所有事業者:西武バス (埼玉)

仕様・用途:一般路線仕様

登録番号:所沢200 か 2133

社番:A0-532号車

配置:所沢営業所

初年度登録:2010年

シャシー製造:UDトラックス

搭載エンジン:三菱6M60(T2)型

車体架装:三菱ふそうバス製造

車両型式:LKG-AP37FK

車名:UDトラックススペースランナーA・ノンステップ

撮影日:2021年8月22日 (日曜日)

撮影場所:所沢駅東口

 

今日の予定は当初、横浜に行って京浜急行の 「オープントップバス」 と横浜市営バスの燃料電池バスと連節バスを乗り撮りするつもりでしたが、今、京急の 「オープントップバス横浜」 って運行されていないんですって。それが分かったら、急にモチベーションが下がり、予定を変更して向かったのは所沢。ここで西武バスの燃料電池バスと同じ西武バスの新色 「S-TORY」 を撮ることにしました。しかし、待てど暮らせどこの2つはやって来ません。っていうか、所沢は埼玉でも “都会” のはずなのに、バスがまるっきり来ません。どうなっているんだ?

そしてやって来るのはエアロスターばかり。でも、 「んっ!? 待てよ」 とばかりに、2010年式と2011年式のエアロスターを2~3枚撮りました。もしかしたら、ふそうではなくてUDトラックスブランドの 「スペースランナーA」 であるかもしれないと思ったからです。帰宅後、調べたら、1台はビンゴでした。

 

2006年、日産ディーゼルと三菱ふそうは相互OEM供給を締結し、エアロスターを 「スペースランナーA」 として、スペースランナーを 「エアロスターS」 として発売をしていました。観光・高速向けのモデルはエアロエース/エアロクィーンを 「スペースアローA/スペースウィングA」 として発売するだけに留まり、日デモデルを 「エアロエースS/エアロクィーンS」 として発売することはありませんでした。路線用モデルは車体はふそう、エンジンは日デ製を搭載していました。この煽りを喰らって、西日本車体工業は廃業せざるを得なくなったわけですが、皮肉にもふそうと日デの “婚約” は解消してしまい、ドロドロの愛憎劇は事実上、 “三社共倒れ” の様相を呈した訳です。

 

私が多摩に行っていた頃、ちょくちょく西武バスには乗っていましたが、その頃はほぼほぼ100%日産ディーゼルで、車体は富士重工製が圧倒的で、2003年以降は西工製が増えていくわけですが、2008年くらいでしたか、 “笹の葉カラー” のエアロスターらしき車が吉祥寺駅ですれ違いました。私は幻想を見ているのかと思いました。日デ王国の西武でふそうは有り得ないでしょう。そしたら、その幻想は幻想じゃありませんでした。今度は田無駅で紛れもない “笹の葉カラーのエアロスター” を目視したんです。でも、そこは西武バス。見てくれはエアロスターなんだけど、OEM供給の 「スペースランナーA」 だったんです。それが私が初めて見た 「スペースランナーA」 でした。滝山営業所西原車庫には2~3台、いたのかな? 乗ることもありました (実際は2008、2009年式合わせて11台配置されていた) 。

 

日デがバス事業から撤退した2010年 (登録上は2011年まで) 以降は正真正銘のふそう車が導入されるようになりましたが、画像は日デ再末期、日産の傘下から離脱して 「UDトラックス」 として独立した時のモデルです。既に自社製造モデルは無く、ふそうのOEM供給車だけが首の皮一枚でデリバリーをしていたのですが、 「UDトラックス」 ブランドで発売されたものは稀少です。

この532号車は、小平営業所にいた車で、当初は 「多摩200 か 2054」 という登録ナンバーを得ていました。いつ、所沢に転属したかは判りませんが、せめてもの収穫だったかなとは思います。

 

 

【参考文献・引用】

バスラマインターナショナル No.148

BUSRAMA SPECIAL No.11 「UDマークのバス達」

(いずれもぽると出版社 刊)