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鉄道会社の系列病院 実は誰でも受診可能

みなさんは、鉄道会社の系列病院をご存知ですか?

たとえば、JR北海道は本拠地たる札幌に病院を構えています。JR東日本は、東京と仙台に病院を持っています。私鉄だと、やはり東京に東急電鉄の病院があります。

JR東日本の仙台病院。仙台駅西口から徒歩数分の好立地

鉄道病院は誰でも受診できる 他会社の鉄道マンでも

この鉄道会社の系列病院ですが、「その鉄道会社の社員等しか利用できない」と思っている人がいるかもしれませんね。

しかし、それは誤りで、病院は一般解放されています。JR東日本の病院は、JR東日本およびグループ・関連会社の社員しか利用できない……なんてことはなく、JR東日本とは無関係の一般市民も受診できるのです。そういう意味では、そのへんの病院と同じです。

JR西日本の大阪鉄道病院。天王寺駅や近鉄の阿部野橋駅からすぐ

誰でも受診できるということは、鉄道マンが自社系列の病院ではなく、ライバル鉄道会社の病院を使ってもOKなわけで……。

たとえば、名古屋にはJR東海と名古屋鉄道の病院がありますが、JR東海社員が名鉄の病院に駆け込んでもよいのです。「自社の病院があるのに、なぜ他社の病院に行くんだ!」と責められることはありません。名鉄の病院の受付で『JRグループ健康保険組合』の保険証を出したら、「自分とこの病院に行け!」と追い返される、なんてこともありません。

たぶん。

名古屋鉄道の名鉄病院。ご覧のように駅のすぐそばにある

私の身内に医療関係者がいますが、「病院ごとに得手不得手っつーもんがあるからね」とのこと。ですので、なんでもかんでも自社系列の病院にかからなければいけなかったら、逆に社員には不利益になってしまいます。

まあ、わざわざ他社の病院に行くと、「自社の病院には知られたくないことが何かあるのか?」と穿った目で見られるかもしれませんけど(笑)

【余談】中国の偉い人が日本の病院まで来る理由

完全に余談ですが、中国の偉い人がわざわざ日本(他国)の病院まで来るのは、別に日本の医療レベルが高いからではない、という話を聞いたことがあります。

自国(中国)の病院にかかって、もし何か重大な病気が見つかれば、共産党に通報されるかもしれません。「アイツは重い病だ」と知られれば、影響力が落ちてしまいます。そうならないよう、わざわざ他国の病院に行くのだとか。

真偽は知りませんが、さもありなんという感じ。

病院まで持っている鉄道会社は少ない

すみません、話が逸れました。

なお、すべての大手鉄道会社が病院を持っているわけではありません。むしろ、病院がない方が一般的。調べた限り、2023年10月現在、自社系列の病院を持つのは以下の鉄道会社だけです。

  • JR北海道(札幌市)
  • JR東日本(仙台市・東京都渋谷区)
  • 東急電鉄(東京都大田区)
  • JR東海(名古屋市)
  • 名古屋鉄道(名古屋市)※会社直営ではなく、名古屋鉄道の健康保険組合が運営
  • JR西日本(大阪市・広島市)※広島病院は、会社直営ではなく医療法人が運営
  • JR九州(北九州市)※会社直営ではなく医療法人が運営

まあ鉄道業界に限った話ではないですが、(医療法人ではなく)企業が病院を持つケースというのが、そもそも稀ですからね。

病院がなくても社員の健康管理を行う施設はある

ただし、病院を持たない鉄道会社でも、自社内に診療所や健康支援センターを設けています。社員の健康診断や健康相談、生活指導、はたまた医学適性検査(=特定の職種に必要な検査)などを行います。

特に、鉄道の運転業務に携わる社員は、法令や社内規則で定められた身体要件を満たさなければならず、会社は社員の心身状態をしっかり把握しておく必要があります。鉄道の運行を裏から支える、重要な施設です。

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