何年か前に六甲の山中を歩いていたら偶然トロッコの台枠のようなものを見つけました。
六甲山は激しく風化した花崗岩で形成されていて“まるで砂山”と言われるくらい崩れやすく、過去に幾度も大きな災害が引き起こされました。その為に行政による治山事業が盛んで、このトロッコは其の治山工事に使われたトロッコの一両ではないかと思われます。
一般的な登山道ではない為に場所を記すことは出来ませんが
彼の頚城鉄道の国宝級のナロー鉄道車両たちも人知れず同じこの六甲の山中に何十年も保存されていた事を考えると言い知れぬロマンを感じます。
トロッコを見つけた時の状態
付近に線路は見当たりませんでしたが
スポーク輪心の車輪にあるフランジや簡易カプラーを見て取れるので軌道の上を複数両連ねて走っていたのは間違いないようです。
放置されたトロッコの傍にはドーム状の物置のようなものも確認できます。
ドーム様に見えたのは入り口のアーチでした。
中にはスチール製のパイプのような物が積まれています。
沢の岩の中に埋もれたほうの車輪や車軸は腐食が進んでいるので、かなり前からこの付近に放置されているものと思われます。
付近の地形から見て一般的な軌道を敷設するのは不可能なようで、おそらくこのトロッコを牽く動力車はなく、ワイヤをウインチのようなもので巻き上げて工事資材を運んでいたのかも知れませんが、六甲の山中でこのようなトロッコがゴロゴロと動いていたことを想像すると本当に興味深いですね。
最後まで御覧戴いて ありがとうございました。