えびしま)駅を通過
恵比島駅にある木造駅舎は、実はかつてこの駅が舞台になった1999年NHK朝の連続テレビ小説「すずらん」撮影用の建物であり、
本当の駅舎は、撮影セット用建物に隣接する、貨車(ヨ3500形車掌車)を改造した簡素なもの。
テレビドラマ内では「明日萌(あしもい)」駅を名のっており、撮影セット用の駅名標も残る。
かつて、恵比島駅から昭和駅まで留萠鉄道炭礦線(るもいてつどうたんこうせん、17.6km)が結んでいたが、1971年(昭和46年)4月15日に全線廃止された。
また、JR留萌本線は全線廃止協議中であるが、石狩沼田(又は恵比島)〜留萌間については、地元自治体もバス転換を容認し、廃止が事実上確定している。
恵比島峠を超える。
峠下(とうげした)駅停車
留萌本線で唯一の交換駅
留萌発・深川行き上り普通列車と行き違い。上りの一番列車。
キハ150形気動車
2006年(平成18年)までは、峠下駅〜幌糠駅間に「東幌糠駅」があった。
幌糠(ほろぬか)駅を通過
貨車(ヨ3500形車掌車)の廃車体を再利用した駅待合室
1990年(平成2年)までは、幌糠駅〜藤山駅間に「桜庭駅」があった。
藤山(ふじやま)駅を通過
留萌川に沿って、留萌を目指す。
大和田(おおわだ)駅停車
駅舎は、貨車(緩急車)の廃車体を再利用したもの。
留萌市街に入り留萌川を渡ると、間もなく終点・留萌駅
午前6時36分、終点・留萌(るもい)駅到着
かつては、駅名は「留萠(るもい)」と表記していた。
かつて、観光列車・快速「SLすずらん号」が、深川〜留萌〜増毛間を走っていた頃は、2番線も使用されていた。
留萌駅は、2面2線ホームの駅だが、現在、列車は、全て1番線に発着し、2番線への跨線橋は閉鎖されている。
留萌駅は有人駅だが、改札業務は駅員が居る8時45分〜 16時20分のみで、時間外は無人駅になるため、運転士が切符回収や運賃収受等を行う。
現在は使用されていない2番線ホーム
行先サボは取り付けられていない。
旭川運転所所属の「キハ54-503」
閑散とした留萌駅。広いホームに1両きりの気動車。
増毛方面を望む。
留萌駅から16.7km先の増毛(ましけ)駅までの末端区間は、2016年(平成28年)12月5日に廃止になった。
留萌駅は、国鉄・羽幌線(留萠〜幌延間141.1km、1987年(昭和62年)3月30日廃止)や、天塩炭砿鉄道線(留萠〜達布間25.4km、1967年(昭和42年)7月31日廃止)、留萠鉄道臨港線(留萠港から石炭や木材積み出しのための貨物線で、北岸線と南岸線を有していた。1941年(昭和16年)国有化。現在は全て廃止)も分岐していた駅で、広い構内を有していた。
留萌駅時刻表。発着は一日7本のみで、このうち留萌本線の全部の駅に停車する列車は一日2本しかない。
1967年(昭和42年)に建てられた、現・留萌駅の駅舎
※2021年(令和3年)夏