えきねっとリニューアル記念で Web限定「大人の休日パス」が発売されることになったので、3年ぶりにパスを使った旅行を計画した。新型コロナウィルス蔓延のため観光や撮影はせず、ひたすら鉄道に乗りまくろうと考えた。パスは東日本スペシャルを利用して三泊四日の日程だ。行き先はこれまで訪れたことのない三陸海岸方面に決めたが、旅行の行程はいろいろ悩んだ。さらに、9/11 の会津若松発新津行きの「SLばんえつ物語」のグリーン席が確保できたので、新潟まで足を伸ばす計画となった。
 今回パスの発売のきっかけになったのは「えきねっと」のリニューアルだが、大人の休日(倶楽部)の利用についても変更があった。パスは前日までに購入しなければならないので、これまでは前日までにJR東日本の指定席券売機(またはみどりの窓口)を訪れなければならなかった。しかし、今回からはえきねっとで前日までに購入しておけば、旅行当日の受け取りが可能になった。住まいの近くにJR東日本の駅(指定席券売機、みどりの窓口)が無い場合、二度手間にならなくて便利になった。もうひとつの変更点は、指定席の予約の仕方だ。これまでは指定席の予約は一般と同じで、発券時にパスを使って指定席券を発券していた。変更後は、えきネットで予約の段階で「大人の休日(倶楽部)パス」予約後の専用画面で申込みする必要がある。これまでのように一般と同じに予約してしまった場合、パス用に変更が出来なくなった。利用する方からすると予約の自由度は減ったが、新しい予約方法の方が本来のかたちだ。

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 旅行初日は東北新幹線で仙台に向かい、仙石線、石巻線、気仙沼線を乗りついで柳津に移動する。そして、柳津から気仙沼線BRT、大船渡線BRT を乗り継いで、今日の宿泊は大船渡だ。
 小田急多摩線の初発急行に乗車して新宿に向かう。普段だとそれなりの乗客がいて小田急永山あたりで席は埋まってしまうが、乗客は少なく多摩線内では空席があった。

 小田急多摩線/小田原線 急行 / 唐木田 5:59 → 新宿 6:39 
 小田急8000形電車 / 8060F(4両) + 8000形6両 
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 新宿駅で小田急線から JR中央線快速に乗り換えだが、乗り換え改札を利用しないで一度改札を出た。昨年できあがった東西自由通路を見てみたかったからだ。8年がかりの工事でようやく完成して、東西通り抜けが便利になり、駅構内もだいぶすっきりした。この完成により、京王、小田急から連絡口経由で東口改札を通ることが出来なくなった。

 中央特快 564T / 新宿 6:44 → 東京 6:58 
 JR東日本E233系電車0番台 / T-34編成(10両/JR東日本/豊田車両センター)
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 東京行きの中央線快速電車はそれなりの乗客がいたが、お茶の水で車内はがらがらになった。中央線快速電車はグリーン車を2両増結するため各駅でホームの延長工事が行われているが、完成までにはまだだいぶ時間が掛かるようだ。

 東京駅 / JR東日本(東京都/千代田区)
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 今回乗車するのは「こまち5号」を併結した「はやぶさ5号」で、前日えきねっとの座席表をチェックすると、まだ窓際にも空席がある状態だった。通常だと、「大人の休日(倶楽部)パス」利用期間のこの時間帯の東北新幹線下りはいずれも満席だが、今年は状況が全く違う。新幹線ホームも閑散としている。

 東北新幹線「はやぶさ」5号 / 東京 7:32 → 仙台 9:04 
 JR東日本新幹線E5系電車 / U-45編成(10両/JR東日本/新幹線総合車両センター)
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 仙台までの乗車時間は1時間半で、あっという間に到着した。仙台駅ビルを訪れたことがあるが、鉄道で仙台駅を利用するのは初めてだ。今回は乗り換え時間が少ないので改札の外には出ていない。
 新幹線の中でも案内があったが、東北本線・仙台-長町間で人身事故があり、東北本線(常磐本線)上り、仙台空港アクセス線が止まっているということだ。東北本線下りと石巻線は定時運行中だということなので、これからの行程に影響はない。

 仙台駅 / JR東日本(宮城県/仙台市)
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 気仙沼線BRT に乗車する柳津に向かうには東北本線の小牛田で乗り換えるのが便利だが、時間に余裕があるので石巻経由で向かう計画を立てた。石巻へ向かう最短路の仙石東北ラインという愛称の路線は、塩釜まで東北本線を走り、その先の接続線を経由して高城町の手前で仙石線に入る。
 仙石線・東北本線接続線は、石巻方面への所要時間短縮のため震災後の復興事業として建設された。仙石線と東北本線の電化方法が違い、かつ付近にデッドセクションを設ける場所がなかったので、接続線は電化されず、仙石東北ラインは新型ハイブリッド気動車で運行されることになった。
 石巻行きの特別快速は、石巻発快速の折り返し運転だが、到着が大幅に遅れていた。入線してきたのは発車予定時刻の 9:25 で、降車、乗車を済ませ3分遅れで出発した。

 仙石東北ライン 特別快速 5521D 
 / 仙台 9:28(定刻 9:25)→ 石巻 10:14 
 JR東日本HB-E210系気動車 / C-4編成(2両/JR東日本/小牛田運輸区)

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 仙石東北ライン用に開発された新型ハイブリッド気動車「HB-E210系」は非常に快適で、快調に東北本線を走行した。ダイヤに余裕があるせいか塩釜には定刻に到着した。塩釜を発車して右手に海が見えてくると、仙石線と併走して走るようになる。一旦見えなくなるが、再び右手に近づいてくるとまもなく接続線だ。平面交差となっていて、一旦上り線に入りすぐに接続線に入る。
 ずっと内陸を走るが、陸前富山-陸前大塚間だけ海沿いを走る。陸前富山から陸前小野にかけてが震災の被害が大きかった区間で、陸前富山-陸前大塚間は既設線のかさ上げが行われ、陸前大塚-陸前小野間は高台に移設された。

 石巻駅 / JR東日本(宮城県/石巻市)
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 石巻での乗り換え時間は20分あまりなので、駅前や駅構内をぶらぶらした。3番線の改札近くに仮面ライダーとサイボーグ009 のオブジェがあったので、石巻が石ノ森章太郎の出身地かと思ったが、後で調べると隣の登米市(旧石森町)が出身地だった。しかし、中高生時代に石巻市の映画館に通っていたため、石巻市を第二の故郷としていたようだ。
 小牛田行き石巻線の普通列車はキハ110系2両編成だった。赤いラインの入った「陸羽東線用塗色」で、実際に見るのは初めてだ。見慣れているキハ110系だが、塗装が違うと新鮮に感じる。

 石巻線 普通 1630D / 石巻 10:36 → 前谷地 10:55 
 JR東日本キハ110系気動車200番台 / 112-213 + 111-213(JR東日本/小牛田運輸区)

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 二両編成の車内はがらがらなので、ほとんど乗客のいない後ろの車両に座り、東京駅で買ったサンドウィッチを食べた。この区間はずっと田園風景が続き、20分ほどで気仙沼線との乗換駅の前谷地に到着した。

 前谷地駅 / JR東日本(宮城県/石巻市)
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 前谷地では、小牛田から気仙沼線に直通する柳津行き普通列車に乗り換える。乗り換え時間は4分しかないが、同一ホームでの乗り換えなので問題なかった。乗り換えの乗客には仙台から一緒だった人が何人かいて、多分目的地は同じと思われる。到着した列車にも乗客は乗っていて、キハ110系一両編成なので車内はそれなりに賑わっている。

 気仙沼線 普通 2927D / 前谷地 10:59 → 柳津 11:21 
 JR東日本キハ110系気動車100番台 / 110-103(JR東日本/小牛田運輸区)
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 柳津駅ではホームをそのまま進むと BRT 専用乗り場に続いているが、今日は自動運転の実証実験のため、一般の BRT 乗り場は駅ロータリーのバス停になっていた。関係者の数も多く、その後定期運用の車両との別のバスが専用乗り場に向かって行った。

 柳津駅 / JR東日本(宮城県/登米市)
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 2011年3月11日に発生した東日本大震災では気仙沼線全線が不通となった。同年4月29日には前谷地-柳津間が復旧したが、残る区間の損害は甚大だった。膨大な復旧費用が掛かり、運行後も大幅な赤字が予想されるため、地元の協議の上バスによる転換ということになった。
 BRT(バス・ラピッド・トランジット)とは、バスを基盤とした大量輸送システムで、日本語ではバス高速輸送システムとも呼ばれる。明確な定義はないようだが、日本ではバス転換による鉄道の廃線跡を利用した専用道路を利用するかたちと、一般道を走行するが専用レーンを設けたり連結バスを利用して運行しているものをさしているようだ。
 2927D から降車した乗客のほとんどがバス停に並び、柳津からの乗客は12名だった。今日から「大人の休日パス」が利用開始で、明日まで「青春18きっぷ」が利用できるので、それらを利用した観光客がほとんどのようだ。バスは回送で発車20分前にロータリーの一角に到着したが、バス停に入線したのは約4分前だった。日射しも強く暑いので早めに乗車を開始してくれてもいいとも思うが、時間についても細かな決まりがあるのだろう。

 気仙沼線BRT 普通 1935K / 柳津 11:44 → 気仙沼 13:31 
 JR東日本 Y537-12514 (宮城200 か 2228) 
 / 日野 ブルーリボン LNG-HU8JMGP (2012年) 
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 気仙沼線BRT のバス事業者は JR東日本だが、運行に関する業務は地元のミヤコーバスに委託されている。車両はハイブリッドのノンステップバスで、都心の車両と同等だ。この車両は左前輪の上にも座席があったので、その場所が空いていたので座った。高い位置にあって危険なので、運転手からしっかり座るように注意された。しかし、最高の展望席だ。
 自動運転実証実験のため、柳津での乗り場変更とともに、4/26~9/30 の間、柳津-陸前戸倉間は専用道を走行しないで一般道へ迂回運行いている。

 車窓  陸前戸倉(国道45号線から専用道路に入る)
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 南三陸町志津川地区では旧市街と、高台に移転された役場と住宅地を経由するので、専用線は建設されずに一般道を走る。沿線の町並みは一から町を作り上げている途中で、震災の被害で町が消滅してしまったのがうかがえる。

 車窓  志津川(一般道に入り、志津川、病院前、中央団地を経由する)
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 志津川中央団地を過ぎると、再び専用道路に入る。新しく造られた道路や橋りょうもあるが、トンネルは昔のままのようなので、ほぼ鉄道のルートに専用道路は造られているようだ。ほとんどのバス停に待合室があり、バス接近案内システムも完備されているようなので、鉄道時代より利便性は上がっていると思う。

 車窓  桜川(専用道路に戻り桜川を渡ると清水浜)
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 陸前小泉付近は海と河口が近いため被害が大きかったようで、専用道路は盛り土され、一般道路は高架となっている。立派な橋りょう上を走り、付近には巨大な防潮堤が作られているので、元の地形がどうなっていたか見当も付かない。

 車窓  陸前小泉(交差するのは国道45号線で、奥の高架は三陸自動車道)
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 本吉では3分間の停車時間がとられていて、乗務員の交代が行われた。駅の外にはミヤコーバスの営業車が駐まっていて、ここまでの乗務員がその車に乗り込んでいった。すぐ近くにミヤコーバス津谷営業所があるようだが、車で行き来しているので他の営業所の所属なのだろうか。

 車窓  本吉(乗務員が交代)
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 大谷海岸駅は今年3月28日にリニューアルオープンした道の駅大谷海岸構内に設けられている。敷地のかさ上げと防潮堤によって災害対策が行われるとなっているが、海沿いの場所なので何かと心配になる。

 車窓  大谷海岸(道の駅大谷海岸)
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 大谷海岸と陸前階上の中間あたりから専用道路が整備されているが、現在は使用しないで国道を走っている。L2津波時に避難が困難ということで、JR東日本としては本吉-陸前階上間をもっと内陸のルートへ変更を希望していたようだ。平成27年6月5日の気仙沼線沿線自治体首長会議の議事録に記載されていたが、その後どうなったのかは分からない。膨大な費用が掛かるので、なかなか難しいだろう。そうしたわけで、現在は陸前階上から専用道路に戻った。

 車窓  陸前階上(専用道路に戻る)
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 ここからの区間は住宅地を走るので、道路との交差が多い。車道との交差は信号となっているが、赤になっている専用道路は感応式で、バスが来るとまもなく青に変わるようになっている(交差する道路が赤になる)。歩行者道路との交差部分には信号はない。

 車窓  松岩(バス停などで、交換が行われる)
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 専用道路を進むとまもなく右側に待避所があり、バスが一台停車している。後で分かるのがだ、このバスが私が乗る盛行きの BRT だ。右手にカーブすると左手から線路が近づいてきて、併走するようになる。まもなく気仙沼駅だ。
 バスは、定刻にBRT 専用バス停に到着した。本来だとこの降車した場所から盛行きが発車するはずだが、BRT は駅前ロータリーから発車すると案内があった。専用道路を横断して、駅舎を通り抜けて駅前ロータリーに向かう。

 気仙沼駅/ JR東日本(宮城県/気仙沼市)
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 気仙沼駅前の観光案内所前のバス停に、大船渡線BRT 乗り場の標識があった。時刻表は足下に置かれていて、分かりづらい乗り場だ。気仙沼線BRT でやって来た人の多くが乗り換えるのかと思ったが、乗り継いだのは4名だけだと思われる。ほとんどの観光客は市内観光に向かったのだろうか。
 車両は此所まで乗ってきた車両と同型で、同じ席が空いていたので左側の一番前に座った。気仙沼からの乗客は7名で、定刻に出発した。気仙沼線BRT はミヤコーバスに運行委託していたが、大船渡線BRT は岩手県交通に運行委託している。

 大船渡線BRT 普通 1337F / 気仙沼 13:39 → 大船渡 15:01 
 JR東日本 Y537-13501 (岩手200 か 1801) 
 / 日野 ブルーリボン LNG-HU8JMGP (2013年) 
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 本来、気仙沼-鹿折唐桑間は専用道路で運行されるのだが、新駅設置工事のため 9/1~9/30 まで一般道へ迂回運転が行われている。そしてその先、気仙沼鹿折ICから桑原小原木ICまで二区間は三陸縦貫自動車道を走行する。高速道路ではなく自動車専用道路で、国道45号線のバイパスの役割を持っている。

 車窓  三陸縦貫自動車道(気仙沼鹿折IC → 桑原小原木IC間を走行)
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 国道45号線に戻り唐桑大沢を過ぎると、まもなく岩手県陸前高田市に入る。長部を過ぎるとバスは国道を離れ、高台に造られた新しい住宅地に向かう。陸前今泉は東日本大震災の集団移転による今泉団地周辺の利便性向上を目的として一般道上に新しく設けられたので、元々鉄道駅があったわけではない。バスは気仙沼線BRT の志津川地区と同じように、市内の主要地区を回っていく。

 車窓  陸前今泉(今泉団地周辺の利便性向上のため2020年3月14日開業)
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 次のバス停は「奇跡の一本松」で、高田松原にあった松の高木が津波に耐えて一本残ったところだ。松は枯死後も保存されている。津波浸水域にあり、道の駅と東日本大震災津波伝承館を含め、付近一帯は高田松原津波復興祈念公園として整備されている。計画では此所での見学を考えていたが、新型コロナウィルス感染症対策として道の駅以外は閉鎖されているとのことだったのであきらめた。

 車窓  奇跡の一本松(道の駅高田松原、東日本大震災津波伝承館に隣接)
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 高台に主要公共施設が移転し住宅地の整備が行われているが、津波被害を受けた平野部低地はほとんどが工事作業中だ。道路も頻繁に付け替えが行われているようで、まだまだ復興には時間が掛かりそうだ。また、バス路線沿線にも震災遺構が残されていて、後世に津波の恐ろしさを伝えている。

 車窓  陸前高田市・震災遺構(旧道の駅高田松原、下宿定住促進住宅)
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 小友の少し手前から専用道路に入るが、小友のすぐ先で一般道に迂回する。専用道路は終点の盛まで繋がっていてそこを走るのが本来のルートだが、大船渡市内の岩手県道230号線との交差点の拡幅工事のため、9/1~10/13間は小友-地ノ森間で一般道への迂回運転をしているとのこと。

 車窓  小友(この短い区間だけ専用道路を走る)
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 迂回の一般道として県道38号線を大船渡に向かうが、道路幅が大型路線バスが走るには狭い部分もある。また、大船渡市街地に近づくと交通量も増えるので、天候や時間帯によっては遅延が発生してしまうだろう。

 車窓  細浦(道路工事のため、小友~池ノ森間は一般道を迂回走行する)
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 バスは大船渡駅のロータリー内のバス停に定刻に到着した。専用道路上の駅(バス停)が隣接していて、現在の乗り場がロータリー内のバス停だという旨音声で案内されている。
 立派なロータリーでタクシーの乗り場とバス停があり、大船渡市防災観光交流センターと大船渡プラザホテルが隣接している。新型コロナウィルス対策のため大船渡市防災観光交流センターは閉鎖中で、時間的なせいか人の姿は見えない。施設が立派なだけに、人の気配がないのに違和感がある。

 大船渡駅 / 大船渡線BRT(バス・ロータリー内に停車)
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 当初の計画では東日本大震災津波伝承館等を見学するつもりだったので、予定より二時間半早く大船渡に到着した。大船渡市防災観光交流センターは閉鎖中で行くところもないので、伝えてある到着時間はだいぶ早いが一応チェックイン時間は過ぎていたので、とりあえずホテルにチェックインをした。
 コロナ禍なので外食は避けたいので、調べておいた近くのスパ-パーマーケットで食料の調達をした。ホテルから近く食料品も豊富だったので、この選択は良かったと思う。
 今日は BRT で移動するだけになってしまったが、旅行として充実した一日となった。東日本大震災から10年が経過し、どこか遠くでの出来事のように感じるようになってしまったが、実際に被災地を見てみると(バスの中からだが)、非常に大変なことが起こっていたのだと実感した。そして、まだまだ復興の途中だということもわかった。



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