上り列車にだけ設定され、朝のラッシュ時に運転されている小田急のモーニングウェイ号。
確実に着席できる列車として、遠方から都心部へと通勤する方に利用されています。

運転される時間帯や本数が限られるモーニングウェイ号ですが、停車駅を見てみると興味深い点に気付かされます。

モーニングウェイ号はどんな列車なのか

朝の上り列車のみが運転されるモーニングウェイ号は、2018年3月17日のダイヤ改正で登場しました。
ロマンスカーを使用する有料の着席列車となっており、それまでもさがみ号やえのしま号で運転されていたものを、分かりやすくするためにモーニングウェイ号としてまとめたものです。

東京メトロの千代田線に乗り入れるメトロモーニングウェイ号も含めると、現在のダイヤでは平日に11本、土休日に9本が運転されており、午前9時30分までに新宿や大手町に到着する列車が対象となっています。
停車駅や始発駅は列車によって異なっており、展望車も充当されるものの、30000形や60000形が活躍の中心です。

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通勤需要が減少したことで、以前よりは倍率が下がっていると推測されますが、確実に着席して通勤することが可能なため、朝早くから大人気の列車となっています。

モーニングウェイ号の工夫された停車駅

3時間程度の限られた時間帯に運転されるモーニングウェイ号ですが、始発駅や停車駅を見てみると、様々な観点で工夫されていることが分かります。

平日のモーニングウェイ号は、5時57分に相模大野を出発する列車から始まります。
2本目も相模大野始発で、3本目以降は本厚木、秦野と続きます。
面白いのが始発駅の発車時刻で、6時前後に集中して出発しているのです。
つまり、どの始発駅でも同じような時間に乗ることができるようになっています。

そして、その後の停車駅にも工夫があり、都心に近い駅から出発する列車ほど停車駅の割合が多く、遠方から出発する列車は終点に近付くほど停車駅が少なくなります。
モーニングウェイ72号等は、海老名を出発すると新宿までノンストップで、遠近分離をして各停車駅で平等に着席の機会が得られるようになっています。

時間帯が後ろになると小田原始発の列車もありますが、JR東日本の東海道線やJR東海の東海道新幹線を利用する方が多いからか、設定されている本数は少なめです。
後半は停車駅も少しずつ増えていき、モーニングウェイ60号で朝の着席列車は終わります。

若干本数が減るものの、土休日にも多数のモーニングウェイ号が運転されています。
しかし、平日とは違って秦野始発の設定がなく、その分小田原始発の時間が少し早くなっていることが特徴です。
ほとんどの列車は本厚木始発で、いくつかの停車駅パターンで都心部に向かうのが平日と異なる点となっています。

列車密度が高い朝のラッシュ時に、均等に乗客を集めつつ都心に向かうようになっていることが、工夫された停車駅から分かりますね。

おわりに

すっかり朝の着席列車として定着した小田急のモーニングウェイ号。
出勤のスタイルが変わりつつある中、今後どのような展開をしていくのかも気になるところです。