セ~ブふぁん備忘録2

旅の記録です。

《ご案内》新型コロナウイルス感染拡大予防のため、残念ながらしばらくの間は遠出できなくなりました。記事を加筆修正するなどしていきます。

長崎電気軌道(長崎の路面電車)で巡る長崎② Nagasaki Electric Tramway②

savefan.hatenablog.com

こんにちは。それでは 前回に引き続き、2020年3月に訪れた長崎電気軌道(長崎の路面電車)の様子を記していきます。 Pictures ware taken at March 2020.

翌日はよく晴れてくれました。まずは原爆資料館へ向かいました。

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原爆資料館:5000形・1300形)Atomic-Bomb-Museum tram stop

長崎電気軌道の子会社が運営する複合施設「長崎西洋館」の中を路面電車が通っています。

乗りものニュース』によると、都市開発の関係でルート変更をする必要があり、その際に自社用地を分断する形で線路が通ることになった。そこで土地を有効活用するべく線路をまたぐ形で西洋館を建設し、1990年にオープンしたのだそうです(乗りものニュース2017年11月4日『路面電車なのにトンネル! 「現存唯一」とも 長崎電気軌道、線路上空を有効活用』)

このような線路の通し方は、自社用地だからこそできた技だったということですね。

 

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原爆資料館:1300形)Atomic-Bomb-Museum tram stop

1987年〜1989年製造の車両。都電7500形に少し似ています。

方向幕は大きめで行先の視認性が抜群です。

 

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原爆資料館:211形)Atomic-Bomb-Museum tram stop

1951年生まれの車両。一度生産されたものをメンテナンスしながら、末永く大切に使用していく。究極のエコロジーを見せられているような気がします。

 

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(大学病院前~原爆資料館:300形)Between Daigaku-Byoin-Mae tram stop to Atomic -Bomb-Museum tram stop

この大通りはセンターポールがおしゃれな仕様になっています。

 

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(300形車内)

シートは上品な紫色でした。落ち着いた雰囲気、普遍的な路面電車という感じ。

 

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思案橋崇福寺:201形・202形)Between Shian-Bashi tram stop to Sofukuji Temple tram stop

 

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崇福寺:201形・202形)Sofukuji Temple tram stop

1・4系統の終点、崇福寺停留所は川のすぐそばにあります。停車中の車両はほとんど川の上にあります。ここから先は道が狭くなり、勾配もきつくなっていました。

 

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崇福寺:211形)Sofukuji Temple tram stop

 

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崇福寺:370形)Sofukuji Temple tram stop

 

それでは、中心部の方に戻りましょう。

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(車号不明:車内)

 

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(車号不明:車内)

運転席の機器も年季が入っていますね。

 

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(車号不明:車内)

3・4・5系統の終点、蛍茶屋に向かってみましょう。

 

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蛍茶屋:201形・202形)Hotaru-Jyaya tram stop

ここで折り返していきます。

 

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蛍茶屋Hotaru-Jyaya tram stop

山側を見るとこのようになっています。さらに勾配が増しているようです。

奥に見えるのが車庫です。傾斜地を利用してファミレスなどが入居する建物の下に設けられています。建物名は「NEビル2」で、これは長崎電気軌道が所有しているとのこと。社有地を有効活用しているようです。

 

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蛍茶屋:500形)Hotaru-Jyaya tram stop

1966年製造の車両。従来の車両よりも運転台正面の窓が大きく取られ、角ばったデザインになっています。

 

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蛍茶屋:500形)Hotaru-Jyaya tram stop

 

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蛍茶屋水戸岡鋭治デザイン 310号「みなと」)Hotaru-Jyaya tram stop

青くテカった特別感のある車両がやってきました。

公式HPによると、この車両は、JR九州の「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治氏のデザインでリニューアルされ、2017年4月10日より運行を開始したようです。

「『みなと』は単なる移動手段としてではなく乗車している間は内装と車窓の風景を楽しんだり、外装は長崎の景観と一体化して走行している様子を楽しんだりできる車両となっています」と解説されています(長崎電気軌道公式HP『車両案内』)。

車内もレトロ調にリニューアルされており、観光客向けの車両です。

 

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蛍茶屋:1300形)Hotaru-Jyaya tram stop

 

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蛍茶屋Hotaru-Jyaya tram stop

俯瞰できそうなところが見えたので、階段で上ってみました。なかなか大変でした…この辺りで日々生活する人たちはすごいと思います。

電線が写らないようかわすのに苦労しましたが、なんとか、斜面に家々が建つ特徴的な景色を背景に、小さな路面電車をおさめられました。

長崎の町並みを感じられて満足です。

 

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蛍茶屋Hotaru-Jyaya tram stop

先ほどの場所より下がったところから撮影したと思います。先ほどの場所とは違い、自動車も入るのでごちゃごちゃしてしまいます。

 

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蛍茶屋:1500形)Hotaru-Jyaya tram stop

 

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(新中川町:1300形)Shin-Nakagawamachi tram stop

先ほどとは時間帯が異なりますが、新中川町の歩道橋からもこのように撮影できます。車両は京急の広告車です。遠く長崎にまで広告を出しているんですね。

 

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大浦天主堂~石橋:360形)Between Oura-Tenshudo tram stop to Ishibasi tram stop

写真を撮るなら定番の場所だと思います。

 

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大浦天主堂~石橋:500形)Between Oura-Tenshudo tram stop to Ishibasi tram stop

時間的にあまり正面に日が当たっていませんね。

 

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(石橋:3000形) Ishibasi tram stop

 終点の石橋です。突然の終点。

おそらくこの先も、道が細くなり勾配が急になっていくのでしょう。

 

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長崎駅前)Nagasaki station

長崎駅前に戻りました。

そういえば、せっかく平面の路面電車なのに、横断歩道がないので歩道橋を上り下りしなければ乗れません。エレベータもないので高齢者は大変そうです。

階段にはみんな強いので、まだ大丈夫という判断でしょうか。

 

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長崎駅前:5000形)Nagasaki station

と思っていましたが、調べてみると「交通結節等検討会議(座長・平田研副知事)」が2020年7月にまとめた基本計画で、

「現在の長崎駅前の高架前広場を撤去して国道202号上に新たに高架デッキを設置。動く歩道エスカレーター、エレベーターも設置して歩行者を支援する。駅と高架デッキで結ぶ大黒町側にバスターミナルを再整備し、デッキ周辺に路線バスの停留所も集約する方針」

が示されたのだそうです。

実はこの2020年3月に長崎駅新駅舎が完成していますが、従来よりも電停までのアクセスが悪化しています。そこで、ペデストリアンデッキによって歩行を支援しようという計画です。ただ、この方針では、大きな予算と期間を要するでしょう。

 

他にも、「既存の歩道橋にエレベーターを設置し、路面電車乗り場のバリアフリー化を図る考えが示されている」ようです(長崎新聞2021年4月25日『長崎駅周辺乗り継ぎ不便 交通結節機能の確立不可欠』)。こちらの方が現実的にも思えます。

 

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長崎駅前:500形)Nagasaki station

 2022年秋に「西九州新幹線」が開業するそうですから、そうしたらまた駅前の景色もさらに変わっていくのかもしれません。

www.jrkyushu.co.jp

 

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長崎駅前:500形)Nagasaki station

角ばった、無駄を排除したシンプルなデザインがかっこいいですね。

 

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(出島~新地中華街:500形)Between Dejima tram stop to Shinchi-Chukagai Chinatown tram stop

後ろにあるのが、有名な「出島」です。初めて訪れ、中にも入ってみました。

すでに周囲は埋め立てられており、島という感じではありません。

 

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(長崎の町並み)

「グラバースカイロード」という坂道を斜めに上がっていくエレベータに乗って、見晴らしの良いところまで来てみました。

関東の近くだと、熱海に似たような景色かもしれません。

 

西浜町の方まで戻りました。

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(西浜町付近:300形)Near Nishi-Hamanomachi tram stop

もう夕方で暗くなってきました。

 

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(西浜町付近:310号「みなと」)Near Nishi-Hamanomachi tram stop

夕日で青い車体がキラキラ光ります。

夕方ですがそんなに車も多くありません。

 

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(西浜町付近:310号「みなと」)Near Nishi-Hamanomachi tram stop

表面の少し波打つ感じが、重厚感を引き立たせていると思います。

 

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(西浜町付近:500形)Near Nishi-Hamanomachi tram stop

 

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 (西浜町付近:211形)Near Nishi-Hamanomachi tram stop

自転車に乗っている人もいます。

 

さて、今回で長崎電気軌道長崎市内を巡る回は終了です。1年以上前に撮影したものですが、写真や地図を見ながら書いていくと、場所の空気感を思い出し、振り返ることができました。

色々な人の生活を載せて走る、歴史のある路面電車は、空気を感じながら地域をめぐることを可能にする、楽しいツールだと感じます。

 

《 参考》

乗りものニュース2017年11月4日『路面電車なのにトンネル! 「現存唯一」とも 長崎電気軌道、線路上空を有効活用』https://trafficnews.jp/post/78970

長崎電気軌道公式HP『車両案内』http://www.naga-den.com/publics/index/27/

長崎新聞2021年4月25日『長崎駅周辺乗り継ぎ不便 交通結節機能の確立不可欠』https://nordot.app/758874109314252800

 

【次回】は、島原鉄道に向かいます。