阪急電鉄 令和元(2019)年9月21日(土)撮影 | ふなたんのブログ

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阪急電鉄神戸線・宝塚線系統の車両に変化があった事を知り、令和元年9月21日(土)撮影へ行きました。

※:写真の説明は撮影時点のものであり,現在(令和3年8月)とは異なる場合もある事を予めお断りいたします。

【新編成】

▲7000系7090編成(7190-7505-7605-7090)+7000系7005編成(7105-7005),「普通 宝塚」行。

令和元年6月に正雀工場に入場した6050編成(6000系・7000系混成の8連,梅田駅方から6050-7616-7516-7565-7575-7605-7505-6150)は定期検査と併せて中間車両4両(7616-7516-7565-7575)を抜き4連(6050-7605-7505-6150)に編成替えが行れました。同時に6000系6050形6050・6150は,車両形式が7000系7050形に変更,車両番号が7090(旧6050)・7190(旧6150)へ改番されました。梅田駅側に7000系7005編成(2連)を連結,6両に組成し7月11日(木)に出場,同月13日(土)より今津(北)線(西宮北口駅-宝塚駅)で運用を開始しました。

 

今津線甲東園駅-門戸厄神駅にて

 

▲7000系7005編成+7000系7090編成,「普通 西宮北口」行。7005編成は神戸本線平日ダイヤ朝ラッシュ時の増結用等で主に使用されていました。6月に正雀工場へ入場し定期検査と冷房設備の改良を行い,6050編成を編成変更し誕生した7090編成(4連)と組成し新たに6両編成となり7月に出場,今津(北)線で運用を開始しました。

 

▲7000系7050形7090。電機子チョッパ長期試作車両として昭和50年に製造された2200系(阪急初の8連総貫通の固定編成)の大阪(梅田)側先頭車2250形(Tc)2250として製造されました。平成7年阪神淡路大震災で脱線,車体に多大な損傷を受けました。2250は6000系に編入され6150形に形式変更,6050に車両番号が改番されました。

今回の定期検査で7000系に編入され7050形に形式変更,7090・7190に車両番号が改番され,名実ともに7000系となりました。冷房設備の改良も同時に施工されています。

7050形(Tc)7090は編成内に組込まれた先頭車となるため新たに転落防止装置(簡単に着脱が出来る構造)が取付られました。

 

▲7000系7050形7190。電機子チョッパ長期試作車両として昭和50年に製造された2200系の三宮側先頭車2250形(Tc)2251として製造されました。

大阪(梅田)側先頭車2250形(Tc)2250と共に平成7年の阪神淡路大震災で脱線,車体に損傷を受け復旧にあたり電動車を無くした2251は6000系に編入され6150形に形式変更6150に車両番号が改番されました。今回の定期検査で7000系に編入され7050形に形式変更,7190に車両番号が改番されました。冷房設備の改良も同時に施工されています。前照灯のLED化は行われていません。

 

以上3点,今津線仁川駅にて

 

▲7000系7031編成(7151-7616-7516-7031),「普通 箕面」行。

6050編成から抜かれた中間車4両(7616-7516-7565-7575)は宝塚線へ転属しました。この内7616-7516は増結用として使用されている7000系7031編成(2連)の間に連結されました。新たに4連となった7031編成は箕面線(石橋駅-箕面駅)用として8月9日(金)に運用を開始しました。

 

▲7000系7500形7516(暫定T車)。7031編成に組成の際,連結順序を7616と入替え大阪側から2両目となりました。補助電源装(静止型インバータ)・電動空気圧縮機を搭載しています。

4両編成中3両が電動車となり,MT比率調整のため中間電動車から暫定(T)付随車化されています。車両番号はそのままで,形式がM7500-1形からT7500-3形に変更されています。

 

以上2点,箕面線桜井駅-石橋駅にて

 

【8300系誕生30周年記念列車】

▲8300系8300編成,「準急 天下茶屋」行。平成元年5月に登場した8300系が令和元年に誕生30周年を迎えたのを記念して,8300編成に建造時の姿を復元しました。前面に飾帯,車体側面にHマークと旧社章の装飾を施しています。5月24日(金)から9月30日(月)まで記念ヘッドマークが掲出されました。大阪側8300に掲出のヘッドマークは,8300系とHマークのデザインとなっています。

 

京都本線上新庄駅-相川駅にて

 

▲8300系8300編成の京都側8400に掲出された記念ヘッドマーク。Hマークと車両形式がデザインされています。飾帯はステッカーで再現しています。ヘッドマーク掲出は期間限定ですが,装飾は次回の定期検査まで残されます。

 

▲8300系8400形8400の側面。8300編成の両先頭車8300・8400の乗務員室後ろの側窓上部にHマーク貼付,各車両に旧社章貼付が行われています。

 

以上2点,京都本線上新庄駅にて

 

【今津(北)線】

▲1000系1000編成,「臨時急行 梅田」行。今津(北)線仁川駅が最寄となる阪神競馬場でのレース終了後,大勢の観戦客を捌くため仁川駅始発の梅田行臨時急行が運転される事があります。停車駅は神戸本線の塚口駅・十三駅のみです。今津(北)線と神戸本線が接続する西宮北口駅は,両路線を結ぶ短絡線(9号線)にホームが無いため,運転停車するだけです。この日の仁川駅発梅田行臨時急行の1本目は1000系第1編成が充当されました。

 

門戸厄神駅にて

 

▲9000系9008編成,「臨時急行 梅田」行。仁川駅始発の梅田行臨時急行2本目に充当される9000系第9編成。臨時急行は,観戦客の帰宅利便を図るために設定され,季節・レースに合わせて本数を決めて運行されています。梅田駅発仁川駅行の臨時急行もかつては設定されていましたが,現在は観戦客が集中する仁川駅発だけが夕方に運行されています。

 

甲東園駅-仁川駅にて

 

▲5000系5002編成,「普通 西宮北口」行。昭和42年から昭和44年にかけて47両が建造されました。神戸線系統の主力車両の一躍を引き続き担うため,平成13年から平成19年にかけて客室設備を中心にグレードアップを図ったリニューアル工事が施工されました。リニューアル工事の内容は施工年度により微妙な変化があります。5002編成は,平成19年にリニューアル工事が施工されました。同編成のリニューアル工事施工により5000系全車のリニューアル工事が完了しました。平成28年から平成30年にかかて今津(北)線への転用が行われました。転用の際,編成を8連から6連に短縮しこの際に編成から外れた中間車は順次廃車となりました。5002編成は,平成29年7月にに今津(北)線に転用されました。現在5000系は今津(北)線の主力車両となっています。

 

門戸厄神駅にて

 

【京都本線】

▲9300系9304編成,「特急 梅田」行。定期検査により新たに塗装(塗替え)が行われました。

車体は美しく,床下機器・台車はグレーとなっています。導入が進む可動式ホーム柵の対応で,検査に併せ車両番号が連結面側窓上部にも標記されました。阪急では,全般検査と重要部検査は編成単位で入場し,日々の作業量の平準化を図るため同一の編成の中に全般検査の車両と重要部検査の車両を混在させています。

 

▲9300系9308編成,「特急 梅田」行。9300系から阪急の車両は日立製作所笹戸事業所で製作されています。9300系は8連×11編成が建造されました。画像の9308編成のみ構体が日立製作所製で,以降の艤装は阪急の車両の定期検査などを行う正雀工場の敷地にあるアルナ車両で行われています。

 

▲1300系1308編成,「特急 梅田」行。1300系は,老朽化した車両の取替用として平成26年から営業運転を開始しました。開発コンセプトは「さらなる環境性能の向上」を目指した車両で,基本デザインや開発コンセプトは神戸線・宝塚線に導入が進む1000系に準じています。車体寸法は神戸線・宝塚線と京都線で異なり1300系は1000系より全長が10㎝短く,幅は5㎝広いです。走行機器は,1000系は東芝製を採用しているのに対し1300系は東洋電機製を採用しています。IGBT素子を用いたベクトル制御VVVFインバータ制御装置で全密閉内扇式の誘導電動機を搭載しています。京都線の次世代車両として増備が進み1308編成は第9編成で令和元年度の増備車で,撮影時点で阪急で最も新しい車両です。

 

▲7300系7324編成,「準急 天下茶屋」行。平成30年にリニューアル工事と制御装置のVVVFインバータ制御化(1300系と同等の製品を使用)が施工されました。リニューアルにより,編成が2連+6連から8連固定編成に組成変更されています。前から2両目はリニューアル工事により7990(T7850-1形)を電動車化した7840(M7800-2形)。7990は補助電源装置は静止型インバータ(SIV)と空気圧縮機(CP)を搭載し,将来の電動車(M´)化を考慮した設計でした。車両番号も90番代となっていました。リニューアル工事でそれを活かす形で電動車化され,連結位置も大阪側4両目から2両目へ移動し7324(Mc7300-3形)とユニットを組みました。

 


7300系7324編成の7890。昭和61年に建造されたGTO素子使用のVVVFインバータ制御装置の長期実用試験車7310を電装解除(リニューアルにより試験は終了)。先頭車から中間車化改造が行われ,乗務員室側開戸も埋め込まれています。客室は3300系中間車化改造車などでは,乗務員室背後の仕切窓や仕切扉の撤去が行われたのに対し,同車は仕切窓は残存し,仕切扉も開戸から引戸に変更され貫通扉の役目を担っています。形式・車両番号が変更され,Mc7300-2形7310→T7850-1形7890に。連結位置も大阪側3両目から京都側4両目へ移動しています。妻面(連結部分)のアイボリー塗装も,先頭車時代と同じ塗分けで他の中間車とは異なります。

 

▲7300系7326編成+8300系8304編成,「準急 天下茶屋」行。リニューアル工事が未施工の7300系はこの姿です。7326編成は,冷房装置の改良・前照灯のLED化等が行われていないため,上部のアイボリー塗装を除けば登場時の姿に近い形です。7326編成を含む8300系と組成する7300系2連編成2本,増結用2連編成本はリニューアル工事が行われておらず,今後の動向が気になります。

 

以上6点,上新庄駅-相川駅にて

 

▲8300系8304編成+7300系7326編成,「準急 天下茶屋」行。8304編成は神戸本線用8200系(元座席収納車)と同じデザイン(前面が傾斜・くの字形で前面の車両番号が前面窓の内側に標記)となりました。台車は新設計のZリンク式牽引装置にモノリンク式軸箱支持装置のボルスタレスボルスタレス台車SS-139A(M:電動車)・SS-039A(T:付随車)を本格的に採用しました。ブレーキ方式はユニットブレーキとし,ABS装置(フラット防止装置)を採用しています。阪急では数が少ないボルスタレス台車を履いています。

8300系は平成27年からVVVFインバータ制御装置の更新(1300系と同等品へ)が開始されましたが,8304編成は更新が行われていません。電動車8304(Mc8300-1形)・8804(M8800-1形)・8404(Mc8400-1形)の可とう歯車継手変更が平成31年1月に施工され,形式はMc8300-5形・M8800-5形・Mc8400-5形に変更されました。車両番号は変更ありません。

 

上新庄駅にて

 

▲3300系3329編成(8連),「普通 天下茶屋」行。平成15年に大規模工事が施工されました。主な内容は,車体外板更新,客室内装改良(化粧板色調変更,乗降扉ガラス複層化・大型化,座席肘掛新設,荷棚取替(パイプ構造から半透明のポリカーボネートに),バリアフリー設備整備(非常通話装置,車椅子スペース,LED式車内案内表示器,乗降扉開閉予告装置など),床敷物配色・図柄変更,上昇式フリーストップカーテンなど),乗務員室仕切開戸・貫通扉色調変更,冷房装置改良などです。

 

▲3300系3309編成(7連),「普通 梅田」行。3300系は,大阪市交通局(現大阪市高速電気軌道:Osaka Metro)堺筋線との相互直通運転用として,同局との乗入協定に基づき昭和42年から昭和44年,昭和54年に総勢126両が製造されました。台車は空気ばねのS形ミンデン台車のFS-369(M)・FS-069(T)が採用されました。軸箱支持方式がS形ミンデン式の空気ばね台車は,阪急の標準となり他の形式にも波及しました。7連編成と8連編成で,京都線や千里線,地下鉄堺筋線への乗入列車(8連のみ)などで活躍しています。

京都線最大勢力の車両でしたが、平成26年から7連編成に短縮した編成が増え,余剰となった車両が廃車となったほか,1300系の導入により編成単位での廃車も進んでいます。

 

▲3300系3314編成,「準急 梅田」行。先頭の3314は,かつて編成中間の乗務員室付き車両で転落防止装置が設置されていました。編成組替えにより先頭車として運用さる事となり転落防止装置は取外されましたが,前面窓下には転落防止装置取付用金具が残存しており,編成中間に連結されてた象徴となっています。

 

以上3点,上新庄駅-相川駅にて

 

【並び】

▲7000系7090編成+7000系7005編成,「普通 西宮北口」行と5000系5001編成,「普通 宝塚」行の並び。かつては神戸本線で見られた光景が現在は,今津(北)線で展開されています。

 

今津(北)線仁川駅にて

 

▲8300系8330編成(2連)+8300系8310編成(6連),「特急 河原町」行と7000系7006編成【京とれいん雅洛】,「快速特急 梅田」行が離合します。

 

京都本線上新庄駅-相川駅にて

 

▲9300系9301編成,「特急 河原町」行と7000系7006編成【京とれいん雅洛】「快速特急 梅田」行の並び。7000系7006編成は,京都本線十三駅可動式ホーム柵設置に対応した観光列車【京とれいん雅洛】となり,平成31年3月から京都本線で活躍を開始しました。片側2扉に改造のうえ和モダンな外観・内装を備えています。乗車券のみで乗車出来る車両です。

 

京都本線十三駅にて

 

〈参考文献〉

・『鉄道ピクトリアル 2010年8月臨時増刊号 【特集】阪急電鉄』(電気車研究会)

・『鉄道ファン 2021年5月号』(交友社)大手私鉄 通勤車両のリニューアル(連載記事 柴田 東吾氏著)

・『鉄道ファン2019年,2020年 8月号』付録「大手私鉄車両ファイル 車両配置表」

・『鉄道ジャーナル 2021年9月号』(鉄道ジャーナル社)電鉄車両動向2021 10(連載記事 柴田 東吾氏著)

・『鉄道ダイヤ情報 2014年2月号 [特集]阪急電車2014』(交通新聞社)

・『私鉄車両年鑑 2020』(イカロス出版)