△8619Fの廃車で9割が東急線上から消えた8500系。一方で譲渡組は置き換えの気配無し。


エイプリルフールに忽然と発表された8500系非軽量車の製品化。今更GMからの製品化はあり得ないと踏んで鉄コレを着実に増備していた矢先に起きたこの大事件は、8000系列の増備計画を全て白紙に戻すほどの破壊力で、そこそこの値段で取引されていた鉄コレは瞬く間に不良在庫と化したのでした。


▼製品情報

・品番31506 東急電鉄8500系(8615編成・黄色テープ付き)基本4両編成セット

・品番31507 東急電鉄8500系(8615編成・黄色テープ付き)増結用中間車6両セット


どうして記念すべき非軽量車編成第一弾を編成組み替えによって非軽量車比率が下がった8615Fにしたのかは疑問ですが、入手が比較的容易なGMから非軽量車が発売されたことは喜ぶべきでしょう。



後述しますが、誰しもが期待していなかった6〜9次車と10〜12-2次車の作り分けが遂に実現し、10〜12-2次車特有の車側灯周りのコルゲートが連続した姿が再現されたことは評価に値します。



☆前面

屋根のRが異なる以外はほぼ同じなので、軽量車のパーツを使い回せるようにすると思いきや、新規のパーツが多いこと。


まず方向幕が光る。

表から貼るとこんなになります。

裏から貼ると程よい光加減に。(ただし光漏れ対策は必要)


☆側面


寸法の差はあれど、鉄コレとほぼ同一。強いて言うなればガラスパーツはGMの方が透明なので良いのではないでしょうか。鉄コレは所詮オモチャですから。


☆車側灯周り

△6〜9次車

△10〜12-2次車


遂に車側灯周りのコルゲートの差異を再現した商品が出現しました。たったこれだけの作り分けをしたGMの本気度が伺えます。

鉄コレは10〜12-2次車の再現をしていないのでGMに軍配。


☆屋根

非軽量車はランボードが屋根全体に広がっています。

鉄コレと大差はありません。


☆クーラー

△RPU-2204

△RPU-2204A

非軽量車用のRPU-2204は当然ながら、統一感を持たせるためか軽量車用のRPU-2204Aも新規金型になりました。


☆ヒューズボックス

ヒューズボックスは4〜13次車と14次車以降で形状が異なります。(3次車以前もまた異なる)

そのため、非軽量車用に新たなヒューズボックスが付属しています。


が、軽量車用のヒューズボックスはSRアンテナのランナーに含まれる1両分のみ。

製品仕様だと非軽量車も軽量車も同じヒューズボックスを使うようになっているため、軽量車用が1両分付属するのは単なる偶然。このエラーは残念。

ただ、8000系を作る人には朗報で、軽量車でも12-3次車と13次車は非軽量車用のヒューズボックスを使っているので、そのまま使用可能です。



☆ジャッキアップポイント

これです。


今までKATOの7000系以外の全メーカー全商品で無視されてきた部分なので、しっかり再現したGMは良い仕事してますね。

(豊鉄1800系は印刷で再現)


妻面

3号車に入るサハ8900にはIRアンテナが設置済。

更に9号車に入るデハ8800用の増設貫通扉は別パーツ化されているため、編成組み換え時に自由度が高くなりました。

寸法が同じなので軽量車にも使えます。


☆車内

新床板で消滅した車端部の座席が、この製品から復活しました。

両端が別々のパーツになっている訳ではなく、1枚にまとめられています。

色が完全に鉄コレ笑



この製品から車両を組み替えて他の編成を組成しようとする人が一定数いると思うので、どの編成なら組めるのかを検証したいと思います。


加工無しで編成が組める条件は

①3号車が10〜13次車ではない

②編成中に10次車のデハ8700が含まれていない

③編成中に13次車が含まれていない

④デハ8600、デハ8500が10次車ではない


いずれの条件にも当てはまらない編成は組成可能です。


①に引っかかる編成は

8606〜8610、8617〜8626F


②に引っかかる編成は

8607〜8610、8615F(8615Fは組み替え前のみ)


③に引っかかる編成は

8606〜8610、8624〜8626F


④に該当する編成は

8630F


つまりいずれにも引っ掛からなかった

8601〜8605、8611〜8616(8615Fは組み替え後のみ)、8627〜8629F

が組成可能な編成になります。


組もうと思えば半分くらいの編成は組めますが、増結セットに軽量車3両とIRアンテナ付きサハを混ぜたおかげで、汎用性のある非軽量車が6〜9次車デハ8700と10〜12-2次車のデハ8800/サハ8900のみに。

基本1セットと増結複数セットを用意して組成変更可能なのは8611〜8615、8627〜8629Fのみ。

基本増結共に1セットのみで組成可能なのは8615、8627、8628Fのみになります。(いずれも組み替え後のみ)


上記の3編成以外を組みたい方は非軽量車比率の高い8606Fとか8614Fの製品化を待つのが無難です。

逆に8606Fと8614F以外の製品化はあったとして運次第なので、さっさと未塗装キットなり自由度の高い製品を出して欲しいところであります。


【9/9追記】

昨日8606Fの製品化が発表されました。

ただし少数派のサハ8947(13次車)に関する記載は特になく、現時点ではどこまで再現するか未知数の状況。

【11/10追記】 

サハ8947の張り上げ屋根は塗装表現となるようです。

IRアンテナの再現までは現状不明。




また、少数派の10次車デハ8700は8630Fを除いて5000系による置き換えと組み替えで廃車になっているので、製品化の可能性は低いのではないでしょうか。


張り上げ屋根の13次車も可能性はやや低いとは思いますが、人気の非常に高い8606Fに含まれているのが強いですね。鉄コレ同様に張り上げ屋根を無視して製品化する可能性が高いと思いますが、ひょっとしたら…?


シルバーの塗装は相変わらずなので、再塗装して1本仕立てようかと思います。