十勝へ。2022年春のダイヤ改正で十勝・釧路地方から引退するキハ40形【北海道✴鉄道巡り③】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(酷寒地向けキハ40系気動車 @根室本線 帯広駅)



★過去記事↓↓↓





札幌→帯広(特急とかち)
札幌駅から、特急「とかち7号」で札幌から帯広へ。
(札幌18時40分発→帯広21時20分着)

キハ261系特急形気動車








ヘッドマーク

貫通扉の小さな窓は、以前は乗客の立ち入りができ前面展望を楽しめたが、現在は衝突事故時の安全確保等のため立ち入りできなくなった。




空いている車内で、乗客は思い思いの寛ぎタイム



札幌駅構内で購入した駅弁、札幌駅立売商会の「三大蟹弁当」

ずわい蟹、たらば蟹、花咲蟹の3種のかにめし


札幌(さっぽろ)駅を発車した特急「とかち7号」は、新札幌(しんさっぽろ)、南千歳(みなみちとせ)、追分(おいわけ)、新夕張(しんゆうばり)、占冠(しむかっぷ)、トマム(とまむ)、新得(しんとく)、十勝清水(とかちしみず)、芽室(めむろ)、帯広(おびひろ)の順に停車していく。札幌から帯広までの所要2時間40分。

千歳線の南千歳駅から石勝線へ。

追分駅を過ぎると列車は長い山間部に入る。
石狩地方と十勝地方を隔てる深い山々が続く新夕張〜占冠〜トマム〜新得間は特急列車しか走らない区間で、「とかち7号」は各駅に停車するが、新夕張〜新得間だけで距離が89.4kmあり約1時間を要する。列車は街灯もない真っ暗な山中を延々と走り抜ける。
山間部は、野生のエゾシカなどの野生動物が多数出没する区間で、列車は幾度も急ブレーキをかける。

やがて、日高山脈を超える新狩勝トンネル(5810m)内の上落合信号場で、富良野方面からの根室本線(※東鹿越〜新得間は災害のためバス代行中であるが富良野〜新得間廃止協議中のため復旧見込みなし)と合流。
ここから新得までは石勝線と根室本線の重複区間(ただし単線)。
新得からは、十勝平野をフルスピードで終点・帯広へ。



帯広駅到着
21時20分、終点・帯広(おびひろ)駅1番線に到着

高架ホームの帯広駅




隣の2番線には、21時32分発の根室本線下り普通列車 浦幌行きが発車待ち。キハ40形気動車の単行。

JR北海道のキハ40形気動車は、今もサボを使用

帯広駅は島式ホームが2つの2面4線。1・2番線ホームと3・4番線ホームは行き来できず、一旦ホーム下の改札を出なければならない。

夜の帯広駅にキハ40形が勢揃い。2番線のJR北海道色、3番線の国鉄首都圏色(タラコ色)4番線の国鉄一般気動車標準色(ツートン色)







4番線から21時27分帯広始発の根室本線上り普通列車 新得行き発車。国鉄一般気動車標準色。

2021年度(令和3年度)は、「釧路〜白糠 開通120周年」「花咲線全通100周年」「釧網本線全通90周年」「石勝線開通40周年」の4つの線区で「周年」を迎える記念の年。
これを記念し、JR北海道釧路支社は、キハ40形気動車2両(キハ40-1766、キハ40-1759)を「国鉄一般気動車標準色」に塗り替え、運行開始。
かつて北海道内各線区で活躍した「キハ22形」等の国鉄一般気動車標準色が復活した。

JR北海道色と、国鉄首都圏色のキハ40形が並ぶ。

また、JR北海道の首都圏色キハ40形のうち、釧路運輸車両所所属の「キハ40-777」「キハ40-1749」「キハ40-1758」の3両は、以前に国鉄首都圏色(朱色5号)に復元された。
このうち「キハ40-777」は既に引退し、現在、「国鉄首都圏色」は、釧路運輸車両所所属の「キハ40-1749」「キハ40-1758」の2両が活躍を続けている。


しかし、根室本線・新得~帯広~釧路間の国鉄型キハ40形気動車は、2022年(令和4年)春のダイヤ改正で、54本の列車全てが一気に新型H100形電気式気動車に置き換えられ、同区間のキハ40形気動車は全て姿を消す。



釧路運輸車両所所属のキハ40形気動車。所属略号は「釧クシ」。





21時32分、根室本線 帯広始発 浦幌行き 普通列車発車




首都圏色のキハ40形は回送列車へ。



酷寒仕様のJR北海道のキハ40形は、小さな二重窓で、車内はデッキと客室が仕切られており、他のJR各社のキハ40形とは大きく異なる。
側面はかつてのキハ22形気動車を彷彿させる。


回送列車として、帯広運転所に向け発車





静まり返った夜の帯広駅改札口





翌朝(帯広→新得)

帯広駅



3番線ホームへ。
午前7時21分、池田始発・新得行き、上り普通列車が帯広駅に到着

キハ40形気動車の単行

JR北海道色の「キハ40-1772」

1両きりの気動車の車内は、通学の高校生で混雑


昭和55年新潟鉄工所で製造された車両

帯広から高校生がさらに乗り込み、車内の座席はほぼ埋まる。



苫小牧運転所から釧路運輸車両所に転属してきたキハ40-1772。所属略号は前所属先の「札トマ」のまま。






根室本線 普通列車 新得行きは、
多くの高校生で座席がほぼ埋まった状態で、
午前7時30分帯広(おびひろ)駅を発車


柏林台(はくりんだい)駅で、さらに高校生が乗車。JR北海道の都市部を除く普通列車の利用者は、ほぼ学生と観光客で占められている。現役世代の殆どは自動車移動で、普通列車を利用する者は殆どいない。

JR北海道帯広運転所を過ぎ、
西帯広(にしおびひろ)駅で、約半数の高校生が下車


大成(たいせい)駅で、残りの高校生がほぼ全員下車し、車内は閑散状態に。

窓を開けると、夏でもひんやり冷たい朝の風

窓の開閉用つまみ

JR北海道のキハ40形の側窓は酷寒仕様の二重窓。 一段上昇式窓の内側には、冬期用の防寒窓があり、冬期以外は上げている。一番内側には日除けロールカーテン。

 
天井の扇風機はクールファンに換装。冷房は無い。


クールファンの作動スイッチ




芽室(めむろ)駅
新得発帯広行き下り普通列車と行き違い。向こうは国鉄首都圏色+JR北海道色のキハ40形2両編成。

国鉄首都圏色キハ40-1749




座席は、国鉄時代からの青色モケット


ボックスシートの窓側足元には配管が通っている。



畑作が中心の十勝平野





上芽室(かみめむろ)信号場


御影(みかげ)駅



廃駅・羽帯(はおび)駅付近を通り過ぎる。

平野川(ひらのがわ)信号場を過ぎ、

午前8時16分、十勝清水(とかちしみず)駅に到着。
8時32分まで16分間の停車。

酷寒形キハ40形の車内


窓は、JR他社のキハ40形と比較すると、サイズが小さめ。

荷物棚


窓際には小さなテーブル

内側にある冬期用の二重窓を閉めた状態。二重窓は全開(一番下まで下げる)か全閉状態(一番上に上げる)のみ。両端のレバーは、冬期以外の全開時に、二重窓がすとんと上から落ちてこないようにするための引っ掛け。

二重窓を全閉にした(下げた)状態

衣類掛けと、クールファンの操作スイッチ



左右一か所だけにある二人掛けボックスシート。窓も小窓。

ロングシート部分の座席番号プレート

ロングシート

右側は便所スペース。便所入口はデッキ側にある。


酷寒仕様のキハ40形は、客室とデッキが仕切られている。


セミロングシートの車内

旧型客車のような一段上昇式の窓

デッキの乗降用扉



デッキのドア横に便所がある。

デッキにある便所入口扉

和式便所



便所内の手洗器

便所内の曇り窓

便所内の窓は、僅かに内側に開く。

乗務員室

助手席側

運転席

十勝清水駅で、上り特急列車を先行させる。

午前8時27分発、特急「おおぞら2号」札幌行き

普通列車はのんびりと。






昭和55年新潟鉄工所製
















新得駅。ホームに隣接する側線に留置中のキハ40形気動車が連なる。




到着すると係員がすぐにサボを入れ替える。


午前8時41分、終点・新得(しんとく)駅到着




(続く)