間もなく8月も終わりを告げようとしていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?熱中症や夏バテなどに十分お気をつけ下さい。
今日は意外とウケが良い鉄道コラムをお送りいたします。
不定期に私の独断と偏見で厳選した鉄道車両を語る本シリーズ、今回は首都圏各地を駆け抜ける関東大手私鉄の通勤車両を取り上げたいと思います。※ボリューム満載な点はご了承下さい。
通勤通学やお出かけで何気なく乗る通勤車両、関西圏の私鉄車両の強いインパクトに比べ、関東の私鉄車両は控えめな印象(私個人の意見)・・・
ラッシュ時の乗降をスムーズにするため、昇降式の座席を採用した5扉車(京阪5000系)は奇抜なアイデア、写真はラッシュ時間外にドア部の座席を降ろしている状態
阪急電車の柔らかい座席は私のお気に入り音符
関西の私鉄車両は有料でも十分な座席の列車が追加料金無し(一部指定車除く)で乗れるから驚きキラキラお京阪のコンフォートサルーンにまた乗りたいぐすん
話が少し脱線しましたが、選定にかなり迷う関西圏の大手私鉄通勤車両は、気が向いた時に投稿させていただきます。
本題に入る前に関東の大手私鉄9事業者について軽く紹介させていただきます。
「東武鉄道」は1897年に設立、東京都・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県の1都4県を跨ぐ総営業キロ数463.3kmに及ぶ12路線を有する、日本の大手私鉄の中では南海電気鉄道に次ぐ老舗企業です。
「西武鉄道」は1912年に設立、1915年に池袋~飯能で汽車の運転を開始し、現在は東京都北西部と埼玉県南西部で総延長176.6Km12鉄道路線を有する鉄道会社です。
「京成電鉄」は1909年に東京から成田山新勝寺への参拝者の輸送の目的で設立された鉄道会社で、上野と成田を結ぶ京成本線・押上線のほか金町線や千葉線など総延長152.3km7路線を有する鉄道会社です。
「京浜急行電鉄」は1899年に大師電気鉄道として開業。電鉄会社としては京都市電、名古屋電気鉄道に次ぐ3番目の鉄道会社、京急本線 ・空港線 ・大師線 ・逗子線・久里浜線の総延長87.0km5路線を有します。
「東急電鉄」は1922年9月に設立された目黒蒲田電鉄と、1910年に設立された武蔵電気鉄道が前身の鉄道会社で、鉄道線99.9 km(第1種鉄道事業:96.5 km / 第2種鉄道事業:3.4 km)と軌道線(世田谷線)5.0kmの計104.9km7路線を有しています。
「京王電鉄」は1910年に京王電気軌道株式会社として設立、新宿から京王八王子・高尾山口を結ぶ京王線、渋谷から吉祥寺を結ぶ井の頭線をはじめとする6路線84.7kmの鉄道路線を有する鉄道会社です。
「小田急電鉄」は1923年5月に、小田原急行鉄道として創立、1927年に小田原線・新宿~小田原間82.8km(現在は82.5km)の営業を開始、小田原線・江ノ島線・多摩線の総延長120.5 km3路線を有する鉄道会社です。
「相模鉄道」は1917年に神中軌道として設立。首都圏の大手私鉄で唯一東京都内に自社路線を持っていない相模鉄道は「相鉄」とも呼ばれ、2019年11月30日からJR東日本との直通運転が開始、2022年度下期には東急電鉄などとの直通運転による東京・埼玉乗り入れが予定されています。総延長38.1Km3路線と規模は小さいながら、直通運転による沿線活性化など今後の躍進が注目されています。
「東京地下鉄」(東京メトロ)も関東大手私鉄事業者のひとつですが、過去に地下鉄編で取り上げたため、今回は対象外とさせていただきました。
地下鉄を介した相互乗り入れが発達し、複数社の車両が互いに行き交う関東の大手私鉄、東京メトロを除く8事業者から私が厳選した車両とは?!
ではどうぞご覧下さい。

【京王電鉄6000系】
まずひとつ目に選んだのは、私が鉄道ファンとなるきっかけになった車両「京王帝都電鉄6000系」です。
京王の名車というと引退後も地方鉄道で活躍を続けている“5000系”(上写真)や“3000系”を連想しますが、私にとっては緑色の古い車両が多かった京王帝都に新風を吹き込んだ6000系が名車だと思っています。
登場から50年以上経過した元京王5000系、富士急や伊予鉄、ことでんなど譲り受けた地方鉄道で廃車が発生しているが、まだまだ現役バリバリだ。
私がこの車両に惚れ込んだのは、アイボリーの車体に映える臙脂色の帯、前面の段違い窓や角張った書体のナンバープレートなど外観全般、独特の品があるモーター音、特急運用時のスピード感など数え上げるとキリがありません。
1972年5月23日に、京王線で京王帝都電鉄(現在の京王電鉄)6000系の営業運転が開始しました。
京王6000系は、京王電鉄初となる大型20m車体の両開き4扉車で、ワンハンドルマスコンなど新機軸が盛り込まれた車両で、その後京王電鉄が投入する通勤電車の標準型となりました。
将来的な京王相模原線延伸による多摩ニュータウンへの乗り入れや都営地下鉄10号線(都営地下鉄新宿線)相互乗入による、京王線の利用客増加が見込まれ、相当数の車両を準備する必要性が高くなり、製造費用や保守費用を抑えた新型車両として6000系が登場したのです。
1992年からスカート(前面下部の排障器)の取付を開始、1998年から6000系の廃車が開始するも、廃車を免れた編成は車内化粧板交換などの大掛かりな延命工事を施しながら、臙脂帯から2色の新塗装へ変更、2002年10月には全車新塗装に統一されました。
6000系車内
6000系5扉車 車内
架線からモーターへ送る電力を調整する制御方式が「抵抗制御」だった6000系は、2次車以降(6707F~)は半導体を用いた界磁チョッパ制御となり、ブレーキをかけた時に発生する電流を架線に返して他の電車が使用する「回生ブレーキ」も採用した事で省エネ化が図られました。
1972年から1991年まで304両が製造され、長きに渡り特急から各停(普通)まで幅広く運用に充当されましたが、8000系や9000系の登場によって1996年から廃車が進められ、2011年に全車両が引退、事業用に改造されたデワ600形も2016年4月に解体となりました。
1984年に6000系の車体をステンレス化した後継の7000系(写真中央・右)が登場、8000系の一部まで6000系の基本設計が受け継がれた。
1991年にはラッシュ時の乗降がスムーズとなるよう設計・製造された5扉車が登場。
2009年10月には6416Fが登場当時の塗装にリバイバルされました。
最後まで残った6000系2両編成のうち2本は、2011年1月14日から1月28日まで引退記念ヘッドマークを掲出して運転しました。
2011年2月1日から3月11日まで動物園線の6722編成5扉車に引退記念ヘッドマークを掲出してさよなら運転が行われました。
解体作業中の6722編成、皮肉な事に隣の7701編成より7年ほど新しい車両がスクラップの運命に・・・
京王重機で改造された6722と6772の両先頭車は、「京王れーるランド」で車掌体験(6772)と運転シミュレーター(6722)として再利用
長らく若葉台で保存されていた6438も京王れーるランドで保存展示、新塗装なのが玉に瑕ですが、保存されただけでも有難いと思っています。
私にとって永遠のオンリーワンの車両は京王6000系です。

【京成電鉄3000形】
二つ目は京成グループの新標準形式車両「京成電鉄3000形」をセレクト、交通バリアフリー法に対応した新設計の通勤形電車として製造されただけでなく、「京成グループ標準車体」として、京成グループの新京成電鉄や北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道でも同一の構造を採用した車両(新京成N800形、北総7500形、千葉ニュータウン鉄道9200形)を投入した点が選定した理由です。
新京成電鉄N800形
北総鉄道7500形
千葉ニュータウン鉄道9200形
2003年2月1日に営業運転を開始した京成3000形は、2002年から2019年にかけて326両を製造しました。
京成電鉄で初めて3色LED式の行先・種別表示機を採用、2009年度からはフルカラーLED(上写真)を導入、現在は全車フルカラーLED式の表示機となりました。
3000形の設計にあたり「環境への配慮」・「省エネルギー化」・「保守の簡略化」・「バリアフリー化」などをコンセプトに、「お客様と環境にやさしい車両」を目指しています。
外観デザインを一新し、バリアフリーや環境保全にも配慮すると共に、構体構造や客室内の構造、設備を簡素化し、主回路、空調などの各種システムを見直し、より一層のコストダウンを目指しました。
老朽化した3200形および3300形(上写真)・3500形未更新車を置き換えるために登場、鉄道ファンの間では3900形になるのではと囁かれましたが、初代地下鉄乗り入れ車と同じ3000形となり、車号が重複しないようハイフンを使った付番方法になっています。
2010年7月の成田スカイアクセス線開業に合わせて、空港アクセス用に仕様を変更した7次車3050形の運行が開始。
後継の3100形登場に合わせて空港アクセス用の帯色が変更されました。個人的には変更前の帯色の方が好きですね。
2018年12月のダイヤ改正で平日のみ三崎口駅まで乗り入れていた3000形は、主に普通列車の運用に充当される京成電鉄の主力車両となっています。
今年3月のお墓参りで久しぶりに乗車した京成3000形、改めて京成電車に乗ってお出かけしたいなぁぐすん

【相鉄12000系】
三つ目は2019年4月20日から営業運転を開始した、相模鉄道の12000系です。
選定理由としてはカッコいいからの一言に尽きます。先行して登場した20000系(上写真)がベースになっていますが、前面デザインは個人的に12000系の方が好きですね。
2018年の「20000系」に続き3例目となる
2019年度グッドデザイン賞を受賞した12000系は、2019年11月30日に開業した相鉄新横浜線および直通先のJR埼京線に乗り入れさせるために投入した車両です。
通常は池袋駅以北やJR川越線・東京臨海高速鉄道りんかい線に乗り入れない相鉄12000系、イベントでJR東日本 川越車両センターに出張した実績があります。
同時期に誕生した、東急線直通用20000系の外観を踏襲しながら、能面の1つである「獅子口」を手掛かりにデザインを構築し、前面デザインはより立体感のある、ダイナミックなフォルムとなりました。
JR埼京線への直通運転による、JR東日本のE233系7000番台(写真右)や、これをベースにした相鉄11000系とシステムを共通化しており、IGBT素子使用のVVVFインバータ制御装置や、140kW出力の自己通風形三相かご型誘導電動機(モーター)、車両情報統合システム「TIMS」を搭載しています。
20000系に準じた車内となっており、全体をシックなグレーで統一し、袖仕切りや荷棚などに大きなガラスを採用、座席は通常より座席を少し高くしたユニバーサルデザインシートとなりました。
握りやすい新形状の吊革を採用
一時期は採用を見送られた車内の鏡が20000系から復活、12000系でも採用されました。
相鉄では初となる車内防犯カメラなどが設置された12000系は、20000系の車内サイネージとは異なり、17インチワイドの液晶表示器を2個配置しており、見やすさが向上しています。
2020年6月6日には、瀬谷駅で車掌が開閉操作したドアと反対側のドアが同時に誤って開くトラブルが発生。ドアとホームドアを連動させて開ける装置の電気回路基板内にあった金属片による短絡でトラブルでした。
相鉄では金属片など異物の混入を防止する対策及び車掌スイッチの回路変更を行う予定としており、同様の事故が発生しないよう願うばかりです。

今回は以上です。
選ばれなかった車両の中でも思い入れある形式は数多く存在します。元々は通勤車両が好きだったので、どの車両も思い入れは強いですね。
基本的には機械的でモーター音がけたたましい古い車両の方が好きなんですよね。
私が好きな車両は大半が引退しましたが、これから私を虜にする魅力的な車両が現れるのか!?
私の通勤路線である西武池袋線・新宿線で活躍している西武2000系列、爆音モーターがたまらない車両ですが、敢えて地元路線の車両は外させていただきました。
置き換えが進む東急8500系も子供の頃から好きだった車両、気づけば残り4本となりました。(2021年8月25日現在)
今後は京急1500形の置き換えが・・・
新車ラッシュが落ち着きつつありますが、東急田園都市線や京浜急行で世代交代が進められます。コロナ禍で厳しい状況ですが、タイミングを見ながら撮影や惜別乗車を済ませておきましょうね。
相変わらず撮り鉄が起こすトラブルが絶えませんが、周りの住民や乗客・同業者、乗務員・駅員・警備員へ迷惑かけず、列車運行に支障きたさぬよう配慮してお楽しみ下さい。ホームで騒いだり駅員を恫喝して胸ぐら掴む奴、平気な顔して線路に入り列車の運行を妨害する異常な奴などは、社会に適応できないただのキチ害ですよ。社会勉強して出直してきな!暴言を失礼しましたぼけー
皆様にとって思い入れある通勤車両はありますか?
遠方への旅行は厳しいですが、身近な通勤車両に乗って慌ただしい日常から離れてみてはいかがでしょうかウインク
沿線の新たな魅力を発見するかもしれませんよキラキラ
今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。

鉄道コム