京成3400形は1993年から登場した京成電鉄の通勤形車両。
諸事情で走行劣化の少なかった初代AE形スカイライナーの機器を流用し、3700形の風貌を普通鋼で新造するなど、色々と趣のある車両となっている。そして、2021年現在、その見た目に反して実質的に京成車両の最古参でもある。
京成3400形超概説
3400形は1993年から登場した通勤形車両です。
制御装置や主電動機などの主要機器は初代AE形のものを再利用し、車体は大栄車両で新造された普通鋼車体を使用しています。
尚、初代AE形で採用されていた定速機能は撤去、京急線内乗り入れのために先頭電動車化など、必要に合わせた通勤車改造が施されています。
3400形は1993年の登場ですが、主要機器が初代AE形のものなので、3400形の実質的な車齢を考えるときは、初代AE形の登場年である1972年から計算する必要があります。
諸元
製造年 | 1993年~1995年 |
製造数 | 5編成40両(1編成8両) |
MT比 | 6M2T |
車体 | 普通鋼 |
台車 | S形ミンデン式ボルスタ付台車 |
最高速度 | 110km/h(営業運転)、130km/h(設計) |
加速度 | 3.3km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常) |
制御方式 | 電動カム軸式抵抗制御、界磁チョッパ制御 |
全長 | 18,000mm |
全幅 | 2,760mm |
全高 | 4,050mm |
見た目は3700形ですが、3600形と大差のない性能です。起動加速度・減速度・車両寸法等は都営浅草線・京急線の規定をクリアしており、直通するためには必要十分条件を満たしたカタログスペックです。
運用
8両固定編成ということもあり、京成本線・都営浅草線・京急本線・京急空港線の優等種別を担当していますが、成田スカイアクセス線のアクセス特急は担当外となっています。
ちなみに、2020年10月3日開催のイベントで成田スカイアクセス線を走行した実績はあります。
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ただし、このイベントでの走行実績のみで、営業運転には就いたことはありません。
デザイン
外観は3700形に非常に似ています。カラーリングはライトグレーを全体に纏い、京成のイメージカラーであるフューチャーレッドとヒューマンブルーの帯を施しています。
登場時はスカートが無く、3448編成で初めて装着したことを皮切りに、全8編成でスカートを装着しました。
車内風景については、オンタイム様(個人サイト様)とStyle-Train Graphics-様(個人サイト様)にてお楽しみください。
京成3400形編成表
記号 | 意味 |
CHP | 界磁チョッパ |
CP | 空気圧縮機 |
< > | シングルアームパンタグラフ |
M | 電動車 |
T | 牽引車 |
c | 制御車 |
←京成上野・日暮里・押上 | 成田・成田空港→ | |||||||||
8両編成 | CP | CHP | MG | CHP | CP | MG | CHP | CP | 機器供出元 | 備考 |
< > | > | < > | ||||||||
M2c | M1 | T | M1′ | M2 | T | M1 | M2c | |||
3408編成 | 3408 | 3407 | 3406 | 3405 | 3404 | 3403 | 3402 | 3401 | AE10編成 | 廃車(2020年) |
3418編成 | 3418 | 3417 | 3416 | 3415 | 3414 | 3413 | 3412 | 3411 | AE20編成 | |
3428編成 | 3428 | 3427 | 3426 | 3425 | 3424 | 3423 | 3422 | 3421 | AE50編成 | |
3438編成 | 3438 | 3437 | 3436 | 3435 | 3434 | 3433 | 3432 | 3431 | AE60編成 | |
3448編成 | 3448 | 3447 | 3446 | 3445 | 3444 | 3443 | 3442 | 3441 | AE70編成 |
関連リンク
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参考資料
『鉄道ピクトリアル No.787 2007年3月号臨時増刊 【特集】京成電鉄』 株式会社電気車研究会