前日から宿泊したホテルは無味乾燥ではあるものの、疲れを癒すには
十分だった。何と言っても客室にマッサージチェアが置いてあり、使い放題
というのは大きい。
無料朝食で栄養を採り、防府駅へ向かった。
今日は元気な瀬戸内海を見に行こう。
しかし、今日はDLやまぐち号の運転日。興味本位で指定券などみどりの窓口で
リクエストしてみたら・・・。
取れました。1時間後にはまんまと35系客車、車内の人です。
それにしても、限定トリスのさわやかな酔い心地。こんな楽しい時間を余計に
楽しくしてくれます。ハワイではない。津和野へ行こう!
今日はDE10重連運転の最終日。本来の牽引機DD51は車庫で夕方までお休み
です。同時に、この列車を撮ろうと、多くの剛の者が沿線に集結しているという
情報も飛び込んで来ました。
SLのドラフト音は無いが、懐かしい旧型客車の旅を最新の施設で楽しむ。
何と言っても冷房がありがたく、リズミカルなジョイント音と共に快適な旅。
列車は仁保駅に到着し、跨線橋からハイアングルの撮影を楽しめる。
なんとやまぐち号とパトカーが並走。沿線の追っかけ撮影者の指導警戒と
共に、青色赤色の車内補充券を持参して列車を追従する。
低い音量で「スーパーカブオリジナルサウンドトラック」を聞きながら乗車
していたが、パトカーの出現と共に;礼子が富士山にカブで登る時の音楽が
流れ始めたのには少々ニヤリとしてしまった。
峠をゆっくり登るDLやまぐち号、薄暗い森の景色、時折除く山間の集落の景色が
とても心を癒してくれる。ゴトンゴトンとゆっくり響くジョイント音も良い。
それにしてもコロナ渦。車内は満席だが、徹底して雑談を控えている。
静かな車内に薄暗い雰囲気。もう長距離鈍行列車の雰囲気そのままではないか。
言葉は悪いが、コロナ渦が生んだノスタルジーじゃないか。
峠を登り切った地福駅では停車時間を利用して、エンジンを冷やしている。
ディーゼル機関車でもさすがに峠はきついのだ。
終着津和野に向けて、小柄ながら勇ましい前頭を見せる。
しかしながら思うのは、進行方向に向けて90°横向きになりながらこの勾配を
登り切り、2時間以上も走り続ける機関士のコンセントレーションである。
こうして車窓左に大鳥居を眺め、定時で津和野へ到着した。
DE10は客車を1番線に仕舞い、しばしの休息である。