青春18きっぷ21夏「JR東海 三重県内乗り鉄」①名松線編 | あぁるびぃの勝手にオフレボ探検隊

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8月連休に頑張って休日出勤をして

月末の乗り鉄に備えたのに

コロナウイルスの影響で幻と消えた

『伊予灘ものがたり~夏風鈴・季夏編~』

まぁ、結局その代休はワクチン副反応で会社を休むという

非常に残念な使い方になってしまいましたが。

 

そんな“急性貧鉄症”が発症した休日ガーン

ふらっと、未乗車路線の乗り潰しに出かけた。

もちろん青春18きっぷでの乗り鉄です。

ただ、三重県内も「緊急事態宣言」発令中雷

いくら県内移動とは言えHOT ZONEである

北勢地域へ出かけるメリットは無い。

それに〈関西本線〉加茂→亀山→名古屋は

乗車済み

 

という訳で近鉄で・・・近鉄沿線民なので仕方がない。

【伊勢中川駅】手前の中川短絡線を越え

鉄道マニア名物!?[中川デルタ線のスーツ看板]

を横目に、乗って来た五十鈴川行き急行は

JR線との乗換駅【松阪駅】に到着。

近鉄線の料金精算のため駅を出ます。

近鉄ICカード可JRICカード不可なのです。

まぁ、この先のJR線は18きっぷを使うんで一緒ですがw


JR側の中央口に出てみる。

全盛期は貨物の取り扱いもしていただけに

多くの職員が居たであろう、校舎の如く巨大な

鉄筋コンクリート製

ちなみに近鉄側北口はこじんまりとした駅です。

 

駅前は百貨店が廃業し、目抜き通りの商店街は

シャッター街と化し寂れ感が漂います。

大型店は皆国道23号・42号沿いに移動したため

駅周辺は空洞化やむなし・・・

 

そんな【松阪駅】を起点に青春18きっぷ

JR線の乗り鉄スタートです。

 

三重県において

JRと近鉄の力関係は火を見るより明らかで

平行在来線区間では

ほぼ一方的に近鉄がJRを

フルボッコにしています。グー

 

そんな【松阪駅】から出ている

86年前に全線開通すらできず

永遠の未成線となり果てたのが

これから乗るJR東海〈名松線〉です。

松阪を出て美杉を通り、青山高原を迂回し

名張へと向かい、最終は奈良県の桜井まで

延伸する予定で張・阪を結ぶという事で

〈名松線〉と名付けられました。

 

ところが後の近鉄参宮急行電鉄」が

さっさと青山高原をぶち抜くトンネルを掘り

ほぼ直線の軌道を引いてしまいます。

しかも電鉄と名の示す通りの電化路線

オマケに軌道は高速化できる標準軌

〈名松線〉が使っていた蒸気機関車では到底

走破できない33パーミルの急こう配も

当時から800馬力最高速度110km/hの電車

距離半分速度3倍の差をつける路線が完成

そしては〈名松線〉は名張への延伸を中止

山奥でひっそり途切れる盲腸線が出来上がり

以来永遠の未成線となったのでした。

 

その〈名松線〉に三重県在住ながら初乗車。

せめてもの罪滅ぼしに!?駅弁を購入。

元祖特選牛肉弁当1500円です

駅弁の掛け紙は選ぶことが出来るようで

おばちゃんから「どれがいい?」と聞かれ

選んだのは、今年JR東海から姿を消したDD51

紀勢本線をフルコンで走る雄姿を撮影したもの

このお弁当は終点の伊勢奥津で

折り返しの発車待ちの間に食べます。

跨線橋を渡りホームの案内に導かれ

〈名松線〉に割り当てられた5番ホームに降りる

そこには“列をなしていない列車”が停車中。

 ワンマン 普通 9:38 伊勢奥津 キハ11気動車

さすが青春18きっぷのシーズン

いかにもな雰囲気の乗客がBOXシートに

座っています。

BOXシートは諦めロングシートに座る。

向かいには、ばーちゃん家に行く母子連れ。

 

定時に【松阪駅】を発車し10分程

伊勢自動車道の高架をくぐると〈名松線〉

要素は消滅し、終点【伊勢奥津駅】までは

三重県の県庁所在地『津市』に入ります。

車窓に一度離れていった近鉄大阪線の

架線が見え始めると【一志駅】

近鉄の【川合高岡駅】までの距離は

100数メートルですが乗換駅の位置付けは無し

東京駅の夢の国に行く路線とはえらい違いだね。

まぁ、そもそも乗り継ぐ人も居ないけどな・・・

 

出発して40分弱列車は全線の6割ほど進み

〈名松線〉唯一の列車交換駅【家城駅】に到着

ここで松阪行きと列車交換です。

全線単線の〈名松線〉はこの駅でないと

行き違いできないのでこの先に進める列車は

各方面1列車のみ。

通常は、指令所からの列車位置情報や信号で

自動化されて運行している自動閉塞方式ですが

この〈名松線〉ではJR唯一票券閉塞が残り

そしてJRグループ全体でも2路線しか現存しない

スタフ閉塞が残っている路線です。

【家城駅】が唯一有人駅なのは

この列車の運行を可能にする操作を人が

制御する方式を取っているため。

半世紀前のシステムを、新幹線を運行している

JR東海がいまだに残している・・・

それほど〈名松線〉に投資したくないのでしょう。

 

運転手から通標を受け取り駅員が駅舎へ入り

通標を機械にセットし、線路を開通させて

出発の合図をし列車は先に進みます。

【家城駅】を出ると路線は[雲出川]の源流に沿って

進んでゆきます。

林業がメインの上流部には民家も少なく

水は非常に奇麗です。

川に沿ってくねくねと、そして時折橋を渡り

平均速度が23km/hという徐行運転で

終点の【伊勢奥津駅】に到着。

奥に見える筈の蒸気機関車の給水塔も

すっかりヤブガラシに覆われ緑のオブジェ

そして、ひっそり佇む駅舎。

駅横の観光案内所兼交流館も

コロナの『緊急事態宣言』で休館中

往年の姿を今に伝える写真

そんな末端の駅を眺めつつ【松阪駅】で買った

駅弁を食べます。

そして、折り返し松阪行きの出発時間。

ここまで乗車してきたキハ11-303号は

【松阪駅】へと来た路線を戻って行くのでした。

 

JR東海でワースト1の赤字路線〈名松線〉

5年前、台風による災害で7年近い運休から

全線復旧したものの

旧美杉村地区の高齢化と人口減少は

運行継続に赤信号が点いたままです。

地元からは観光列車を走らせるという動きも

あるようですが観光の目玉になるものが・・・

 

そして、運営のJR東海は未だ国鉄の負の遺産を

年間50億近く支払い続けています。

民営化以降1路線すら廃線路線を出していない

とは言え、このコロナ禍での収益悪化は

何かしら影響がでてもおかしくはない状況です

【松阪駅】に貼られていた〈名松線〉PRポスター

 

さて【松阪駅】に戻ってきた後は②参宮線編です