わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

(13)18席のみ! 豪華すぎるグリーン車で羽越本線を南下【最長片道切符の旅2021】[羽後牛島→坂町]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅7日目の前半の様子をご紹介していきます。

 

2021年8月9日(月)7日目①

この日は宿泊していた「快活CLUB秋田牛島店」を午前7時前に出発。最長片道切符のルートで言うと秋田駅の一つ隣、羽後牛島駅よりスタートします。

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コインランドリーしゃぼん茨島店

乗車する予定の列車までまだ少し時間があるので、ちょうど良いところにあったコインランドリーで洗濯物を片付けます。空き時間でこのようにコインランドリーに立ち寄りながら…というのもこの長旅の大変なところで、半分ウトウトしながら無事に洗濯をし終えました。

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羽後牛島駅

それでは改めて、羽越本線羽後牛島駅より7日目の旅がスタートです。

7日目はまず羽越本線で坂町まで南下し、その後は米坂線へと入り米沢へ、そして奥羽本線へと乗り換え山形を目指します。

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窓口も券売機も全てホーム上にある

余談ですがこの羽後牛島駅というのはなかなか面白い構造をした駅で、島式1面2線の地上ホームに列車が発着するのですが、みどりの窓口や券売機等の設備が全て駅舎内ではなくホーム上に存在するのです。駅の東西は地下通路で結ばれており、その地下通路の途中から階段を上がるとこのホームへとたどり着きます。おそらくこの駅の真下を通る地下通路が街を分断することのないよう、あえて手狭ながら駅の設備を駅舎内ではなくホーム上に集約しているのでしょう。

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日本海側も701系づくし

さてそれでは、羽後牛島9:15発の羽越本線 酒田行に乗り込みます。何とも中途半端な駅からのスタートではありますが、逆に一つ戻ってしまうと余計に運賃が発生するので大人しくここから乗り込むことにします。

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羽後本荘に到着

羽越本線というと東北日本海側を走る主要幹線で、かつては寝台特急あけぼの・日本海トワイライトエクスプレスなどそうそうたる列車が駆け抜けていきましたが、今や優等列車特急いなほ号のみ。それも多くの列車が新潟~酒田駅間での運行となり、残りの酒田~秋田駅間では1日3往復しか特急の運行がありません。今回この区間普通列車で移動しているのには、特急料金の節約という意味もありますが、それ以前になかなか時間の合う特急がないのです。

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羽越本線でも海が見える

昨晩の五能線に続き、この羽越本線でも一部区間では海が見えるのですが、この日はあいにくの曇天という感じでした。701系はオールロングシートなのでなかなか角度的に海を眺めるのも大変で、一瞬海が見えたと思ったら再び木々に隠れてしまったりします。

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鳥海山

一方で海側だけでなく陸側を見ても素晴らしい景色が広がっており、吹浦~遊佐駅間では鳥海山も望むことができました。最長片道切符の旅がスタートしてからここまでいくつか有名な山を見てきましたが、どれも本当に素晴らしいものです。

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酒田駅に到着!

羽後牛島を出てから約2時間、11:06に終点の酒田駅へと到着です。気づけば山形県へと突入していました。

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リニューアルされた酒田駅

新潟~秋田駅間を直通する1日3往復のいなほ号以外は普通・特急とも全列車がこの駅を始発・終着としており、羽越本線の運行上重要な駅となっています。駅舎は2年前に来た時からかなり変わっており、かつての国鉄風の駅舎から落ち着いた色の綺麗な駅舎へと生まれ変わっていました。

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「東京方面」はなかなか大胆な案内

酒田駅より南は特急の本数がぐっと増えますので、ここから特急に乗る…かと思いきやここでは乗らず、1本前の11:45発普通列車鶴岡行で鶴岡まで先回りし、特急は鶴岡から乗車します。この理由は後で説明します。

ちなみにこの酒田駅の発車標、上り列車のところが「羽越本線」と「陸羽西線」だけならまだしも、酒田駅に直接乗り入れてはいない「上越新幹線」「山形新幹線」まで書いてあって、しかもどちらにも「東京方面」と書いてあるの、初心者からしたら相当なトラップですよね。こんないかにも在来線しか来ないような地上駅に2種類もの新幹線が来るのか…?と勘違いしてしまいそうです。

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右が鶴岡行

再びホームへ降りると、3番線には鶴岡行の列車が停車中。さっそく乗り込み、定刻通り酒田を出発です。

酒田~鶴岡駅間は30kmほどしかなく、所要時間は30分ほどの距離です。途中の余目では陸羽西線で新庄方面への接続があり、鉄道ファンらしき人の多くがそちらへ乗り換えているようでした。陸羽西線は時間帯によっては酒田まで乗り入れることも多いですが、この列車に関しては余目での乗り換えが必要だったようです。

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鶴岡で乗り換え

12:16に普通列車の終点である鶴岡駅へと到着。ここで4分の接続の後、酒田の発車標で見た特急へと乗り継ぎます。

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いなほ号入線!

そしていよいよ、この日いちばん楽しみにしていた特急いなほ号が入線! 鶴岡12:20発の特急〔いなほ8号〕新潟行です。坂町まで約1時間乗車していきます。

車両はかつて常磐線の特急〔フレッシュひたち〕で活躍していたE653系パステルカラーに生まれ変わり、羽越本線で第二の人生を送っています。

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葉っぱキメます

今回は贅沢にも、グリーン車利用させてもらいます。「何だ寝泊まりする場所はネットカフェのくせに」とか思うかもしれませんが、このいなほのグリーン車は一度乗ってみたかった憧れの設備でもあるのです!

列車は定刻通りに鶴岡を発車。予約していた座席へと向かいます。

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これがいなほのグリーン車

こちらが夢にまで見た、快適すぎるグリーン車と話題の「E653系いなほグリーン車」です! 秋田寄りの1号車に18席のみ設けられており、画像からは分かりにくいかもしれませんがとにかく前後の間隔がめちゃくちゃ広いのが大きな特徴です。ヘッドレストは少し低い位置にあるように見えますが、可動式なので好みの高さに調整すれば問題ありません。

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二つ折の大きなテーブル

あまりにも前後の間隔が広すぎるため、背面テーブルはなくインアームテーブルのみです。肘掛けから出てくるこのテーブルは二つ折になっており、広げるとかなりの大きさになります。背面テーブルと遜色ない使い勝手で、むしろ座席の横幅いっぱいに渡すように広げるのでかなり安定します。

各座席にはコンセントも設置されており、やや古い車両ながらこれはグリーン車ならではといえます。

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もはやグランクラス

今回、幸運にも号車の一番後ろの座席を押さえることができたので車内を見渡してみると、ご覧の通り。座席は1+2列の豪華配列で、東日本のグリーン車でこのような余裕のある造りはなかなかありません。あまりにも座席の前後間隔が開いているためか、各座席の後ろには木の板が設置されており、後ろに気兼ねなく座席をリクライニングすることができます。

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ギリギリ100km未満

さて、それでは今回の特急券の券面を見ながら、何で私が今回酒田からではなく鶴岡から乗車したのかをご説明していきます。

いなほ号グリーン車を鶴岡から坂町まで利用した場合、特急料金が950円、グリーン料金が1,050円で合計ちょうど2,000円です。自由席ならば半額以下の950円で乗れると考えると割高に見えるかもしれませんが、グリーン車なのでそこは仕方ありません。それよりも、この料金を頭の片隅に置いておいた上で、注目すべきは鶴岡~坂町駅間が91.4kmでギリギリ100kmに満たないという点です。

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約1,000円ずつ上がる

ここでJR東日本の在来線特急グリーン料金表を見てみます。「自由席特急料金にいくら足せばグリーン車に乗れるのか」を示したのがこちらの表ですが、基本的に300kmまでは100kmごとに値段が約1,000円ずつ上がっているのが分かります。

鶴岡~坂町駅間は91.4kmなのでグリーン料金は1,050円ですが、酒田~坂町駅間で乗車しようとすると118.9kmになり、グリーン料金は倍の2,100円となります。また途中の余目にも列車は停車しますが、余目~坂町で乗車した場合も106.7kmということでギリギリ100kmをオーバーするためグリーン料金は2.100円となります。すなわち坂町で下車する場合、いなほのグリーン車は鶴岡から乗車するのが最も賢いということになるのです。今回わざわざ鶴岡からいなほに乗車したのはこのためだったのです。

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ラウンジもある

そうと決まれば、限られた時間でグリーン車を満喫するほかありません。いなほ号グリーン車は座席だけで十分快適なのですが、もし長時間の乗車で体が疲れたという時には、車内に簡単なラウンジスペースも完備しているため、ここで流れゆく景色を眺めながらくつろぐこともできます。

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つや姫おむすび

そんな快適な車内で、お昼ご飯に買ってきたのは「日本の食」29品目となる山形県のブランド米「つや姫」を使用したおにぎり(123円)です。酒田駅改札外のNewDaysで購入することができました。正直言ってしまうとブランド米の味の特徴を伝えられるほどまだ私の舌は肥えていないのですが、とにかく美味しかったことは確かです。地域のブランド米を手軽におにぎりで味わえるのは何だかいいですね。海苔を使っていないので、お米本来の味を噛みしめることができました。

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「ミルクケーキ」と「酒田むすめ」

その他にも酒田駅構内では、2種類のご当地の味をゲット。「日本の食」30品目はおしどりミルクケーキ(9本入230円)、31品目は酒田むすめ(140円)です。ミルクケーキは山形県発祥のお菓子で、「ケーキ」とは名がつくものの袋から取り出してみると薄くて硬い板状のお菓子であることが分かります。ものすごく美味しい商品というよりは、昔懐かしいおやつといった感じでしょうか。私は好きですが、人によって好みが分かれるような気がしました。

酒田むすめは、その名の通り山形県酒田市の定番土産で、バター風味の生地であんを包んだ和菓子です。味はいろいろあるようですが、今回は「やきいも」をいただきました。上品な優しい甘さで、お茶が欲しくなる味です。

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今川駅付近

次第に列車は南下していき、日本海のすぐそばを走る区間へと入っていきます。この辺りは国道345号線と並行して素晴らしい眺めが続き、曇り空ではありますがオーシャンビューを満喫できます。ところどころに海水浴場もあり、多くの人で賑わっているようでした。

またこの辺りでは、少し海が見えたと思ったらすぐにトンネルへ入り、また少し経ったら海が見え…という様に変化していきます。それほど自然環境の厳しいところに線路を敷いているのだということがよく分かります。

youtu.be

そして村上駅が近づいてくると、何と一瞬車内の照明がが消灯し空調も停止します。これは村上駅の北側にあるデッドセクションを通過するためで、ここで電力方式が交流から直流に変わります。多くの電車は交流または直流のどちらかの方式にのみ対応しているだけのことが多いですが、E653系は交直流のどちらでも走れるようになっており、こうしたハイテク車両が特急いなほ号の運行を可能にしているというわけです。

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坂町に到着

そして鶴岡から1時間と少々、13:27に列車は坂町駅に到着。いなほ8号はこの後も終点の新潟を目指し羽越本線白新線を走っていきますが、ここから先は米坂線へと乗り換えるため私はここで下車します。

ということで、7日目の前半は羽後牛島から坂町まで羽越本線普通列車と特急を乗り継いで南下してくると同時に、素晴らしく広いいなほ号グリーン車を利用してみたという感じで進めてまいりました。この先は米坂線奥羽本線へと進んでいきますが、その様子はまた次回ご紹介していきます。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。