兵庫県の加西市と小野市を結ぶ北条鉄道は、旧国鉄時代のディーゼル車「キハ40-535形」1両の導入を決めた。1977年から製造されたキハ40形は、JR西日本管内では現在も走っているが、東日本管内ではほとんど残っていない。クリーム色がかった白と青の車体は鉄道ファンのノスタルジーを誘い、来年3月の運行開始を見込む同鉄道は、現行のカラーリングで走らせる計画だ。
同鉄道は昨年、法華口駅に行き違い施設を整備し、朝夕の増便を始めた。現在3両の車両を保有しているが、朝の通勤、通学時間帯などに2両編成で運行する際、上下線合わせて全車両を使用する。点検や故障時の対応のため、新たな車両の導入を決めた。
新型車両は費用面で購入が難しいため、秋田、青森県を走るJR東日本五能線で使用され、引退していたキハ40形を購入することにした。導入予定の車両は約40年間運行。五能線での定期運行が終了した今年3月には、多くの鉄道ファンらが別れを惜しんだ。
JR西日本管内で走行中のキハ40形の車体はオレンジ色などで、白青の車体は希少。新型コロナウイルスの影響が続く北条鉄道では、ファンの話題集めも狙っている。
車両の購入に関しては購入費用や運搬費、改造費用などの2600万円を加西市が助成。