いささか旧聞に属する話題かも知れませんが、神田神保町のランドマークといえる、駿河台下の三省堂書店神保町本店が、来年3月末で一旦閉店するそうです。
何でもビルの老朽化に伴う建替えのためだそうで、私などは新築の店舗という印象を持ち続けていましたが、もう築40年なんだそうです。
4月から解体工事に入り、新しいビルは2025年~26年の完成を予定しているといいます。
私にとって気がかりなのは、来春以降の仮店舗が未定であること、新しいビルの完成後について、「本の街・神田神保町にふさわしく、今後も多くのお客様に愛される新・神保町本店を検討して参ります」と同社のプレスリリースにはありますが、果して現在と同じだけのボリュームの売り場となるのかということです。
何しろ三省堂書店神保町本店といえば、全国の三省堂書店の「旗艦店」というだけでなく、神保町書店街の「旗艦店」でもあります。神保町には他にも、書泉グランデ、東京堂書店という大型書店がありますが、この2店はどちらも独自の品揃えが売り物です。この2店があれだけ冒険できるのも、あらゆるジャンルの本を万遍なく集めた三省堂書店あればこそです。そんな、「エースで四番」みたいな本屋さんが、一時的にせよなくなってしまうのは、神保町書店街にとっては「ピンチ」といえましょう。また、新しい本店が今より小さなお店になってしまったら、これまた神保町全体に及ぼす影響は大きいでしょう。
神保町に出かけても、鉄道書だけを買って帰るのであれば、実は三省堂書店がなくなってもそんなに影響はないでしょう。しかしまあ、その他のジャンルの本も探している方であれば、三省堂には必ずお世話になっていることと思います。私も、2階で文庫と新書の新刊をチェックし、4階で歴史関係の専門書を眺めています。また4階には古書店も入っていまして、こちらも要確認です。(この4階には鉄道書コーナーもありますが、こちらはまあそれ程規模は大きくありません)
そしてもう一つ、三省堂書店の地下1階にあるビアレストラン「放心亭」のゆくえも気になるところです。私はビール党ではないのですが、このお店では、「ホッペル」「にしんのリンゴ酢漬」なんかを肴に、ドイツビールを飲むのが常でした。(最近は残念ながらコロナ禍でご無沙汰しています)上の書店でサイン会が開かれた際の打ち上げはここですることが多かったようで、お店の壁には名だたる作家たちのサイン色紙が並んでいます。「放心亭」が新しいビルにも入ることを切に願う次第です。
今回は鉄道の話題とは言い難いのですが、神田神保町を見つめるというのも当ブログのテーマの一つですので、ご了承いただければ幸いです。